「このままではいけない、もっと成長せねば」と考えている人にとって、一番手っ取り早いのは、今の仕事の中で成長することです。タフアサインメントの意味と、自己成長の促し方について解説します。
- タフアサインメントとは、あえてハードルの高い仕事に挑んで実力と自信をつけること
- リーダーシップ開発やビジネススキルのアップに最適
- 仕事に対する当事者意識も高まる
- タフアサインメントによる自己成長の促し方
- 自分も組織も満足できる、超効率的な成長方法
タフアサインメントとは、あえてハードルの高い仕事に挑んで実力と自信をつけること
タフアサインメントとは、その人のそれまでのスキルや経験からみて、かなりハードルの高い仕事に取り組ませることで、急激な成長を促す人材開発法です。タフアサインメントを言い渡される社員からすれば、困難な仕事に挑戦し成功することで、実力と自信をつけることができます。
リーダーシップ開発やビジネススキルのアップに最適
タフアサインメントは、どちらかといえばリーダーが部下を育てるための人材育成方法です。リーダーシップ開発や社員のビジネススキルアップに効果的であるとされています。
しかし、自分から望んでタフな仕事を希望してはならないということはありません。「難しい仕事をやらされる」より、むしろ率先してタフな状態を選んだほうがモチベーションの維持に役立ちますし、上司を頼もしい気持ちにさせることができるでしょう。
仕事に対する当事者意識も高まる
タフアサインメントを経験すれば、仕事に対する当事者意識も高まります。困難な業務をクリアするためには、通常の業務の「一歩先」の考え方を身につける必要があるためです。会社に貢献するとはどういうことか、ビジョンや理念に沿った仕事とは何かを突き付けられる場面もあるでしょう。自然と「やらされ感」は減り、より俯瞰したものの見方を獲得できます。
タフアサインメントによる自己成長の促し方
タフアサインメントによって自己成長を行うには、いくつかポイントがあります。ご紹介しましょう。
・「私にやらせてください」から始まる
まずはタフな仕事を任されなければ始まりません。難しめの案件を任せてほしいと上司に掛け合いましょう。新規の仕事が入ってきたときがチャンスです。
・実績を上げて難しい仕事に任命されるよう精進する
もしかしたら、上司はあなたのことを「難しい案件を任せるには早すぎるし、ちょっと危ないな……」と見ているかもしれません。今の仕事をパーフェクトにこなし、実績を上げておくことも大事です。
・タフな仕事をしている間は、生活を仕事中心にしてみる
生産性や仕事と家庭の両立、残業廃止などが叫ばれています。しかし、タフアサインメントに取り組んでいる間は、ワークライフバランスを考えていると仕事をこなせなくなってしまうでしょう。自分が劇的に成長するチャンスを与えてもらっている間は、できるだけ仕事に打ち込みましょう。
また、本来「ワークライフバランス」という考え方は、人生のうちで仕事を優先する時期と家庭を優先する時期を適切に振り分けるという意味も持っています。単に「5時まで仕事、それからは家庭や趣味の時間」と割り切るだけが、ワークライフバランスではないのです。
・わからないことがあっても、容易には上司に相談しない
仕事でつまずいたとき、上司や同僚に相談したくなってしまいます。しかし、ここが踏ん張りどころ。自分で解決できれば、より大きく成長できます。相談する前に、解決方法はどうか自力で探ってみましょう。
・スケジュール管理に気をつける
タフアサインメントでとくに注意しなければならないのが、スケジュール管理です。どんなにやる気のある社員でも、締め切りに間に合わなければ信頼を失ってしまいます。自分の成長にこだわるあまり、会社に損害を与えることのないようにしましょう。タイムアウトにならないうちに、適宜上司に相談することが重要です。
自分も組織も満足できる、超効率的な成長方法
タフアサインメントが成功すれば、短期間で飛躍的に成長することができます。それは自分にとってはもちろん、組織にとっても好ましい状態です。超効率的な成長方法を試したいと思ったら、今の会社でギリギリ自分がチャレンジできる仕事とは何かを考えてみましょう。
参考:『働く大人のための「学び」の教科書』中原淳、かんき出版