わかっているのに手を付けられないことありませんか?書類の作成やお礼の手紙など、ちょっと面倒だと思う気持ちが手を止めてしまいます。そんな先延ばし癖への対処法を、いくつかご紹介しましょう。
- 先に延ばした物事が現在のスピードを奪う
- 何となくの先延ばしを意識化する
- とにかく手を付けるための4つの方法
先に延ばした物事が現在のスピードを奪う
先延ばし癖に悩む人は多いようです。対処法の本がいくつも出版されていますし、税務署も期日間近は大混雑します。これなどは、ついつい先に延ばしていた人が、税務署に押しかけた結果でしょう。
先延ばし癖は、何となくやってしまうからこそやっかいなのです。まだ期日があるからと、いつの間にか後ろに順番を回して、意識下に追いやってしまう。
しかし、こうやって後ろに回された物事は、無意識のうちに声を上げ続けています。その証拠に後ろに回した仕事も期日が近くなると、急に思い出したりしませんか?こうした物事が増えてくれば、コンピュータの常駐ソフトが増えるのと同じように、日々の仕事のスピードを奪っていきます。
気づいたらどんどん片付けてしまうのが、じつは効率的なのです。
何となくの先延ばしを意識化する
と、こんなことは先延ばし癖に悩み、対処法の本を買ったことがある人なら、すでに知っていることかもしれませんね。
そう、わかっているのに止められないのが、先延ばし癖だといえるでしょう。
さて、この悪癖を退治する第一歩としてお勧めしたいのは、無意識の中にある癖をイメージ化することです。それは無意識の陰に隠れて好き放題に悪さをさせないための第一歩です。
『毎日使える必ず役立つ心理学』(サラ・トムリー 著/河出書房新社)は、先延ばしに苦しんでいた作家ティム・アーバンの小説を紹介しています。
やんちゃで人の気をそらそうとする猿が頭の中にいる。この猿は将来を気にすることもなければ、過去の記憶もない。そしてひっきりなしに、「ちょっと遊んでも大丈夫だって」と「暗い遊び場に」に誘ってくる。
この誘いにのってテレビを見たり、ゲームで遊んだりしていると、罪悪感や不安、自己嫌悪が募っていく。こうなると、この猿を追い払うには、「パニック・モンスター」の出現を待つしかなくなる。
先延ばし癖のある人にとっては、じつにリアルに感じる話でしょう。
私たちはこの猿と無意識で闘っている場合も多いのです。何となく「後でいいや」と思ってしまったら、頭で猿が暴れているイメージを持ちましょう。
とにかく手を付けるための4つの方法
この猿に勝つための最も有効な方法は、とにかく手を付けることです。
じつは人間のやる気は、行動しているうちに出てくることがわかっています。これは「作業興奮」と呼ばれるもので、体が動かす中で脳が刺激されてドーパミンが分泌され、どんどん作業へのやる気が高まっていくのです。
つまり手を付けさえすれば、多くの問題は解決します。
ただ、「そう言われてもなかなか……」と思う人も多いでしょう。そこで取っかかりへの「壁」を低くすることが、対策のポイントになります。
①分割する
すごく汚い家全部を掃除しようと思ってもゲンナリして手がつかないものです。でも、小さな部屋だけ、あるいは机の上だけならたいした労力も必要ないと思えるでしょう。
そんな心理を利用して、まず作業を細かく分割します。細かく分解した作業によって作業興奮を引き出せれば、あとはそれほど抵抗なく作業も進むので、まず最初に「猿」の抵抗を抑えることを考えましょう。
②分割した作業の手順を計画する
作業を分割したら、簡単に番号を振っておきましょう。特に大きな作業の場合は、小さな分割が終わった後、次の手順を確認している間に作業興奮が冷めてしまうケースもあります。サクサクと仕事が進められる自分を手放さない準備も重要です。
③必要なものを並べる
作業を始める前の10分間で、必要な道具や資料をすべて自分の近くに揃えます。これも熱中して高まった自分のやる気をそらさないためです。また揃った道具によって、「仕方ないやるか」と思えるようにもなるからです。
④10分したら好きなことをしていいと決める
①~③までを準備しても取りかかれない場合は、10分したらネットサーフィンに戻ろうとか、10分したらゲームをしようとか考えて始める方法があります。最初は面倒だと思っても、10分過ぎればやる気も起きていますので、なかなか止めようと思わないのでかなり効果のある方法です。
先延ばし癖に悩んでいるなら、ぜひ試してみてください。