年末年始はどうしても食べ過ぎになりがち。しかし、どうしてこの時期は体重が増えてしまいがちなのでしょうか?その秘密と対策を調べてみました。心理学を活用して、今年こそ「冬太り」「正月太り」を克服しましょう。
- 年末は太る要因が満載
- 体重のグラフを見るだけ
- 体重を増やす「トリガー」を探せ!
年末は太る要因が満載
年末が太りやすい最大の要因は、外食などの機会が増えるせいでしょう。今年は新型コロナウイルスの影響もあり、忘年会などの自粛も少なくないかもしれませんが、それでもスイーツやカロリーの高い食事をする可能性は、どうしても高くなりがちです。
またクリスマスやお正月などは、Webや街中にも美味しそうな食事の映像が並びます。じつは太っている人ほど、こうした外部からの「刺激」に反応して食べてしまうことが知られています。心理学では「外発反応性」と呼びますが、周りの状況によって食欲が変化してしまうのです。美味しそうに食べている人を見れば食べたくなりがちですし、お皿に多く盛ってあれば、ついつい多めに取り分けてしまいます。
さらに問題となるのが、忙しさなどによるストレスです。人間の進化の過程で、緊張状態になり脳からストレスホルモンが放出されると、戦いに備えて脂肪が貯められるような仕組みになりました。しかし現代の「戦い」では、脂肪が消費されることもなく、体重だけが増えてしまいます。
また食でストレスを紛らわす「エモーショナルイーティング」も、多忙な時期には起こりがちです。本当にお腹がすいているわけでもないのに、ストレス発散のために大食いにはしってしまうというわけです。
体重のグラフを見るだけ
これだけ肥満の要因が多い時期だと太らないようにするのも大変だと感じるでしょう。しかし今年はジョージア大学の研究が、力強い味方になってくれそうです。
この実験では、米国人が太りがちな感謝祭の前の平均体重を上回ることがないようにという指示が出されました。ただし目標達成のための食事療法などの提案は一切しませんでした。その代わり参加者の一部は、毎日体重を測るように言い渡し、そのときに体重の増減がグラフとして示されるようにしたのです。
結果、グラフを見なかったグループは5ポンド(約2.3kg)以上太りましたが、グラフを見たグループは太ることもなかったのです。それどころか肥満体験の参加者は、グラフを見るだけで痩せたのというのです。
以前、食べたものを記録する「レコーディングダイエット」がはやりましたが、やってみると意外に面倒くさいと思った人も多いことでしょう。しかし体重を測って記録してグラフにするだけなら、スマホのアプリを使えば1分もかからず終了です。
体重測定の習慣を、現在の生活習慣に組み込めば万全です。例えば歯磨きの後に測るとか、寝る前に測るといった形にしてみましょう。かなり習慣化しやすいはずです。
体重を増やす「トリガー」を探せ!
ついついストレスで食べてしまうと嘆いている方にお勧めなのは、大量に食べてしまう「トリガー」を見つけることです。どんな気持ちのときで、何があったときに大量に食べてしまうのかを発見すれば、体重が一気に増えるのを防げる可能性が高まります。
例えば、残業が続いたときにコンビニに寄って大量のお菓子を買ってしまうなら、残業が続いて危ないなと思ったら、コンビニを避けて自宅に帰るようにするだけで「エモーショナルイーティング」を予防できます。
ついつい食べて過ぎてしまいがちな季節ですが、太ると落とすのが大変だと思っている方は、食欲を刺激される前に太りにくい習慣を見つけてみてはいかがでしょうか?
スマホにアプリを入れて、体重を測る習慣を身に付けるだけ。これなら明日からでもできそうですよね!
心理学を活用した生活改善に興味のある方は、こちらもご覧ください。
参考:「You Don’t Have to Gain Weight Over the Holidays」(Edward Abramson Ph.D./Psychology Today)/『最高の自分にリチャージする12章』(ジュリー・モンタギュー/日本実業出版社)/「ストレスと肥満」(北岡和代/eヘルスネット)