心理実験からわかる!あなたが会社を辞められない理由

周りからはブラック企業と見られている。「そんな会社、辞めなよ」「よくその仕事を続けられるね」と言われるのに、辞めたいと思わない。周りから見るとひどい会社なのに辞められない理由は、入社時にあるかも!

  1. その会社、入るのが難しくなかった?
  2. 入会時に厳しい審査を受けると
  3. 「この仕事は面白い」と自分に思い込まされてない?
  4. 入社時のマジックから解放されて自分らしい働き方を!

その会社、入るのが難しくなかった?

いや、本当に仕事で充実感を得られているなら、そのまま仕事に没頭してください。でも、常に上司からきつい言葉を浴びせられ、午前様や早朝出勤もたびたびあり、部屋を片付ける気持ちも怒らず、体調もすぐれない。、仕事がプライベートに大きな影響を与えていると感じたら、「けっこう楽しいから、踏ん張る」と思っている仕事でもいったん立ち止まって考えてみて。その会社に入るのは、難しくなかったですか?

心理学には、「認知的不協和理論」という考え方があります。矛盾する二つの認知を抱えたとき、人はその矛盾を解消するために、自分の考え方を無意識に変えてしまうというのです。その仮説を実証しようとした実験は多々あります。

入会時に厳しい審査を受けると

1959年にアロンソンとミルズという心理学者が行った、入会儀礼実験があります。あるクラブに所属しようとしたとき、入会権を得るための条件が中程度の場合と、かなり厳しい場合とに分けます。

しかも全員入会が認められ、第一回の討論内容は、誰が聴いても非常につまらない内容。

さて、この後、実験参加者は「今の討論はどのくらい面白かった?」と質問されます。どんな答えが返ってきたと思いますか?

入会が簡単だったグループよりも、中程度の試練のグループのほうが討論に好意的でした。そして、さらにそれよりも非常に厳しい入会審査があったグループの方が、明らかに討論に好意的だったのです。

つまり、心底つまらない活動内容だったとしても、入会時の辛さを思えば「損をした」と思いたくない。結果、自分の認知のほうを無意識に変えてしまったと考えられます。入会条件も討論内容も変えられないので、変えられるのは自分の捉え方だけですから。こうして、認知的不協和理論は実証されたのです。

「この仕事は面白い」と自分に思い込まされてない?

もしかしたらあなたも、認知的不協和理論のマジックにはめられているだけかもしれません。かなり辛い就職活動をして、やっと採用してもらえた会社ではありませんでしたか。採用面接が3次、4次にも分かれていて、ハードな圧迫面接を受けませんでしたか。

その結果、本当に希望する仕事に就いたのならいいのです。でも、今の仕事は入社時に思い描いていたような輝きを放っているでしょうか。「せっかく辛い入社試験を突破したのだから、今さら仕事がつまらないなんて言ったらバチが当たる」と、自分に思い込まされている可能性はないでしょうか。

自分でもどこか引っかかるところがあると感じていたら、「もしも、この会社に容易に入れていたなら、この仕事を続けていただろうか」と自問してみてください。「いや、ないだろうな……」と思うようなら、現状が自分にとって危機的ではないかどうかをもう一度振り返ってみませんか。

入社時のマジックから解放されて自分らしい働き方を!

入社時のマジックは、ときに自分を苦しめます。入社したときの苦労をいったん忘れて、自分の今を冷静に見つめてみてください。周りの信頼できる人たちから意見を求めてもいいでしょう。マジックから解き放たれれば、本当に自分らしい働き方を探すことができるかもしれません。辛く理不尽な状況から、目を背けないで!

参考:『社会心理学ショート・ショート』

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