部下の意見が出ない会議は危険!沈黙が続く会議の上司は即行動!

部下から意見が出てこない。楽と言えば楽らだけど……。そんなことを感じている上司の方がいたら要注意です。問題は見えない間に広がっているかもしれません。「YESマン」に囲まれていると感じたら、自分の振る舞いもチェックした方がよさそうです。

  • 沈黙が組織への不信感を生みだす
  • 米国では大手でも平均12年でつぶれる時代
  • 組織の風通しを良くする4つのポイント

沈黙が組織への不信感を生みだす

比較的、自由に自分の意見を闘わせている印象のある米国ですら、部下は意見の相違を明らかにしたくなくて沈黙しがちだと、「沈黙が組織を殺す」(レスリー・パルロ― ハバード・ビジネス・スクール助教授)に書いてあります。

「ほぼ同等の地位の人たちが議論する場ですら、人は意見の違いを深く掘り下げることには及び腰で、どうにか意見を一致させようとする気持ちのほうが勝ってしまう。まして職位に差がある場合、このプレッシャーをどれほどのものか、これを知る人は多いはずだ。上司は部下たちに、無意識のうちに『口出し無用』というメッセージを送っていることだろう」

また、この論文によれば、上司の方でも部下と意見が違うことを表明しにくいそうです。確かに明らかに部下の意に沿わない結果報告に、気が重くなった上司もいるのではないでしょうか。

ただ、こうした沈黙は組織を蝕んでいくものらしい。

意見を言えば拒絶されるのではないかと感じ、人間関係を大切にしようとするとより沈黙を選択し、結果的に

「自己防衛の気持ちと不信の念が大きくなる」(「沈黙が組織を殺す」レスリー・パルロ― ハバード・ビジネス・スクール助教授 『コミュニケーションの教科書』内)。

こうした悪感情が組織に広まるのは速い。グチのなどの形で噂が広がっていくからです。また部下が働く気力を失っていくため、業績も悪くなっていってしまうでしょう。また悪循環を打破する方法を部下たちが見つけたとしても、その代替案が上司に上がることもなくなってしまいます。

米国では大手でも平均12年でつぶれる時代

社会心理の観点から組織の問題を研究している岡本浩一・東洋英和女学院大学教授は、沈黙が作り上げる「無責任の構造」が内面化して組織に広まっていくと、『無責任の構造』(PHP研究所)に書いています。

部下の一人が組織の問題点を指摘したとき、「君の言っていることはわかる。しかし、急にはどうすることもできない」と上司がソフトな圧力をかけるとしましょう。すると、指摘した部下は組織の価値観を習得していき、その後強制されることがなくても、組織の価値観に沿った行動を取るようなります。そしていつの間にか、組織の問題を口にする同僚や部下に、かつての上司が口にしたような圧力をかけるようになってしまうそうです。

こうした組織の体質が不祥事を生み出し、最終的に会社に大きな損害をもたらしたケースは枚挙にいとまがありません。

「いやいや、そんなことで会社が」と思わない方がいいデータも示しておきましょう。

会社の寿命がどんどん短くなっているのをご存じですか?

米国の株価指数S&P 500に選出された大手企業の平均寿命は、1964年こそ33年あったものの、2016年には24年となり、2027年には12年になると予想されているのです。

日本でも企業の寿命は短くなる傾向にあります。東京商工リサーチの調査によれば、倒産した企業の平均寿命は23.5歳で、前年より0.6年低下しています。その中には業歴30年以上の老舗企業も数多く含まれており、その原因は柔軟性のなさやフットワークの重さだそうです。 上司の顔色を窺っているうちに会社が倒産する。そんな危機は当たり前のものとなっているのです。こうしたビジネス環境を考えれば、部下が意見を自由に言える社内環境を整えるのは、上司の重要な仕事といえるかもしれません。

組織の風通しを良くする4つのポイント

では、実際に部下が意見を言いやすい環境は、どうしたらつくれるのでしょうか? 具体的な方法を4つ紹介しましょう。

①部下に意見を聴く前に一言を

「自分の意見は後で言うけれども、自分の意見が間違っていることがあってはいけないから率直な意見をきかせてほしい」(『無責任の構造』)と、必ず部下に伝えることです。率直な意見がほしいことを事前に伝えておくことはとても大切です。

②意見を聴いたら自分の意見もすぐに伝える

勇気を出して意見を言ってくれたことに、自分も応じることは信頼関係を守る上で重要です。そのとき部下と同じ意見でなかったときは、意見形成の過程で互いに誤認がなかったかどうかを確認し、意見を言ってくれたことに感謝を述べましょう。

さらに会社の決定が下されたとき、反対意見だった人には「今回、君の意見は取り入れられなかったが、率直なところを聴かせてくれてありがとう」と伝えるようにしましょう。

③個人の失敗にフォーカスしない

部下が失敗することはあります。しかし個人の失敗をあげつらえば、組織は間違いないようにと委縮していきます。むしろ、そうした問題を生み出す環境をどう改善していくのかを話し合うことで、組織の風通しはよくなります。

④自分の意見を言わない人には一対一で

意見を言わない人の中には、同調しやすく自分の意見を持ちにくい人もいれば、組織の価値観が染みついて、意見を言わなくっている人がいます。ただ、そうした人たちが組織の問題点に気付いていないわけではありません。意見を聴くことができれば、会社にとってプラスになるかもしれません。

一対一で話す機会をつくり、しっかりと部下の話を聴くようにしてみましょう。会社の難しい話からでなくても構いません。じっくりと相手の話に耳を傾けたいものです。

組織全体が下の意見を聴かないという風土だと、部下の率直な意見はなかなか聴けないかもしれません。しかし多様な意見を取り込めない組織が生き残っていくのはむつかしい時代。自分の目の届く範囲だけでも風通しを良くしていきましょう。

じつは組織の風通しをよくする基本は、話の聴き方にあります。自分も部下も働きやすい環境をつくりたいと思う方は、こちらをクリック。

参考:『無責任の構造』(岡本浩一 著/PHP研究所)/『リスク・マネジメントの心理学 事故・事件から学ぶ』(岡本浩一・今野裕之 編/新曜社)/『コミュニケーションの教科書』(ハバード・ビジネス・レビュー編集部/ダイヤモンド社)

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