仕事の仲間のナルシストぶりに、ゲンナリしてしまったことはありませんか? ナルシストと長時間一緒にいるのが辛く感じるときもあるのではないでしょうか。しかし、そのナルシストがビジネスの現場では意外に力を発揮するという報告も……
- 「輝いている自分を表現する」行動をビジネスに向ける!?
- ナルシストのエネルギッシュさがプラスに
- おすすめは4人に2人
「輝いている自分を表現する」行動をビジネスに向ける !?
そもそもナルシストの心理状態は、どのようなものでしょうか?
「ナルシストな男の特徴って? 心理と恋愛傾向」(マイナビウーマン)によれば、ナルシストの心理は次のようなものです。
「人に注目されたり、すごいと尊敬されたりを繰り返し、それで自尊心が満たされていく。そして、さらに自尊心を満たしたくなり、輝いている自分を表現する」
この「輝いている自分を表現する」ことをうっとうしく感じることもありますが、この表現力がビジネスに活用できるというのです。
ナルシストのエネルギッシュさがプラスに
米国コーネル大学のゴンカロ准教授は、「ナルシストはひとりより、ふたりが良い」という論文を発表しています。その論文では、3つの実験が紹介されています。
最初の実験では、ナルシスト度の調査が行われました。その後、発想のイマジネーションについてのテストを実施したのです。その結果、ナルシストとクリエイティブさには相関がみられず、よく言われるような「クリエイティブな人はナルシスト」というのは誤解だということが確認されました。
次の実験では、映画の原案をナルシストにプレゼンさせるというものでした。さらに、そのプレゼンがどれだけクリエイティブだったのかを第三者に評価してもらったのです。すると、今度はナルシストとクエイティブに相関が発見されたのです。最初の実験と異なる結果となったことについて、ゴンカロ准教授はナルシストの行ったプレゼンはエネルギッシュだったから、内容が実際よりもクリエイティブに見えたのだと結論付けています。
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おすすめは4人に2人
そして最期の実験では、グループディスカッションとグループシンキングを実施し、そのグループの全員のナルシスト度を合計し、グループシンキングの達成度を比べました。その結果、ナルシスト度が高すぎても低すぎても達成度が低かったのです。
どうして、このような結果になったのかについて、ゴンカロ准教授は、ナルシストは他者に抜きん出て発言や活動をするので、議論の活性化のためには適切な人数がグループに必要。ただし人数が多すぎると競争し過ぎて破綻してしまうと結論づけました。
それではナルシストがどれぐらい居るとプラスに働くかというと、4人グループには2人のナルシストが必要と書いてあります。意外なほど多いことに驚いてしまいます。
場合によっては、敬遠されることあるナルシストですが、ビジネスの現場に複数いた場合は力を発揮するということは覚えておいていいのではないでしょうか。
もし社内にナルシストがいる場合は、同じグループにさらにもう一人ナルシストに入ってもらうことで、より成果が上がるかもしれません。ただ、上司や同僚は、少し大変かもしれませんが……。
参考:
『脳がシビれる心理学』(妹尾武治 著/実業之日本社)