コロナ禍で実感する人の絆の大切さについて

新型コロナウイルスへの不安から家族や友人がいる幸せを実感したりしていませんか?誰かがそばにいてくれるだけで安心する。人にはそんな心理があるようです。今日は人との絆についてお伝えします。

  • テロが起きると離婚率が下がる
  • 助けてくれないのは他の人が助けそうだから?
  • 社会不安で占いが人気に

テロが起きると離婚率が下がる

社会での不安が高まると、人間同士の絆が強まることは、心理学的にも証明されています。

米国ルイジアナ州立大学のトーニャ・ハンセルの調査によれば、2011年9月11日に発生した「アメリカ同時多発テロ事件」の後、3年半の離婚率を調べました。その結果、テロが発生した翌年にあたる2002年の離婚率は、テロ発生前に比べて25%も離婚が減っていたのです。さらに2003年から2005年の3年間は、テロ前より37.5%も離婚が減っていることが判明しました。

また1995年4月にオクラハマ・シティで発生したテロの後、1996年から2000年までのオクラハマ州の離婚率はかなり減少していることがわかりました。そして特に減少が多きっかったのが、テロ後の2年間だったのです。

じつは日本でも東日本大震災が起きた2011年の離婚率は、2010より大幅に下がり、2012年もほぼ横ばいでした。

その一方で、婚姻率が上がらなかったのです。2011年の婚姻件数は66万1895組。前年比で3万8319組も減っています。人口1000人に対する婚姻率は5.2で、前年より0.3ポイント下がっているのです。

震災後の結婚が増えそうだという話は、結婚情報サービス業の登録者が増えたといった話からきたものでした。しかし、そこから結婚に結び付かない人が多かったのは、日本の結婚は経済的な要因が大きいからだと、社会学者の山田昌弘氏は分析しています。

こうした状況を考えると、コロナ禍でも結婚が極端に増えるといったことはなさそうです。

助けてくれないのは他の人が助けそうだから?

絆の強さは、結婚や離婚だけで測れるものではないでしょう。都心よりも地方の方が人が優しいからと移住を考えたりするケースもあるかもしれません。

米国カリフォルニア州立大学のポール・スコルニック氏は、路肩に車を止めて援助を待ってみるという実験をしました。その結果、交通量の多い場所では23.49台が通り過ぎる結果となりましたが、田舎道では2.56台しか通り過ぎませんでした。

この結果は、田舎の人の心優しさを証明したように見えます。しかし、交通量の多かった道路でも、午後8時から10時まで同じ実験をしたところ、助けてくれる人が大幅に増えたのです。

つまり他人を助けるといった「絆」は、「自分が助けないと誰もいないかも」と思うときに高まるのです。誰かが助けるだろうと考えられる状況では、なかなか車を止めてくれないというわけです。地域による住民の気質の問題ではなかったのです。

これは仕事でも同じような結果を生むでしょう。

誰かが助けるだろうと思うと援助者は減り、これは自分しか助ける人がいないと感じれば援助してくれる可能性は高まります。

社会不安で占いが人気に

コロナ禍では、人と会うこと自体が難しくなるため、なかなか絆を深めることが難しいと感じるかもしれません。それならと占いで運命の相手を探すのも、一つの手かもしれません。

しかし社会不安の高まりは、占いの人気に直結することが米国のマーシャル大学のヴァーノン・パジェット氏の調査によって証明されています。心細くなると、ついつい占いに頼ってしまうのは、人のさがといったものかもしれません。

新型コロナ禍の影響で寂しさを感じたら、まず現在の人間関係を見直してみるといったことが重要かもしれません。災害やテロの後に離婚率が下がったのと同様に、相手のポジティブな面を見つけられるかもしれません。

占いに行くのは、その後でもいいのかもしれませんね。

人間関係の問題に興味のある方は、こちらもご覧ください。

参考:『世界最先端の研究が教える すごい心理学』(内藤誼人/総合法令出版)/「増えた?震災婚 「コロナ婚」はどうなる?」(telling,)

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