会議が意味のない話に終始して、時間のムダだと感じたことはありませんか?そんな会議を効率よく、効果的に進める技法が「ファシリテーション」です。その技術の中から議論を活発にするポイントを紹介しましょう。
- 時代はファシリテーション能力を求めている
- ファシリテーターとして場を盛り上げるときの6つのポイント
時代はファシリテーション能力を求めている
ファシリテーション能力が発揮されるのは、会議やチーム内のコミュニケーションです。そして、そのコミュニケーションのかじ取りをするのがファシリテーターです。ファシリテーターは、参加者の意見を引き出し、それを整理してまとめていくことで、会議をより効果的にしていきます。 最近ファシリテーションが注目されていることと、以前とは求められるリーダーシップ像や仕事の進め方が変わってきたことには関係があるでしょう。誰も積極的に発言せず、前例に沿った回答ばかりが集まるような組織では、もはやビジネスで勝ちぬくことが難しくなっているからです。メンバーの主体性を促進し、多様な意見とアイデアを活かすことが組織にとって重要になり、現在求められているリーダーはそうした場をつくり、コミュニケーションの取れるタイプです。
ファシリテーターとして場を盛り上げるときの6つのポイント
じつは会議を活性化させるファシリテーターのプロが派遣されている現場もあります。例えば新商品のテストで、消費者から使い心地などを聞く会議では、場を盛り上げながら率直な意見を聞きだしていく、ファシリテーターがいたりします。
高校生から高齢者まで、あらゆる年齢層から本音を引き出す技術は、素晴らしいものです。さすがにそこまでの技術は簡単には身につけることができそうにはありませんが、会議の場を盛り上げるスキルなら活用できそうです。
プロフェッショナル・ファシリテーターの楠本和矢氏の著作『実践 パワーファシリテーション』を参考に、ファシリテーターとして議事進行する際の会議の盛り上げ方のポイントを6つ紹介しましょう。
①問いに答えてくれたら反応する
議論を活発にしたいと思って質問したとき、その答えをポンっと発言しれくれる人がいたら、一気に場が温まりますよね。そんなときは議事進行を担っているファシリテーターは、その発言に「なるほど!」といったポジティブな反応を示しましょう。ファシリテーターの良い反応は、会議の参加者にも嬉しいものです。
ただし「いい意見ですね」など、意見やアイデアの善し悪しの判断を、ファシリテーターがジャッジしてはいけません。
②意見は必ず拾う
会議で意見を出してくれること自体がありがたいことです。ですから発言を促すには、どんな意見であっても何らかの反応を示すことが大切です。やや意見が会議の方向性とずれていても、「あー、そういう見方もありますね」とか「そうですね」など、意見を拾ってあげることで、他の人も発言しやすくなります。
③オリジナルの発言にも触れる
前の意見に関連して、次の人が発言するケースはよくあります。こうしたときは、「なるほど。これは〇〇さんのおしゃっていた内容に関連しますね」と、最初の発言者の名前を出すようにしましょう。
こうした発言は、ファシリテーターがしっかり自分の意見を聴いてくれているという信頼感につながるのです。
④沈黙を恐れない
会議で皆が黙ってしまうときってありますよね。そのとき緊張感に負けてファシリテーターが話し始めてしまうと、自分の意見やアイデアを披露することになってしまいます。それではみんなの意見を募ることができません。7秒ぐらいは待ってもいいでしょう。
それでも沈黙が続くなら、切り口やアイデアを例示してみましょう。あるいは「私の質問がわかりにくかったですか?」とみんなに問いかけてみる方法もあります。
⑤何か言いたそうな人には、すかさず指名する
発言したい人は観察すればわかるものです。「こっちを見る」「うーんなどと唸る」「何かそわそわしている」など、すぐさま指名しましょう。何か言いたいときにファシリテーターに当てられて発言できるのは気持ちよいものです。そうしたリズムに乗った発言が、いろんな人から出てくれば、会議はどんどん白熱していきます。
⑥「いい質問ですね」「いい切り口ですね」で盛り上げる
議論が深まるきっかけとなる意見や質問については、「いい質問ですね」「いい切り口ですね」とファシリテーターがほめ、質問者や発言者をのせていきましょう。気分の乗った発言者が出てくれば、それまで発言しなかった人も口を開いてくれるようになります。
求められるリーダーシップにもつながるファシリテーターの基本的な技術の紹介でした。さっそく会議の場を盛り上げるスキルとして活用してみてはいかがでしょうか!