夫婦関係を良くする3つのテクニック

ずっと夫婦仲よくやっていけるかな、と心配になることはありませんか? 相手のちょっとした言動に、不安を感じたり……。そんなときに知っておきたい仲の良い夫婦であり続けるためのテクニックを紹介しましょう。

  • 3人に1人は離婚!
  • 余計なことを言わない
  • ポジティブな話の比率を考える
  • 「ストッパー」を探す

3人に1人は離婚!

日本の離婚率は35%前後で推移しており、3人に1人は離婚する時代です。

とはいえ「夫婦関係調査2021(リクルートブライダル総研調べ)」によれば、「夫婦関係に満足している」割合は67.2%となっており、必ずしも日本人の夫婦仲が悪いわけではなさそうです。

ただ「夫婦関係に満足している」と答えなかった32.8%がすべて離婚するとは考えられないので(関係が悪化しても離婚しない人も!)、時間とともに夫婦が仲悪くなって離婚してしまう人達も少なくないのでしょう。つまり夫婦仲が悪くないときから、関係を悪化させないように気を配る必要があるのかもしれませんね。

そこで、まだ夫婦仲が悪いとは言えないけれど、ちょっと将来の関係性に不安を感じた人が実行すべきテクニックを順番に紹介していきましょう。

①余計なことを言わない

夫婦仲の基本は誠実さにあることは間違いないでしょう。しかし情報を何でも共有すべきかどうかは難しいところです。

オランダのユトレヒト大学、キャトリン・フィンケナウアー氏は、夫婦の秘密について調査しました。昔の秘密を告白することが夫婦関係にとって壊滅的な危険があると考えた人は、結婚生活を20年以上継続している夫婦の62%にのぼったそうです。このような結果を受けて、夫婦でも秘密にしておいた方がいいことがあると、キャトリン・フィンケナウアー氏は結論付けています。

自分の過去に言えないことがあるのは、珍しいことではないかもしれません。「あのときは、どうかしていた」と思うことだってあるでしょう。そうした過去の後悔を、パートナーに話して認めてもらうのは理想ですが、その危機を乗り越えられるとは限りません。むしろ墓場まで持って行く決意を持つことが大切なのかも。

旅行口コミサイトトリップアドバイザーが調査した「世界の結婚事情」では日本より離婚が多いオランダ。そこで20年以上夫婦を続けている人たちの意見なのですから、信憑性があるように感じる人も多いでしょう。

②ポジティブな話の比率を考える

ワシントン大学の心理学名誉教授、ジョン・ゴッドマン博士は、夫婦の会話を聞くことで、将来の離婚を9割以上の確率で当てたと言われている人です。そんな夫婦仲の専門家が、好ましい人間関係を築くため見つけた黄金比は「ゴットマン比率」と呼ばれています。

夫婦の場合、「ポジティブ5 ネガティブ1」を会話の基本にすべきとのこと。

つまりネガティブな話を1つしたいなら、ポジティブな話を5つすべきというわけです。ちなみに仕事関係でもボスと部下なら、「ポジティブ4 ネガティブ1」です。

相手の嫌がることは、なるべく口にせず、言うならばしっかりと誉め言葉も口にすべきというわけです。

親しい仲だからこそ耳の痛い話をすべきと思う人も多いでしょう。しかし心理学の調査によれば、やはり耳の痛い話は人間関係を損ねる可能性があります。夫婦仲を維持しつつ、耳の痛い話もする必要があるなら、パートナーをしっかり誉めましょう。

逆にあら捜しをしているようなら、要注意です。

ジョン・ゴッドマン博士は、結婚が長続きしない4つの兆候として、「批判」「軽蔑」「防衛」「無反応」を挙げています。パートナーとの会話について、このような兆候がないかを考えてみるのもいいでしょう。

③「ストッパー」を探す

夫婦ケンカをしたとき、ひょんなことで仲直りをしたり、いい争いが激しくなるのを防げたりしたことがありませんか? 例えば、パートナーの手を握ったり、「ちょっとコーヒーでも飲まないか?」と誘ったり。

オーシャンカウンティカレッジのニール・J・ラベンダー准教授は、恋人や夫婦のケンカをくい止める行動を「ストッパー」と呼んでいます。それはユーモアを交えたもので、何となくお互いに笑って相手を許してしまうような行動のようです。

この「ストッパー」は、カップルや夫婦によって、それぞれ異なります。一緒に見た映画の一場面を思い出させるようなものもあれば、旅行の思い出をヒントにしたといったものもあるそうです。

そして良い関係性を続けているカップルや夫婦は、こうした「ストッパー」を持っていることが多いようです。互いがエキサイトしてしまったケンカを終わらせる「ストッパー」のヒントは、一緒に過ごした幸せな時間の中にありそうです。過去の思い出の中から、つい笑ってしまうような行動をパートナーと話し合いながら見つけるのは、ちょっと楽しいイベントになるかもしれません。

時間が空いたときに、パートナーと一緒に「ストッパー」を探してみませんか?

人間関係を改善するコミュニケーションについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会

参考:参考:『世界最先端の研究から生まれた すごいメンタル・ハック』(内藤誼人/清談社Publico)/「The “End Marital Spats in Less than 5 Seconds” Hack」(Neil J. Lavender, Ph.D.,/Psychology Today)

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