夫婦は仲良くありたいものですが、現状は3組に1組が離婚しています。離婚を避けようと思うなら、信頼関係を築ける人を選ぶ必要があります。そして夫婦の信頼関係には遺伝子が関係していることが発見されています。
①感謝・信頼・許容からチェック
アーカンソー大学、フロリダ州立大学、マルギ大学の共同研究チームは、30代前半の71組の新婚カップルを対象に、4ヵ月ごと3年間にわたって夫婦の満足度と遺伝子を調べました。驚いたことに特定の遺伝子を持つ人は、結婚後の満足感が高いことがわかったのです。
少なくとも実験の結果だけを見れば、その遺伝子を持つ人は、相手に対する感謝や信頼、許容のレベルが高く、夫婦であることへの満足度も高いことがわかりました。
またこの遺伝子を持つ男性は、共同体としての意識が高く、浮気の可能性が低いこともわかったのです。この男性の傾向は、妻が同じような遺伝子を持っていなくも変わることがありませんでした。
この研究結果について、「この遺伝子を持つ人すべてが人間関係に強いわけでもなく、持たない人すべてが愛に絶望的ではありません。遺伝子は運命ではないのです」と、研究者自身が語っています。実際に遺伝がどれぐらいの影響があるのかは、慎重に判断する必要があるでしょう。
ただ、結婚生活がうまくいく可能性の高い一群がいることは事実のようです。そのような一群と結婚したいのであれば、遺伝子の特性である感謝・信頼・許容の度合いが高い人を選ぶようにすればいいのかもしれません。
②浮気しやすいタイプを避ける
結婚後にトラブルを引き起こしそうなタイプを避けるのも、良い結婚生活を送るための一つの方法でしょう。
2018年にマイナビニュースは、男性501名に「浮気・不倫」に関する調査を実施しました。その中でも興味深かったのが、浮気する男性の特徴です。トップ10は次の通りです。
1位 性欲が強い 35.1%
2位 経済的に余裕がある 32.5%
3位 スリルを求める 24.4%
4位 飲み会や合コンによく参加する 24.2%
5位 あきっぽい 22.4%
6位 女友達が多い 20.2%
7位 寂しがりや 18.6%
8位 話し上手 17.6%
9位 過去付き合った人と繋がっている 17.4%
10位 マメである 16.8%
この中で「経済的に余裕がある」「話し上手」「マメである」といった特徴は、モテる要素でもあります。
また、「スリルを求める」「あきっぽい」「寂しがりや」といった特徴は、浮気をしやすい気質だと思わない人も多いかもしれませんが、少し注意しておいた方がいいタイプなのかもしれません。
③3つのステップを意識する
心理学者のマーステインは、カップルが親しくなる3つのステージを明らかにしています。
(1)刺激ステージ
出会いの場面では、顔・スタイル・服装・表情・しぐさ・社会的地位などにひかれて、人は惹かれ合います。刺激に心ひかれるのがこの時期だといえそうです。
(2)価値ステージ
同じ趣味など、価値観が似ているのかどうかが重要なポイントになります。さまざまな心理学の実験により、共通点が多い同士は関係性を深めやすいことがわかっています。同じ趣味を持つ人が恋人になりやすいのは、このステージで前に進めるのも大きいのです。
(3)役割ステージ
共同作業や共同行動が多くなり、役割関係が重要になります。互いを補完し合う関係になり、二人の課題に対してしっかりと向き合えると、さらに関係性が深まります。
すべてのカップルが3つ目のステージまでたどり着けるわけではありません。各ステージで互いが重要視するものが一致しないと、関係性は深まらないからです。結婚するのであれば、お付き合いをしている間に「役割ステージ」まで到達しておくと、離婚の可能性は低くなるようです。
つまり一目ぼれでいきなり結婚するのではなく、同じような価値観を持っていることを確かめ合い、さらに互いを補完し合える関係性を築いてから結婚を検討すればいいわけです。慌てないで、互いをしっかりと評価しあうのがプラスに働くということでしょう。
今日は結婚に失敗しないための心理学的な知識をまとめてみました。
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監修:日本産業カウンセラー協会
参考:「500人の男に聞い『浮気・不倫する男の特徴10個』と『行動心理』」(マイナビニュース)/「Is There a Strong-Relationship Gene?」(Gary W. Lewandowski Jr. Ph.D./Psychology Today)/『図解雑学 人間関係の心理学』(ナツメ社/齊藤勇)