一緒に働くチームを居心地よくするためにあなたができること!

職場の悩みの多くは人間関係によるものです。働きやすい環境であってほしいと、誰もが思っていることでしょう。では、働きやすいチームとはどのようなものなので、個人で何ができるのでしょうか? まとめてみました。

  • 居心地が悪くなるのを防ぐ方法
  • 重要なのは心理的安全性
  • 話を聴いてさえぎらない
  • 弱点を認める

居心地が悪くなるのを防ぐ方法

サウスウェールズ大学のウィル・フェルプスは、チームへの悪影響について面白い方法で実験しました。「腐ったリンゴ」実験と呼ばれるものです。

それは組織に悪影響を与える仕掛け人をプロジェクトチームに送り込むという方法でした。具体的には、仕掛け人に次のような3つのタイプを演じてもらいました。

・性格が悪い人(攻撃的、反抗的)
・怠け者(労力を出し惜しむ)
・周りを暗くする人(愚痴や文句ばっかり言っている)

結果、仕掛け人が送り込まれたチームは、パフォーマンスが30~40%も低下しました。たった一人が「怠け者」を演じれば、他のチームのメンバーもいい加減な仕事をするようになり、「周りを暗くする人」を演じれば暗い顔をして下を向いた仕掛け人を、他のメンバーがマネるようになったそうです。

ところが一チームだけ仕掛け人に反応しませんでした。そのチームのキーパーソンになったのは、物静かで口調は穏やかな人物でした。仕掛け人が嫌味を言ったり、チームの誰かに暴言を吐いたりすると、その人は少し身を乗り出してみんなに笑顔を振りまいたそうです。そのおかげで場の緊張が和らいだとのこと。さらに彼は雰囲気の悪くなった会議などでも、チームメイトに簡単な質問するなどして発言を促し、熱心に聴いていたそうです。

この人物の行動は、チームにこの場は安全だという感覚を与えていたともウィル・フェルプスは分析しています。

重要なのは心理的安全性

では、人が安全だと感じるには、何が必要なのでしょうか?

それは「心理的安全性」と呼ばれるものです。「チームのメンバーが、自分の考えを自由に発言したり行動に移したりできる状態」と、グーグルが発表して話題となった概念です。

日本でも心理的安全性の研究は進んでおり、『心理的安全性のつくりかた』(石井遼介/日本能率協会マネジメントセンター)は、日本の組織では心理的安全性を作り出すのに、次の4点が重要だと書いています。

・話しやすさ ……何を言っても大丈夫
・助け合い ……困ったときはお互い様
・挑戦 ……とりあえずやってみよう
・新奇歓迎 ……異能、どんと来い

この4つのうちで、裁量権が少ないと「話しやすさ」や「挑戦」が低下しがちになります。というのも、すでにやるべきことが決まっており、マニュアルまで定められているなら、新しい挑戦はしにくくなりますし、反対意見などを話し合う機会が設けられないことも多いからです。

一方で「助け合い」や「新奇歓迎」は、裁量権が少なくても個人で実践しやすいものです。
困っている人がいれば自ら助けに動く。メンバーが自分らしさを発揮するために、新しい視点を取り入れることに積極的になる。こうしたことで、自分の所属するチームの居心地がよくなる可能性があります。

話を聴いてさえぎらない

居心地のよいチームになるために個人ができることはほかにもあります。

その一つが「あなたの話を聴いている」というシグナルを送ること。『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』(ダニエル・コイル/かんき出版)には、次のように書いてあります。

「今の私が大切にしているのは、『あなたの話を聞いている』というシグナルを送ることだ。相手が話しているときは、相手の目を見て、うなずき、『それはどういう意味?』と尋ねたり、『それについてもっと話してくれるかな』と言ったり、アイデアを提案してもらったりする」

しっかりと話を聴くのはもちろんのこと、聴いているということを相手に伝えることも必要です。話を聴いてくれる人がいるだけで、組織の居心地はよくなります。また、相手の話を聴くときには、話をさえぎらないことも重要です。会話のリズムを大切に、しっかりと最後まで聴きましょう。

弱点を認める

安心できる環境をつくるときには、自分の弱点を認めて開示し、その部分は助けてほしいと言った方がいいようです。特にチームのリーダーである場合は、自分を完璧に見せたいという欲求を抑え込んだ方がいいでしょう。

何かを提案をするときは、「あくまでも個人的な考えなんだけど」「もちろん私が間違っているかもしれませんが」「私の提案に穴があったら教えてほしい」「あなたはどう思う?」といった他人からの意見を受け入れる姿勢も同時に示すことで、チームの発言は活発になるそうです。

今日は居心地のよい組織にするために、個人ができることをまとめてみました。企業文化などもあり、組織全体を変えるのは難しいかもしれませんが、一緒に動くチームを働きやすい雰囲気にすることは、自身の心理的負担を減らすことにつながる可能性もあります。参考にしてみてください。

仕事や日常生活に役立つ心理学の知識に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会一般

参考:『心理的安全性のつくりかた』(石井遼介/日本能率協会マネジメントセンター)/『THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法』(ダニエル・コイル/かんき出版)

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