一生懸命頑張って恋人関係を大切にしても、なぜかいつもうまくいかなくなってしまう。その原因は、ひょっとしたらあなたが「頑張っている」ことにあるかもしれません。自由と責任の心理実験から、あなたが振られる原因について考察します。
- デートプランから手作り料理まで至れり尽くせり、なのになぜうまくいかない?
- 自由と責任の心理実験
- 相手の満足度アップのために、頑張るのをやめてみる
デートプランから手作り料理まで至れり尽くせり、なのになぜうまくいかない?
「恋人ができたら、完璧なデートをしなくては」と、スマホや雑誌でデートスポットの情報を収集するあなた。プランをいくつも考えて、恋人を喜ばせるのは、とても幸せな瞬間ですよね。それに、最近の男性は料理が得意な人が多いですから、手作りディナーを振る舞って、結婚を意識させたいと頑張る人もいるようです。
でも、そんなあなたが「いつも恋愛関係が長続きしない」と悩んでいるようなら、アプローチの仕方を変えたほうがいいかもしれません。自由と責任の心理実験から、人の満足度をアップさせる方法について学びましょう。
自由と責任の心理実験
アメリカの心理学者、ランガーとロダンが、コネチカット州の高齢者施設で行った心理実験があります。利用者を二つのグループに分け、生活に関して与えられる自由度や責任度によって、幸福の度合いが違うかどうかを調査しました。
一つめのグループには「自分の身の回りのことは、自分で行ってください。どう過ごすかも自由です。部屋のレイアウトもご自分でどうぞ。何かあったら協力します」などと告げました。
二つめのグループには、「皆さんが快適で幸せな毎日を過ごせるよう、スタッフが全力でサポートします」と宣言し、居住者の食事や過ごし方、部屋のレイアウトなどをスタッフが決め、その内容に責任を持つこととしました。
それから3週間後、利用者に幸福度アンケートを取りました。すると、自分の生活に対して一切の責任と自由を任されたグループのほうが、生活満足度が高く、体調すら改善されていたという結果が出たのです。何不自由なく暮らした別グループよりも、活き活きした生活ができているという結論になりました。
相手の満足度アップのために、頑張るのをやめてみる
「相手が喜んでくれるように」「相手が何の苦労もしなくてよいように」と思いながらデートや生活のプランを練るのは、とても嬉しいことですよね。でも、それで満足しているのは、実はあなただけかもしれません。自由と責任を持たされない形になった相手は、どう思っているでしょうか。
本当に相手の満足度をアップさせ、おつきあいを長続きさせていくためには、頑張るのをいったんやめてみるのも一つの方法です。相手にも、デートプランを考える面白さ、お店を選ぶワクワク感、相手が手料理を気に入ってくれるかドキドキする高揚感を味わう機会を持ってもらってはいかがでしょうか。あなたが今まで想定していなかった形の幸せが、相手を包み込むかもしれませんよ。
「たまには任せた!」と笑ってプランを委ねてみたときの、相手の反応をチェックしてください。「えー、どうしようかな?」といった困り顔の奥に、期待や楽しさが垣間見られたなら、2人がこれから幸せになっていくためのヒントが、そこに隠されているといえるでしょう。
参考:『本当は怖い59の心理実験』