仕事を短時間に片付けるには集中力が必要です。ただ、集中力をアップさせるのは意外に大変なもの。そこで「仕事の中断」や「出社直後」でなかなか上がらない集中力を取り戻す方法をまとめてみました。自分に合った方法を試してみてください。
- 仕事が中断した場合には
- 出社後に集中力が上がらない人は
仕事が中断した場合には
集中力が切れて、なかなか戻らないという経験はありませんか?
例えば電話がかかってきて、緊急に作業をしなくてはいけないケースなどです。元の作業に戻ろうと思っても、そのテンションまでは上がっていかないというケースが発生しがちです。
『ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣』(大平信孝・大平朝子/サンクチュアリ出版)には、ドリンクを飲んで「仕切り直し」をすることを推奨しています。
一時的に集中が途切れてしまったなら、いっそのこと休息の時間を使って、仕事を再開するという方法です。集中力には限界があり、こまめに休息を取ることで結果的に長時間の集中が可能になるといったことも言われています。集中が切れてしまったなら、集中力を取り戻すために頭を休めてみるのもいいでしょう。
『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』(大平信孝/かんき出版)には、再開後に最初に取り掛かる仕事をメモしておくという方法が書かれています。
作業の中断から再集中するときの問題点は、再開後に何をするのかわからなくなるケースが多いとのこと。その対策として次の仕事の糸口を、中断のときにつくっておくことが重要だというわけです。
しかも、このメモを書くときは「今すぐ〇〇する」という形で書くといいそうです。
「今すぐエクセルに関数を入れる」
「今すぐ山田さんにメールする」
など簡単なメモをつくって、見えるところに張り付けましょう。
出社後に集中力が上がらない人は
出社後に仕事がのってくるまでに時間のかかってしまう人はいませんか? 何となく段取りを考えて、メールのチェックをしているうちに30分も過ぎてしまったという人も少なくないでしょう。
こうしたことがどうして起きてしまうのかについて、何をするのかが明確に決まっていないことが原因だと、大平信孝氏は分析しています。
だからこそ、前日のうちに翌日の朝一番にすることを決めてメモをしておくことが重要だと説いています。
そのステップとして、次の4つの行動を推奨しています。
ステップ1:仕事終わりに、「明日のスケジュール」を確認する
ステップ2:「明日の仕事のゴール」を決める
ステップ3:そのゴールを実現するための「キーアクション」を3つ仮決めする
ステップ4:翌日の仕事始めは、3つのキーアクションから1つ選んで、まず着手する
具体的には、どのようにするのかを説明しましょう。
ステップ1では、特に動かしようのない予定などをしっかりチェックします。会議の日程や締め切り、取り組みたいことなどを確認して、モレがないようにします。
ステップ2では、「明日を最高の1日」にするために何をしたらいいのかを考えます。どんな仕事をしたいのかをしっかり考えることで、緊急ではないけれど重要な仕事なども、日々の予定に組み込むことができるようになります。
例えば、現在の業務を改善するのに大切なのに手を付けていないことなどは、長期的な視点では非常に重要ですが、ともすれば手付かずになりがちです。
こうしたこともしっかりと考える時間にしましょう。
ステップ3は、ステップ2を実現するために必要なキーアクションを3つ定めてメモします。例えば、手付かずだった企画書をつくると決めたなら、「基礎知識を収集する」「ラフ案を15分でつくる」「クライアントについて調べる」といったことを書き出すのです。
ステップ4は、3つのキーアクションから1つを選んで実行しましょう。ときにはうまく動けないこともあるでしょう。そうしたときには、残りの2アクションから1つを選んで実行してみましょう。
今日は集中力が上がりにくい2つのシチュエーションの対策法をまとめました。どれも簡単な方法なので気軽に試せそうですね。
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『ダラダラ気分を一瞬で変える 小さな習慣』(大平信孝・大平朝子/サンクチュアリ出版)/『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』(大平信孝/かんき出版)