退屈な人と一緒に居たいと思う人は、かなり少数派でしょう。実際、人は退屈な状況を避ける傾向にあります。しかし相手を退屈させないコミュニケーションって意外に難しいかも!? そこで退屈な人にならない方法をまとめました。
- 退屈が攻撃性を刺激する!?
- 退屈だと思われる人5つの特徴
- 退屈な人だと思われない3つのテクニック
退屈が攻撃性を刺激する!?
近年の研究は、退屈がマイナスの影響を与える可能性を示しています。その一つは、退屈な状況だと人はサディスティックになりやすいという研究です。デンマークにあるオーフス大学の研究チームが発見したものですが、攻撃的な言動は仲間にも及ぶことがわかっています。いじめなどで加害者が悪いのは間違いありませんが、そうした言動の背景に退屈さがある可能性も見えてきたのです。
さらに退屈だと人の脳は反応しないこともわかっています。面白いと感じれば、脳はさまざまな領域が活発に活動し始めます。そのうえ脳が活発に活動している行動は繰り返したいという欲求が湧いてきます。
逆に退屈な状況を人は避けようとします。過去の研究では、退屈にさせる人との時間を持たないようにするためにお金を払う人がいることも明らかになっています。また退屈な人に対しては、冷たく、能力が低いと思いがちなこともわかっています。
退屈だと思われる人5つの特徴
こうした研究成果を前にすると、自分が相手を退屈させているんじゃないかと心配になり、退屈だと思われる人にならない方法を考えたくなるでしょう。
そこで、どんな人が相手に退屈だと思われるのか、クレアモントマッケナカレッジのロナルド・リッジョ教授の記事を参考に、その特徴を5つお伝えしましょう。
①否定的
何にでもネガティブな反応をし、不平ばかり言っているタイプの人は、人を退屈にさせます。プライベートでも仕事でも、何かを提案されたときに、ネガティブな反応ばかりしていたら要注意です。
遊びに誘われたときに「ちょっと混んでない?」と答えたりするのは、その代表例の一つでしょう。
②表面的
他人との完成を深めていくのが怖いと感じることもあるでしょう。しかし常に表面的な会話ばかりしていると、退屈な人だと思われがちです。自己開示を交えながら、相手のとのつながりを作っていくことが退屈対策には重要です。
③自己中心的
自分のことばかり話してしまうなら危険です。気が付くと相手の話題を自分につなげて、自分のことを話す。このような態度に自慢が加わると、誰も話を聞きたいとは思わなくなるでしょう。
④受け身
自分から何か意見を発するわけでもなく、感情を揺さぶられたといった反応を示すことなく、ただその場にいるといった人も要注意です。
⑤目新しさがない
いつも通りの言動しかしない人に、人は退屈を覚えます。予想外なことがまったくない決まりきった会話はお勧めしません。何を聞いても、いつも同じような返答しか返ってこない人は、退屈な人と思われてしまう可能性があります。
退屈な人の特徴を並べると、自分の言動が相手を退屈にさせていたかもしれないと思う方もいるのではないでしょうか。仕事では相手を退屈させていないかもしれないけれど、パートナーや親と話すときは自信がないといったケースもあるかもしれませんね。
退屈な人だと思われない3つのテクニック
さて、相手を退屈させる言動がわかったところで、その対策をお教えしましょう。
対策① 相手の話を聴く
自分の話ばかりする人は相手を退屈させます。自分の話を聴いてほしいと思っているからです。そこで積極的に相手の話を聴くようにしましょう。自分のことを話したいと思ったときも、ちょっと待って、もう少し相手の話に耳を傾けるようにしましょう。一番危険なのは、自分の話をするのに夢中になってしまうことです。
対策② ポジティブに対応する
ネガティブな話だけをしないようにし、意見を求められたときにはプラス面も話すようにする。それだけで相手の反応は随分と変わってきます。たとえ実現不可能だと感じても、その可能性を探ってみるといった態度は、相手の人を楽しくします。
対策③相手の世界に興味を持つ
退屈だと思わせてしまう大きな要因の一つは、相手の世界に興味を示さないことです。先に示した退屈の5つの特徴でも、「表面的」「自己中心的」「受け身」といったものは、自分に興味を持っていないのかもと思わせる言動です。
相手のことはもちろん、相手が話す世界にも興味を示して理解しようとする。そうした態度を示す人に、人は退屈だとは感じません。
さて、今日は退屈だと思われる人にならない方法をまとめました。ここで重要なことは、淀みない会話ができないから退屈だとはならないことです。とつとつとした口調であっても、そこに面白味を感じる人はいます。あるいは黙っている時間が多くても、退屈だと感じない関係もあるでしょう。その意味では、「退屈だと思われる人」の定義は好みや関係性によって変わってくることもあります。
相手にとって退屈ではない時間がどのようなものか、改めて考えてみるのも面白いかもしれませんね。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:「PRESIDENT 話が面白い人、退屈な人」(2019年 12/13号)/「『退屈』がサディスティックな言動を引き起こす要因との研究結果」(GIGAZINE)/「What Makes Us Judge Some People as Boring?」(James Danckert Ph.D. John Eastwood, Ph.D./Psychology Today)/「5 Signs of a Boring Person」(Ronald E. Riggio Ph.D./Psychology Today)