「結婚生活は幸福なの?」の疑問に答える

結婚が幸福をもたらしてくれるのかは、なかなか判断しづらい問題でしょう。個人差も大きいですし、何よりパートナーの文句を口にする人が必ずしも結婚生活に満足していないとも言い切れないからです。そこで結婚生活の心理について調べてみました。

  • 7割以上が結婚に幸福感
  • 結婚している方が長生き
  • お金が離婚を加速させる

7割以上が結婚に幸福感

「女性は天使であるが、夫婦生活は悪魔である」と語ったのは、18世紀の詩人ジョージ・ゴードン・バイロンです。結婚に関する「名言」の多くは、結婚は苦労するものだと男性が語っています。

しかし近年のアンケート調査では、結婚で幸せを感じている人が多いようです。

2020年11月に婚活支援サービスを運営するタメニー株式会社が、20~49歳の既婚男女500人を対象に実施したアンケートによれば、「結婚して幸せ」が47.2%、「どちらかと言えば幸せ」が31.0%でした。つまり合わせて78.2%の人が結婚生活に幸福を感じているのです。

「それは結婚してまだ間がないからじゃないの?」と疑う人もいるかもしれません。しかし、結婚して「10年以上」の人でも76.8%が幸せを感じていました。結婚して「3年未満」が79.6%だったので、その差はわずか2.8%。つまり新婚の勢いで幸せを感じているわけではなさそうです。

また、「コロナ禍以降、夫婦の関係に変化はありましたか?」という質問には、「関係が良くなった」と回答した人は25.2%で、「関係が悪くなった」のは12.6%でした。「どちらとも言えない」が6割を超えているのですが、それなりの影響があったことがわかります。

ただし結婚を幸せと感じている人と、そうではない人との比較で大きな差が出たのです。

「以前より関係が良くなった」と回答した人の92.1%が「結婚して幸せ」と答えていました。一方「以前より関係が悪くなった」人で「結婚して幸せ」と答えたのは50.8%にとどまったのです。なんと40ポイント以上の差がついたことになります。

この大変なコロナ禍でさえも、結婚の幸福度が高い人は夫婦の絆が強まったというわけです。

結婚している方が長生き

海外の研究結果でも結婚が人生にプラスに働くことが実証されています。

米国の名門イェール大学のリサ・バークマン氏は、カリフォルニア州アラメダ郡の成人6928人の死亡率を調査しました。その結果、結婚している人の方が、結婚していない人より死亡率が低いことがわかりました。

特に差の大きかったのが、50~59歳の男性です。結婚している人が12.1%の死亡率だったのに対し、結婚していない人はその倍以上、25.2%という数値になったからです。ちなみに同じ年代の女性は、結婚している人が7.1%の死亡率で、結婚していない人は9.6%の死亡率でした。結婚によって死亡率に差があるものの、男性と比べると小さいことがわかります。

この調査の背景にどのような原因があるのかはハッキリしませんが、独り身だと病気になっても気づきにくい、無理しがちといったこともあるかもしれせん。

また孤独であるほど寿命が短いといった別の調査結果もあるので、たとえ面倒なことが多くても、多くの人とかかわりを持っている方が長生きするのかもしれませんね。

お金が離婚を加速させる

もちろん結婚が、常に楽しいわけではありません。米国ブリガムヤング大学のティム・ヒートン氏が9643世帯を調査した結果、不満があるものの離婚や別居をするつもりがないという夫婦が65.8%もいたというのです。

米国の夫婦は自分の気持ちに素直に行動しているのでは、と思っている人も多いかもしれません。しかし我慢している夫婦が6割を超えているのです。我慢強い国民性を持つ日本人の夫婦であれば、その割合はもっと多いのかもしれません。

ティム・ヒートン氏は、どんな夫婦が安定した関係を築けるのかといった調査も行っており、お金持ちではない方が安定しやすいという結果を報告しています。その理由として、お金を持っていると別のパートナーを見つけやすく、浮気や不倫の可能性が高いことをあげています。

不満があっても結婚生活を続ける理由は、人さまざまでしょう。ただし不満があるから不幸だといえないところが、この手の調査の難しいところです。とはいえ熟年離婚や、中高年での早死にを防ぐためにも、夫婦感のコミュニケーションをしっかりとっておく方がよさそうですね。

コミュニケーション能力の向上に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:「コロナ禍以降、既婚者の約4割 夫婦関係に変化があった新婚夫婦ほど影響を受けていることが判明」(QOM総研)/『世界最先端の研究が教える すごい心理学』(内藤誼人/総合法令出版)

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