イライラなどの感情を緩和させるために食べてしまうことありませんか。もしそうなら、それはエモーショナル・イーティングです。とくに20代、30代の社会で働く女性に増えていると指摘する専門家もいます。そんな習慣を止める方法を紹介します。
- エモーショナル・イーティングとは
- 6つの習慣で「食べたい心」と上手に付き合う
- どうしてもやめられないときは専門家に頼って
エモーショナル・イーティングとは
エモーショナル・イーティングとは、空腹からではなく、ネガティブな感情から「食べたい」欲求が生じ、それを満たすために食べ物をとることを指します。ネガティブな感情とは、悲しみ、怒り、寂しさなどさまざまで、要はストレスになるような感情のことです。
例えば、失恋の痛みなどからドカ食いを行うこともエモーショナル・イーティングの一つと考えられますが、一時的なものであればとくに問題はありません。誰でも、たまにはストレス食いをしてしまうことがあるでしょう。
問題は、エモーショナル・イーティングが頻繁に行われることです。とくにエモーショナル・イーティングでとられる食べ物は、極端に甘いものやしょっぱいものなど高カロリーのものが多い傾向があります。日常的に続けていると肥満につながったり、虫歯の原因になったり、糖尿病の原因の一つになったりする危険があります。
6つの習慣で「食べたい心」と上手に付き合う
「自分も、エモーショナル・イーティングを繰り返しているかも……」と感じたら、まがい物の食欲から解放される方法を考えましょう。食べたがっているのは、あなたの身体ではなく、あなたの心。上手に付き合うためには、心の欲求をムリヤリ抑えつけるより、気持ちをそらしたり、気持ちと向き合ったりするほうが有効です。
・「食べたい」と感じたら、5分間歩く
身体ではなく心が食べ物を欲しているときには、5分間だけ待ってみることが有効であると多くの専門家が書いています。5分経てば、まがい物の食欲は消えていることが多いというのです。5分間、ただ待つのは辛いでしょうから、意識して歩き回ってみましょう。家の中にいるならいったん外に出るだけでも気分転換になり、食欲を忘れられるかもしれません。
・ペットや家族をハグする
ふわふわしたもの、温かいものに触れると、オキシトシンが分泌されます。オキシトシンは、通称“愛情ホルモン”と呼ばれており、この分泌によってストレスが緩和されるとされています。まがい物の食欲に襲われたら、ペットや家族を抱きしめましょう。ふわふわのクッションでも効果が期待できるようです。
・お気に入りのフレーバーティーを飲む
さまざまなお茶を試してみて、「とっておきのフレーバーはコレ」という一杯に巡り合えたらしめたもの。エモーショナル・イーティングの衝動に駆られたら、一番気に入っているフレーバーティーを口にしましょう。満足度が高まり、いつの間にか食欲がどこかに消え失せてしまっているかもしれません。
・感情をノートに書き留める
根本の原因であるストレスと向き合うのも一つの手。「イライラが止まらない、何か食べたい」と感じたら、そのときの感情をノートに書き留めましょう。書き留めることによって冷静になり、またつづったことを読み返してみれば、自分がどんな時に衝動を抑えられなくなるか、傾向がわかります。傾向がわかれば、対策も立てやすくなります。
・食べたものや時間を書き留める
自分がどのくらい食べているのかわからないと、食べることへの罪悪感が大きくなります。食べたものや、その時間を書き留めてみましょう。もしかしたら、そんなに多くの量を食べていないかもしれません。
お菓子を食べているからと食事を抜いたり制限したりしていると、本当にお腹が空いているのか、ストレスから食べたくなっているのかわからなくなります。まずは3食きちんと食べ、そのうえで食べたい欲求が高まるかどうかを確認するためにも、記録は必要です。
・親しい人に電話する
エモーショナル・イーティングとは、食べることで自分の欲求を満たす行為です。つまり、そこには他者の介在がありません。生活にもっと他人を介入させると、まがい物の食欲から気をそらす瞬間が多くなるかもしれませんよ。親しい人に電話して、通話を切った後でも食べたい欲求が残っているか観察しましょう。
どうしてもやめられないときは専門家に頼って
エモーショナル・イーティングがかなり頻繁で、どんな方法を使っても気を紛らわすことができないのであれば、一人で悩まず心の専門家に頼りましょう。仕事上のストレスが解消できずにエモーショナル・イーティングへ陥っているのであれば、産業カウンセラーや産業医に相談するという手もあります。
産業カウンセラーとは、働く人たちが抱える人間関係やキャリア等の問題を、自らが解決できるよう心理的手法を用いて支援してくれるカウンセラーです。自分が働いている現場に資格を持っている人はいないか、探してみましょう。相談すれば、解決の糸口が見つかるだけでなく、気持ちがスッと楽になることが期待できます。
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参考:『心も体も生まれ変わる「セルフケア」プログラム 最高の自分にリチャージする12章』ジュリー・モンタギュー、日本実業出版社/『なぜあなたは食べ過ぎてしまうのか 成功率9割以上の肥満専門外来が教えるダイエットの心理学』岡嵜順子、講談社/空腹じゃないのに食べてしまう「エモーショナルイーティング」とは?(ママテナ)