元貴乃花親方の離婚が大きな話題になっています。
その経緯を追っていくと、離婚やむなしとなったことが心理学的な知識からも納得します。
元貴乃花親方に学び、人生の岐路で離婚しない方法を学びましょう。
- 元貴乃花親方から学ぶ
- 元貴乃花親方は「卒婚」なの?
- 相談しないでの理事選出馬が心理学的にもまずかった
- 「言い訳」も離婚の可能性を高める
元貴乃花親方は「卒婚」なの?
11月27日、元貴乃花親方の花田光司氏と元フジテレビアナウンサー河野景子さんが、10月に離婚していたことが明らかになりました。
今年9月には親方を廃業し、貴乃花部屋が消滅しました。いわば人生の岐路に、夫婦としても別れを決断したことになります。
原因はさまざま報じられていますが、日本テレビ系「スッキリ」に生出演した際に、元貴乃花親方は次のように語っています。
「お互い結婚を卒業しようと、2人で決めました。人生の起点がたくさんありましたし、お互いの道を行こうと」。
この発言からは、巷で話題の「卒婚(婚姻関係を維持したままお互い自由に生活していく形)」を選択したようにも受け取れますが、「NEWSポストセブン」は8月に「貴乃花夫妻の『実質的に別居状態』」として、かなりの断絶があったことを伝えています。
結局、夫婦のことは夫婦にしかわからないものですが、報道にあった離婚危機がどうして離婚につながったのかを、心理学的に解説していきたいと思います。
相談しないでの理事選出馬が心理学的にもまずかった
「NEWSポストセブン」が報じたところによれば、昨年11月に起こった元横綱・日馬富士の傷害事件に端を発した騒動では、景子さんも部屋を盛り立てるのに、かなり尽力していたらしい。
同記事によれば、離婚の発端となったのは、理事選への出馬を景子さんに相談せずに決めてしまったことのようです。
ストレスの対処方法によって、夫婦の関係性が大きく変わることを説明した加藤司・東洋大学教授の論文「コーピングによる離婚のメカニズム」によれば、話し合いを避けようとする「撤退コーピング」という行動は、二人の関係の満足感が低下するものだそうです。
さらに部屋の経営ついても意見が食い違い、2人は話さなくなり、事実上の別居がスタートしたと、「NEWSポストセブン」は書いています。
この記事の内容からすると、<一方が話し合いを求め、もう一方がそれを避けようとする>「要求・撤退コーピング」か、<パートナーを侮辱したり、批判したり、文句を言ったりする>「拒絶コーピング」という行動まで進んでいたかもしれず、そうであれば状況が悪化していたことになります。
8月に元親方が意識不明で入院したときには、見舞いにも行かなかったとの報道もあり、この通りであるとすれば「拒絶コーピング」あるいは、<別れる事を容認するような態度を取る>「関係解消コーピング」といった行き違いが起こっていた可能性があります。
「言い訳」も離婚の可能性を高める
ちなみに、この論文によれば、夫婦の会話に「批判」「侮辱」「言い訳」「逃亡」の4つが見られる場合は、「離婚の危険性を高める重要な要因」のとのこと。
「『批判』や『侮辱』は『言い訳』を生みやすくなり、『言い訳』には自分を守ろうとするだけではなくて、『問題は私にはなく、あなたにある』という配偶者を責める側面がある」と解説しています。そのため「批判」「侮辱」「言い訳」が重なると、配偶者が話し合いをさけて「逃亡」してしまうというのです。
つまり、報道の通りであれば、意見の食い違いを話し合うことなく、それが筋を通すという心情や哲学からくるものであっても、元親方が結果的に「逃避」の態度を示したことで、離婚は一気に近づいてしまったというわけです。
こうした行動とは逆。<ふたりの問題を解決するために、積極的に話し合いをする>「建設的話し合いコーピング」は、より「ふたりの関係満足度が増す」結果となるそうです。せめて相談してから出馬していれば、結果は変わったかもしれないという……。
決断をする前に相談する、意見の食い違いがあれば話し合う、言い訳や批判をしないといった当たり前のことが、夫婦関係を構築し続けるのには必要ということでしょう。
もちろん元貴乃花親方が本当に「卒婚」したのであれば、しっかり話し合いを続けた末の結論かもしれません。それは夫婦だけが知っている秘密ということになるでしょうが……。