成功を収めるために必要なものとして、「やり抜く力」が注目されるようになってきました。ときに才能を凌駕する継続する力について、その第一人者の書籍から基礎部分を紹介しましょう。
- 必要なのは「やり抜く力」
- 情熱と粘り強さがカギ
- 楽しい練習が必要
必要なのは「やり抜く力」
人生100年時代となって、一つの企業や職種で働き続けていくことは難しくなってきています。新しい職種に合わせた技術を習得し、仕事をこなせるまで磨き上げるという作業が必要となってきているのです。そのためには、作業の習得をあきらめずに努力する必要があるのです。
そのときに必要になってくるのが、「やり抜く力」でしょう。愚直に自身の技術を磨き続け、めげずに、飽きずに続けることで次の扉は開いていくはずです。
俳優であり、監督でもあるウディ・アレンは、「人生で成功する秘訣の80%は、めげずに顔を出すこと」と語ったそうだが、とにかく失敗にくじけることなく、さらなる高みを目指す者が「成功」を勝ち取ることを疑う人はいないでしょう。
情熱と粘り強さがカギ
では、「やり抜く力」を習得するには、どうすればいいのか。そのヒントをペンシルベニア大学心理学部のアンジェラ・ダックワース教授が明らかにしています。彼女は2013年に、「やり抜く力」の研究で世界的も有名なダックワース賞を受賞しました。
その成果は『やり抜く力』(ダイヤモンド社)にまとめられていますので、その基礎部分を紹介していきましょう。
まず、「やり抜く力」は「情熱」と「粘り強さ」から生まれてきます。これに反論する人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
ポイントは習慣化すること
さて、ダックワース教授は技術の習得には、「目標設定→クリア」を繰り返す必要があると説いています。ただ、そのとき大切なのは練習になります。
仕事ではあまり目にすることがないかもしれませんが、スポーツであれば、本番に備えて練習するのは当たり前。やや難しいと感じる練習を繰り返すことで、少しずつ進歩していくのは、スポーツでも仕事に必要な技術でも同じです。仕事での練習となると、実際の仕事現場ではやや難しいので資格取得や学校に通うことなどが「練習」にあたるでしょう。また自宅などでの技能習得も、立派な「練習」です。
そして練習の成果を得るためには、「習慣化すること」が大切だと説いています。そのためには毎日、同じ時間、同じ場所での「習慣」を作るように説いているのです。これができるようになると、「さあ、はじめなきゃ」と意識することなく、スムーズに練習に入っていけるというわけです。
楽しい練習が必要
ダックワース教授は著作の中で次のように書いています。
「『やり抜く力』の強い生徒たちは、ほかの生徒たちよりも『意図的な練習』を『楽しい』と思っていることがわかった」
失敗を恐れ、うまくいかないことを自己批判するようだと、練習は楽しくなくなります。羞恥心をなくし、赤ちゃんのように、失敗しても平然とするように努力すれば、技術習得の時間が苦しくなくなるようです。もちろん著者も失敗を平然と受け止めることが簡単ではないと理解した上で、そういう気構えでチャレンジし続けること重要であり、その積み重ねによって「やり抜く力」も強くなっていくと説明しています。
「やり抜く力」を手に入れることは、それほど簡単ではないでしょう。ただ、習得しやすくする方法は明らかになっているようです。
まず、練習の習慣化と失敗を恥と思わず楽しく続けることを心がけてみてください。