「マインドセット」という言葉をご存知でしょうか? ビジネスの成功に欠かせないとして、さまざまな書籍でも取り上げられています。マインドセットの説明とともに、成功に導くマインドセットへのシフトの仕方についても説明しましょう。
- 2つのマインドセットとは
- 失敗も成功の過程でしかない
- マインドセット5つのステップ
2つのマインドセットとは
マインドセットとは経験や教育、先入観などから作られた考え方の傾向です。当然、個人個人異なるものですが、一定のパターンが知られています。『やる気が上がる8つのスイッチ』(ハイディ・グラント・ハルバーソン 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)で取り上げているのは、「成長マインドセット」と「証明マインドセット」です。
「成長マインドセット」を持つ人は、自分が向上することに焦点を当てて考えています。自分が学び、向上にしていくことに注目しているので、他人の目をあまり気にせず、他人から評価されなくても自分の決めたことを粘り強く続ける傾向があります。
一方、「証明マインドセット」を持つ人は、自分の能力を他人に見せつけ認めさせようとしています。そのため常に自分と他人を比べていますし、失敗を恐れます。自分にできないことが明らかになってしまうのが怖くて、助けを求めることもできず、チャレンジもしません。
この2つのマインドのセットのどちらがビジネスを成功に導くのかは、言うまでもないでしょう。「証明マインドセット」を持つ人は、課題や目標にとらわれすぎて自らの成長を楽しむ余裕もなく、プレッシャーに押しつぶされてしまうことも少なくありません。
よくトップアスリートが「自分との闘い」を口にしますが、それは「成長マインドセット」を持っているからです。
失敗も成功の過程でしかない
成長にフォーカスしている人にとっては、失敗ですら成功の一里塚でしかありません。エジソンの名言に「わたしは今まで一度も失敗をしたことがない。私は2万回も、電球が光らないという発見をしたのだ」というものがあります。ここまで成長にフォーカスできる人はなかなか居ないかもしれませんが、成功に向けて歩み続けていると確信できるマインドセットは、人生のあらゆる場面でプラスに働くでしょう。
失敗から学び続ける姿勢を貫けば、あらゆることが改善していくでしょうし、ナチュラルにPCDAサイクルを回しているのです。
一方、「証明マインドセット」を持っている人は、自分の能力に不信感を持っているため、努力が長続きしません。他人の目を気にし過ぎる不安感もまた、学ぶためのエネルギーを奪っていきます。
つまり「証明マインドセット」を持つ人は、「成長マインドセット」にシフトする必要があるのではないでしょうか。
マインドセット5つのステップ
では、そのシフトは、どうすればいいのでしょうか?
『やる気が上がる8つのスイッチ』には、5つのステップが紹介されています。しかし考え方の癖ともいえる「マインドセット」を「証明」から「成長」へシフトするのは簡単ではないと、本書には書いてあります。心してしっかり取り組みましょう!
①成長を意識した目標を考える
まず、自分がこうしたいと思っていることを書き出します。そのとき「素晴らしいリーダーになりたい」という書き方ではなく、「私は良いリーダーになるために必要なことを学びたい」といった成長を含む目標にします。
②行動計画を立てる
成長するために必要な行動計画を立てます。そのときすでに習慣化されている行動や、時間などと結びつけて計画します。
例えば、資格などの勉強をしたいなら、自宅のある駅に帰ってきたことと喫茶店で勉強することを結びつければ、計画の実行率は大幅に上がります。さらに行動を習慣化にまでしたいなら、同じ場所、同じ時間で繰り返すと効果があることがわかっています。
③期待値を変えてみる
自分の成長をじっくり見つめながら難題にぶつかっていくのだと肝に命じましょう。ミスを恐れるのではなく、他人の助けを借りながら一歩一歩成長していくのです。
④ 他人と比べない
他人がどうであるかではなく、自分の成長に集中しましょう。
⑤ 根気よく続ける
マインドセットを変えるように意識し続ければ、必ず変化は訪れます。だからこそじっくりと腰を据えてかかる必要があるのです。
「証明マインドセット」を「成長マインドセット」にシフトすると世界の見変え方が変ります。幸せだと感じる時間も増えることでしょう。やや時間がかかるかもしれませんが、シフトすれば一生モノ。
今日から取り組んでみませんか?
参考:
『やる気が上がる8つのスイッチ』(ハイディ・グラント・ハルバーソン 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)
『やりぬく力』(アンジェラ・ダックワース 著/ダイヤモンド社)