仕事を素早く終わらせるために、多くの人は集中力を欲します。しかし集中しようと思っても、簡単には集中できないものです。そこで集中力を発揮するためのテクニックを紹介します。
- どうすればフロー状態に近づく?
- 制約を追加する
- 謎を見つける
- 作業の時間を決める
どうすればフロー状態に近づく?
最高に集中している状態は「フロー状態」と呼ばれます。他のことをすべて忘れてしまう、スポーツ選手などが試合のときに体験する状態です。フロー状態での行動は高い満足感が得られることもわかっており、どのようにすれば近づけるのかといった研究も行われてきました。
そうした研究により、フロー状態に入るための必要な要素がわかっています。例えば「明確な目標と即時のフィードバック」や「スキルとチャレンジのバランス」「自己目的的な体験(やりがいのあるタスク)」などは、その代表例でしょう。
実際、集中力を発揮するために、上記のような要素が大事だといった話を聞いたこともある人も少なくないでしょう。「明確な目標と即時のフィードバック」などは、ゲームに使われる要素を活用して利用者の意欲を高める「ゲーミフィケーション(ゲーム化)」でも、人を夢中にさせる重要な要素だとされています。
「スキルとチャレンジのバランス」はタスクが難し過ぎても、簡単過ぎても嫌になるといったことを思いだせば納得でしょう。
上記の2つも仕事で実現するのは簡単ではありません。しかし仕事でフロー状態を目指すとき、最も大きな壁となるのが「自己目的的な体験(やりがいのあるタスク)」でしょう。そもそも面白い仕事であれば、集中力は勝手に上がっていくもので、あえて気にする必要もないからです。
しかし作家であり、スタンフォード大学で講義を受け持つニール・エヤル氏は、集中力に面白みは必要ないと説きます。それよりも以下の2つを見つけることが重要だと指摘します。
①制約を追加する
スポーツはさまざまな制約があるからこそ面白くなります。サッカーは手を使えないからこそ面白みがあるのです。制約があるからこそ、そこに挑戦が生まれ、進化も生まれてきます。
こうした原理を仕事にも活用しましょう。
最も簡単な制約は、時間の短縮でしょう。終わらせる時間を決め、効率化のために努力すると、面白くない作業がゲーム性を帯びていきます。終了時間を図るようにすれば、「明確な目標と即時のフィードバック」も仕事に持ち込むことができるでしょう。
時間での制約が難しい場合は、既存のやり方を見直してみるといったことも、仕事の新しい魅力を引き出すかもしれません。
②謎を見つける
集中力を高めたい仕事に探求したい謎を見つけてみましょう。例えばどうして天候が悪いと注文が増えるのかといった、これまでに注目していない相関関係を探してみましょう。謎をみつかれば、それを解消するための方法を探すこともできるでしょう。
ただ漫然とこなしている仕事を、謎を探求するための仕事に変えるのです。例えばマクロに落とし込むにはどうすればいいのかといったことを考えられれば、効率化にも貢献できることになります。
ときには、その作業がどうして必要なのかといった根本的な問題に立ち返ることにもなるかもしれません。イマイチ面白みを感じないと思う仕事の謎を、少しだけ時間をかけて探してみてはいかがでしょうか?
作業の時間を決める
①と②以外にも集中力を増す方法として有名なのが、ポモドーロ・テクニックです。
内容はとても単純。25分の作業の後に5分の短い休息を挟み、4セットやったら15~30分の長い休息を挟むといった方法です。
この方法を使うと、脳が疲れ切る前に休息を挟むので集中力が持続しやすくなります。またタスク以外に意識が行くのを防止ことにもつながるそうです。25分だけ続ければ5分の休憩があると思えば、とりあえずタスク実行中はほかのことを我慢できるからです。
もともと人の集中力は、それほど続くものではなく、25分程度のタスクを積み重ねていくことが効率だそうです。
ポモドーロで検索をかければ、実施しやすくするアプリなども探すことができるので、試しにやってみるのもいいかもしれません。
今日は集中力をアップするテクニックをまとめました。参考にしてみください。
心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『まんがでわかる心療内科(19)』(ゆうきゆう ソウ/少年画報社)