部下や後輩の指導に悩んでいる人も多いかもしれません。そもそも人手不足なのに強く言うと辞めてしまいそう。もちろんパワハラも気になる。そんな上司や先輩のために、絶対に気をつけるべき注意のルールを4つにまとめました。
- 「給料泥棒」などの暴言を吐かない
- 大勢の前で辱めない
- 長時間、叱責しない
- 褒めてから叱らない
①「給料泥棒」などの暴言を吐かない
パワハラの正式名称は、パワー・ハラスメントです。さすがに、これだけ話題になっていると、部下を小突いたり、叩いたり、あるいは「死んでしまえ」といったひどい暴言がパワハラになることは、すでに多くの人が知っていることでしょう。
しかし、もしかすると高度成長期なら職場の叱責で使われていたかもしれない「給料泥棒」といった単語も、人事院が作成した「パワー・ハラスメント防止ハンドブック」に掲載されているほど注意が必要な単語なのです。
頭に血がのぼっても、部下に口にすべき言葉ではありません。
②大勢の前で辱めない
部下を叱るときのシチュエーションも注意すべきポイントの一つです。
例えば、みんなの前でささいなミスを大声で叱責するといったケースも、パワハラになる可能性があります。他の従業員に部下のミスを広めるかのような叱責は、避ける必要があります。別室で話を聞くといった配慮が必要となるでしょう。
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③長時間、叱責しない
過去のパワハラの判決では1時間半におよんだ叱責について、裁判所はパワハラではないと認定したケースもありました。しかし、パワハラではないとした判断理由として、終始落ち着いた口調で話しかけていたからと説明しているのです。
そもそも長時間の叱責はパワハラと認定される可能性があり、感情むき出しの叱責はかなり問題のある態度だといえるでしょう。
④褒めてから叱らない
業務上、必要であれば注意しなければならないこともあります。ただ、そのときに、部下がどんな気持ちになるのかを考えましょう。たとえパワハラでなくても、部下のモチベーションを下げてしまうような叱り方は、上司として問題だからです。
では、質問です。次のうち最も印象の悪い態度はどれでしょうか?
1 一貫して相手を肯定する
2 相手をいったん否定しておいてから肯定する
3 肯定的な態度をしたあとで否定する
4 一貫して否定する
正解は、3の「肯定的な態度をしたあとで否定する」です。4の「一貫して否定する」より印象が悪いのです。
逆に最も印象がよかったのは、2の「相手をいったん否定しておいてから肯定する」だったのです。つまり褒めっぱなしも好かれないということです。
これは心理学者のアロンソンとリンダーが、80人の女子大生に協力してもらい、同じ人に7回会った後の印象をまとめたものです。
注意すること自体が問題なのではなく、言うべきことを言った上で、しっかりフォローすることが、部下との人間関係を構築する上でも重要だということが、この実験からもわかるでしょう。
部下への注意の方法に困っている方は、ぜひ頭に入れておいてください。
参考:
『本当は怖い59の心理実験』(おもしろ心理学会 編/青春出版社)