ちょっと心細い状況に直面したとき、人恋しさを感じることもあるのではないでしょうか。そんな人にお届けしたいのが、人を好きになってしまう秘密です。その秘密を活用してパートナーを探してみませんか?
無意識のうちに好きになる
じつは「好き」のスイッチが自動的に入ってしまうポイントがけっこうあることを、心理学は明らかにしています。
無意識のうちに好きになってしまうポイントを学べば、振り向かせたい人に有効なのはもちろん、そうしたポイントを強調して好意を得ようと近寄ってくる人物への警戒心を抱けるようにもなるのではないでしょうか。
さあ、「好意のスイッチ」をしっかり認識しましょう。
①外見の魅力
「外見のいい人は才能、親切心、誠実さ、知性といった望ましい特徴を持っていると自動的に考えてしまう傾向があります」(『影響力の武器[第3版] ――なぜ人は動かされるのか』 ロバート・チェルディーニ 著/誠信出版)。
この文章を読んで、ちょっと大げさなのではと感じる人もいることでしょう。
しかし1974年のカナダ連邦選挙を扱った研究では、外見が魅力的な候補者は、そうではない候補者の2.5倍もの票を獲得していることが判明しました。
しかもカナダの有権者の73%が、候補者の身体的な魅力に影響をいっさい受けていないと断言したそうです。つまり、外見の魅力というバイアスに気づかず、候補者に信頼を寄せてしまうケースがけっこうあったということです。
外見によるバイアスで、好意のすべてが決まると考えることは間違っているかもしれませんが、軽視するのも問題があるといえるでしょう。身体を鍛えたり、おしゃれに気を配ったりという努力は、多くの人が考えている以上に、影響力を発揮する可能性がありそうです。
ちなみに心理学者のラングロワとログマンの研究により、魅力的な顔は多くの人の平均値だという研究成果が発表されています。コンピュータグラフィックでいろんな人の顔写真を取り込んで平均値を求めると、平均化する人数が多ければ多いほど魅力的だと感じるようになることが判明したのです。
平均の顔が魅力的って、ちょっと意外な感じがしますね!
②褒める
ここで言う「褒める」は、真剣に相手の魅力を考えて口にしたという種類のものではありません。お世辞だとわかるようなものでも、人は褒められると「好意のスイッチ」を入れてしまうのだそうです。
ノースカロライナで行われた実験を、社会心理学者のロバート・チェルディーニは次のようにまとめています。
「純然たる賞賛は、それが正確でなくても効果をもちました。肯定的なコメントは、それが真実であろうとなかろうと、そのお世辞を言う人に対して、等しく好意を生じさせたのです」
他人の長所を探して褒めることは決して悪いことではありません。何よりそうした行動は褒めた相手の好意を自動的に自分へ引き寄せるのです。
また、この本には伝説的な自動車セールスマンが、毎月1万3000人以上のお得意さんに「あなたが好きです」と印刷された挨拶状を送っていたと書いてあります。大げさなこうした好意の表明が、自動車セールスに効果があったというのです。
わかりやすいお世辞でも、大げさな好意でも、肯定的な言葉として相手に届けば、「好意のスイッチ」が入ってしまうかもしれないのです。
これは覚えておきたい知識です!
③似たところ
人は自分に似ている人を好みます。じつは服でさえ、自分と同じようなファッションの人に好意を抱きやすいという研究が『影響力の武器[第3版] ――なぜ人は動かされるのか』 には報告されています。
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この似た部分を趣味や経歴、母校、郷里などに広げて、相手との類似点を強調すれば、好意や承諾を得やすくなるそうです。恋愛でもビジネスでも、SNSなどで相手を調べて、似ている部分をピックアップして強調するのは、プラスに働くことでしょう。
どうでしょうか?
3つの「好意のスイッチ」が当たり前だと感じた人も多いのではないでしょうか。
しかし問題は、この当たり前の行動が、相手の「好意」を自動的に引き出してしまうという点に大きなポイントがあります。
「本当かな?」と感じたら、相手を褒めるといった行動から始めてみてはいかがでしょう? 思った以上の効果があるかもしれません!
参考:
『影響力の武器[第3版] ――なぜ人は動かされるのか』 (ロバート・チェルディーニ 著/誠信出版)
『美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学』( 越智啓太 著/実務教育出版)