急速に定着したテレワーク。出勤しないで働ける、自分のペースで働けるなどのメリットがある一方、自宅だと集中力が下がってしまう…といった声も。そこでテレワーク時に集中力をアップさせる方法をまとめてみました。
- 集中力が切れたときのスマホは要注意
- 休息時のストレッチは効果的
- 余計なものが目に入らないように
集中力が切れたときのスマホは要注意
株式会社ネクストレベルが実施した「テレワーク中のモチベーションの上げ方」についてアンケート調査によれば、テレワーク中の97.7%が「集中力が下がった」経験あったそうです。誰でも集中力が切れるときはあるので、この数字自体には驚きませんが、注目すべきはその理由です。集中力が下がった理由の第1位は60.0%が選択した「スマホやテレビを見てしまう」だったのです。これは周りの目が気になるオフィスでは、抑えられるものでしょう。
サングーンカンとテリー・R・カーツバーグによれば、休息時のスマホは、脳の効果的なリフレッシュにならないと発表しています。意外にスマホは脳に負荷がかかるからだそうです。つまり集中力が途切れて、何となくスマホを手に取るのは、集中力を取り戻すには適していないのです。しかもスマホを手に取ると、予想以上に時間を費やしてしまうケースもあります。いずれにして集中力が途切れても、スマホを手に取るのはやめましょう。
ちなみに第2位は54.7%を獲得した「私生活とのメリハリがつきにくい」、第3位が44.3%の「やる気が出ずダラダラしてしまう」でした。
休息時のストレッチは効果的
さて、こうした集中力の低下の対策ですが、実施した人も多く、効果も多かったのが「一定時間ごとに休憩・ストレッチをする」でした。集中力の切れたときにスマホやテレビのリモコンをいじるのではなく、ストレッチをするのがいいようです。
オフィスでは、いきなりヨガマットを引いてストレッチをするのは難しいですが、テレワークであれば試すこともできます。健康にもよいし、一石二鳥かもしれません。
広島大学の有賀敦紀准教授らの研究によれば、1つのタスクに長時間注意を向けるとパフォーマンスが低下することを実験で明らかにしています。早め早めに休息を取るようにすると、集中力が続く可能性は高まります。
また取り組んだ人数は少なかったものの、全員効果があったと証言した対策が「作業環境をお気に入りの物に買い換える」でした。仕事に適した環境の整備が、集中力に影響を与えることを経験的に知っている人も多いでしょう。それぞれの状況によって違うとは思いますが、オフィスと違い作業環境を整備できる人も少なくないでしょう。自分が仕事しやすい環境について、考えてみるのもいいでしょう。
余計なものが目に入らないように
講演などでも活躍するダイアナラーブ博士は集中力を維持する方法を紹介しているので、その方法のいくつかを紹介しましょう。
①デスクと部屋を片付ける
視覚にいろいろなものが入ってくると、集中力が途切れる可能性は高まります。必要なものだけ置き、仕事に必要ないものを片付けるようにしましょう。「モノが多くて、なかなか……」と思う人には、これを機会に断捨離をしてみるのもおすすめです。
②SNSを止める
ダイアナラーブ博士は、コンピュータ全般から離れることを推奨しているようですが、なかなか難しいでしょう。むしろスマホの電源をOFFにして、頻繁に注意を引こうとするSNSを止める方が現実的かもしれません。
今日はテレワーク時に集中力を維持する方法を紹介しました。人によって効果的な方法が違うので、気になったものから試してみるのがおすすめです。
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監修:日本産業カウンセラー協会
参考:「7 Ways to Get More Focused」(iana Raab Ph.D./Psychology Today)/「Brief and rare mental “breaks” keep you focused: deactivation and reactivation of task goals preempt vigilance decrements」(Atsunori Ariga, Alejandro Lleras)/「Reach for your cell phone at your own risk: The cognitive costs of media choice for breaks」(Sanghoon Kang, Terri R Kurtzberg)