ビジネスでは相手の顔を忘れてしまうのは厳禁です。相手が覚えていたのに、こちらが忘れているとなれば、それこそ何となくつじつまを合わせるしかありません。そんな冷や汗体験をしたくない方にお勧めの顔暗記法を紹介しましょう。
- 対策法は開発されている
- 特異なものは憶えやすい
- 性格に関連付けてみる
- エピソードと名前を結び付けて!
- 視覚化して暗記する!
- 最強の暗記法は復習!
対策法は開発されている
顔と名前を確実に覚えている方に出会った経験はありませんか?数年ぶりの再会にも関わらず、挨拶した途端にフルネームを思い出すような人です。
自分のことを覚えてくれたことで、相手の方もきっと嬉しく思っているでしょう。そんな再開がきっかけになって仕事が始まることもあるはずです。
しかし顔と名前を覚えるのは、そう簡単ではありません。だからこそ、その分野に強い人が賞賛されたりするのです。
ただし記憶しにくい顔と名前にも対策法はあります。 紹介していきましょう。
特異なものは憶えやすい
まず、顔の記憶法として紹介したいのは、心理学の「孤立効果」です。これは記憶する材料の中に異質なものがあると記憶を再生しやすいという心理効果です。
例えば、10匹以上のチャトラの猫の中に、1匹だけ真っ黒の猫がいれば記憶に残ります。全部の猫の名前を憶えられなくても、黒い猫の名前だけは思い出せるというわけです。
特徴的な顔の人を記憶する場合、これは効果的な暗記法となります。鼻や口が大きいなど、その人の顔の特徴に注目して憶えれば忘れにくくなるのですから。例えば『鉄腕アトム』のマンガに出てくる御茶の水博士のような人がいたら、鼻に注目して顔を暗記すればいいわけです。
以前、顔に入れ墨をした人が、犯罪を犯すたびにすぐ捕まったと話題になりました。これは顔に入れ墨があるという「孤立効果」が、しっかり発揮された証拠です。
性格に関連付けてみる
次に紹介したいのは、意味処理優位性効果。
これは性格と顔の印象を関連付けるもので、この効果によって顔が覚やすくなることが知られています。
例えば、いかにも温和な顔の人が優しい性格なら覚えやすくなるわけです。丸顔で優しい〇〇さん、いつも怒った顔して意地悪な〇〇さんなど、性格との関連を顔に見出せば、かなり覚えやすくなるでしょう。
実際、性格は顔にも出やすいもの。その人の性格に合った顔のポイントを探してみましょう。きっと記憶に残る確率は高まります。
エピソードと名前を結び付けて!
顔は覚えているんだけど、どうも名前が浮かばない。そんな経験は誰にでもあるでしょう。顔と名前を憶える難しさは、まったく関連性のないもの同士を記憶する難しさでもあります。
実際、名前を忘れてしまった人でも、その人のエピソードは思い出すことができるもの。逆にそのエピソードと名前が結びつけば、名前も簡単に思い出すことができます。
例えば、営業で出向いた事務所に山の絵がかけてあり、担当者が中山さんであれば、事務所に出向いた記憶を引き出せば名前も簡単に思い出せるでしょう。
これまでの交流の中で名前と関連付けるものがないのかを、まず調べてみましょう。
視覚化して暗記する!
実際に名前に関連するエピソードがないのであれば、名前のイメージを顔と一緒に視覚化する方法があります。もともと記憶は視覚化することで再生しやすくなることが知られています。そういった脳の記憶システムを使うのです。
例えば竹田さんなら、竹の中にいる竹田さんを頭に思い浮かべてみてください。そのとき顔の特徴や性格が竹とうまくマッチすると、より思い出しやすくなるでしょう。
我慢強い性格の竹田さんなら、折れにくい竹のイメージと竹田さんの顔を一緒に思い浮かべれば、名前も浮かびやすくなるというわけです。
最強の暗記法は復習!
そんな関連性は一切みつけられないという場合は、名前を頭の中で書いて、覚えたい人の顔と漢字を視覚化するだけでも思い出しやすくなります。
そして重要なことは、名刺などに会ったときの状況や顔の特徴などをメモり、何度も復習することです。
ホステスさんやホテルのサービスマンなど、お得意様を間違えられない職業の人が、カードにまとめて復習しているといった話を耳にしたことはありませんか?忘れないように復習することは、暗記を保つのに最も効果のある方法です。
忘れたくないと思ったら、ぜひ名前と顔の復習も試してみてください。
参考:『マンガでわかる心理学入門』(渋谷昌三 著/池田書店)