ダンナってもしかしてフラリーマン? 夫が家にサクッと帰れるようになる3つの心理学

さまざまなメディアで話題のフラリーマン。家に帰らず街をさ迷い歩くフラリーマンは、どうすれば家にサクッと帰ってくれるようになるのでしょうか? 3つの心理学を使って考察します。

  1. 「○時までに帰ってこれる?」ハードルはむしろ低く
  2. テリトリー:家に夫のテリトリーをしっかり作り、守る
  3. 合理的思考:夫の家事分担を決め、早く帰ろうが遅く帰ろうが、意地でも残しておく
  4. フラリーマンの心理をつかんで、お互いを尊重できる家庭づくりを!

「○時までに帰ってこれる?」ハードルはむしろ低く

「フラリーマン」という言葉を知っていますか? 

今から10年以上前に心理学者の渋谷昌三氏 が提唱した 言葉ですが、最近、「働き方改革」の影響もあり急増。NHKをはじめ各種メディアに取り上げられるようになりました。

仕事が終わっても家電量販店や喫茶店などに寄り自宅に帰らない、そんなサラリーマンの行動の裏には、分担された家事をやりたくないといった心理も働いているようです。その賛否は置いといて、帰りたくなる方法にフォーカスして考えてみました。

アンカリング効果という心理効果があります。人は、最初に提示された数字などを基準に意思決定を行うようになるという心理現象です。テレビショッピングなどで「お値段2万円のところ……今回限り、5000円!」などといわれると、「とてもお得だ」と感じてしまうでしょう。しかし、その商品がきわめて当然のように5000円で店頭に並んでいたら、どう思うでしょうか。「本当は2万円の商品である」という認識がないので、お得だとは思いませんよね。

このアンカリング効果を、帰宅時間に上手に利用すると、夫のストレスも妻のストレスも軽減する可能性があります。「残業がない日は、○時までに帰ってきてくれない?」と提案するのです。このとき、帰宅時間のハードルは低くするのがポイント。例えば「9時までに」と約束すれば、夫は「なんだ、もっと早く帰ってやれるぞ」と思うかもしれません。

妻にも夫にも「9時」というアンカリングがついているため、夫がもっと早く、例えば8時に帰ったとしたら、妻はとても嬉しいはず。その喜ぶ顔を見て、夫も「早く帰ってやれてよかった」と感じるのではないでしょうか。これが繰り返されることで、夫の帰宅欲は高まっていきます。

また、たまには「帰りたくない」と夫が一杯やって返る日があったとしても、あえてハードルを低く設定しているため、既定の時刻に間に合う可能性が大きくなります。約束を守ってもらえて妻も満足なら、夫もばつの悪い気分を回避できるはず。常に機嫌のよい家庭を保てます。

テリトリー:家に夫のテリトリーをしっかり作り、守る

人も動物ですから、テリトリーを守ろうという欲求があることが、環境心理学の研究からわかっています。家の中に夫のテリトリーがあれば、夫は早くそこに戻りたいと感じ、帰ればホッとするはずです。

「自分の家だもの、全体が夫のテリトリーじゃないの?」と、妻は思うかもしれません。しかし、家じゅうを見渡してみてください。夫の個室はありますか?そして、居間に夫の私物はありますか?そう、家には寝に帰るだけというサラリーマンの場合、家がテリトリー化していないことが多いのです。むしろ、妻や子どものテリトリーへ帰っていくという感覚のサラリーマンもいて、その場合、家は完全にアウェイ。くつろげる場所ではないのです。

夫が趣味や一人の時間に没頭できるようなスペースを作り、そこには家族がなるべく立ち入らないようにしましょう。家にテリトリーができれば、夫はそこへ帰ろうとします。会社や行きつけの飲み屋など、外がテリトリー化している夫には特に有効です。

合理的思考:夫の家事分担を決め、早く帰ろうが遅く帰ろうが、意地でも残しておく

「テリトリーを作ったからといって、それでは早く帰ってくれるだけで、家のことをやってくれるようにはならないのでは」と考えた奥様方に、こんな方法を提案します。夫の家事分担を固定化してしまい、それについては絶対に夫がやると決めてしまうのです。

「早く帰ってきたんだったら、あれをやってよ」「せっかく早く帰ってきたんだから、子どもの面倒を見てくれない?」などといい続けていると、夫の側には「早く帰らなければ、家事をやらずに済む」という思考が生まれてしまいます。そしてますます帰宅が遅くなってしまうのです。早く帰ろうが遅く帰ろうが、家族としての役割は同じであるということに気づいてもらわなければなりません。

洗濯物をたたむ、夕飯後の洗い物をする、最後にお風呂に入った人がお風呂掃除をするなど、夫の家事分担を固定化しましょう。そしてどんなに「片付かない!」と身体がうずうずしても、夫に任せたことは妻がやってはいけません。

すると夫側は「遅く帰ると分担されている家事をこなすのが大変だ」と気づくようになるでしょう。結果、「フラフラしていないで、早く帰って用事を片付けよう。全部終わったらゆっくりしよう」という考え方が芽生え、まっすぐ帰宅するようになります。

フラリーマンの心理をつかんで、お互いを尊重できる家庭づくりを!

フラリーマンになってしまうのは、「家に帰っても居場所がない」「家に帰ると妻に指図され、家事をしなければならない」「一人の時間が欲しい」といった心理が働いているとされています。だったら、夫の居場所がある家、家事をしろと指図されない家、一人で趣味に没頭していても邪魔されない家を妻側が作っていけばいいということになるのではないでしょうか。

家事と子育てに追われ、夫に助けてほしいと常々感じている妻は、帰ってきた夫に対して攻撃的になりがち。でも、それでは夫は家から遠ざかるばかりです。どんな家族になりたいか、どんな夫であってほしいかを心の中で再確認してみましょう。自分も相手も、居心地のよい家であることが理想のはず。双方が歩み寄っていけるよう、まずは妻側から働きかけてみては!

参考

『近接心理学のすすめ』(渋谷昌三 著/講談社)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です