「注意資源」を節約して一日を有意義に過ごす!私たちの注意力や集中力には限りがあるって知ってた?

私たちの集中力に総量が決まっているとしたら、無駄に使うのはもったいないですよね。注意力には限りがあるという「注意資源」の考え方を知り、限りある一日を有意義に過ごしましょう。

  1. 「注意資源」とは、注意力や集中力には限りがあるという考え方
  2. 「注意資源」はバッテリーのように考えることができる
  3. 注意資源を節約する方法
  4. 注意資源を有効に活用する仕事の順番
  5. 毎日疲れ果てている人は、スマホをオフにするだけでも回復するかも

「注意資源」とは、注意力や集中力には限りがあるという考え方

「注意資源」とは、私たちの注意力や集中力には限りがあるという考え方です。「認知資源」ともいわれます。朝は集中して物事に取り組めたのに、午後からはなんだかうまくいかない、と言う経験をした人は少なくないのではないでしょうか。疲れが出た、眠くなってしまったなど、さまざまな要因が考えられますが、注意資源が減少したことも原因の一つと考えられます。

「注意資源」はバッテリーのように考えることができる

注意資源は、なくなってもまた復活するため、充電型バッテリーのように考えることができます。

・注意を向けるたびに消費される

ネットにスマホにトイレに電話……注意資源は、別のものに注意を向けるたびに消費されていきます。仕事中に「今晩のおかずどうしよう」と考えるだけでも消費されるので、注意力散漫と自認している人はとくになくなりやすいでしょう。

・分電できるが、総量は変わらない

ちょうど延長コードを使って分電するように、料理をしながらTVを観るなど、複数のことに注意を向けることはできます。ただし、流れる電気の総量は変わらない、つまり注意力の総量は変わらないため、各々に向ける注意は甘くなります。鍋を焦がしたり、大事なシーンを見逃したりするかもしれません。

・充電によって補給される

注意資源は、ぐっすり睡眠をとればまた元通りに復活します。あたかもバッテリーが充電できるかのように、です。そして夕方には充電がなくなるように注意資源も減り、また睡眠をとって資源を取り戻す。これが繰り返されます。

注意資源を節約する方法

注意資源の総量は人によって決まっており、増やすことは難しいとされています。しかし、節約することはできます。注意資源を節約する方法をご紹介しましょう。

・マルチタスクを避ける

PC作業中、たくさんのタブを開いたまま、いろんな作業を並行して行っていませんか。マルチタスクは、さまざまなタスクにひっきりなしにアクセスすることになるため、注意資源を大きく消費してしまいます。一点集中型の仕事スタイルを心がけましょう。

・仕事中はスマホを見ない

ちょっと注意を向けただけで資源が損なわれるなんて、もったいない話ですよね。仕事中はスマホを見ないようにして、SNSやメールは休憩時にまとめてチェックしましょう。

・やるべきことをリスト化し、余計なことは頭から追い出す

仕事中、「家に帰ったら衣替えしなきゃ」「今日、買って帰るものは……」と思いを巡らせただけで、注意資源は減っていきます。「やるべきこと」は全てスマホや紙にリストアップしてしまい、後は忘れて仕事に打ち込みましょう。リストは一つ仕事が終わってから見直し、緊急性の高いものから片づけます。

・ルーティーンを増やす

ある程度注意を向けなくてもできる習慣を増やすことが、注意資源の節約につながります。例えば、曜日によって着る服を決めておく、ローテーションで献立を回す、仕事を片付ける順番を決めておくなど。効率性を求めた生活を心がけましょう。

注意資源を有効に活用する仕事の順番

注意資源を有効活用するには、どんな順番で仕事を組めばいいのでしょうか。コツは、集中力が必要な仕事から先に片づけること、放っておくことで注意力が落ちそうな仕事はリスト化し、まとめて処理することです。具体的にお伝えしましょう。

・仕事リストチェック

仕事のTo Doリストは、モチベーションをあげるのにも効果的と言われています。あまり時間をかけるのはもったいないですが、仕事のリストを作ってチェックしてみましょう。

・午前中①一番集中力が必要な仕事に取り掛かる

注意資源が満タンの午前中のうちに、一番集中力が必要な仕事に取り掛かります。1時間だけ等、時間を区切るとさらに集中力は高まるでしょう。

・午前中②緊急性の高い仕事を終わらせる

緊急性の高い仕事を後回しにしたままだと、注意がそがれるうえ、業務に支障が出ます。一日の早い段階で終わらせてしまいましょう。

・午後①昼食後、できれば15分程度の午睡

休憩時間中の仮眠は注意資源の充電時間として貴重です。15分程度の午睡が、身体や脳の疲れを取るのに最適と言われています。

・午後②打ち合わせなど他人と仕事をする時間に充てる

午後は、注意資源が失われつつある時間帯です。打ち合わせなど、過度な集中のいらない仕事に充てるのがいいでしょう。注意力のいらない単純作業もおすすめです。

・午後③定時の30分前までなど時間を制限し、最後の集中力を振り絞る

この日最後の注意資源を、残っている仕事のために振り絞りましょう。時間を制限すると集中力が高まるため、否が応でも仕事を切り上げなければならない定時を指標にするのがいいでしょう。

・午後④メールチェックと明日の仕事のリスト化

退社前に今日中に返信しなければならないメールは返信し、仕事を終えます。帰る前に明日の仕事をリスト化しておくと、帰宅後「明日、まずはあれをやって……」とモヤモヤ考えて注意資源を使い果たすようなことになりませんよ。

毎日疲れ果てている人は、スマホをオフにするだけでも回復するかも

注意資源が枯渇すると、人は疲れを訴えるようになります。最近、なんだか疲れが取れないという人に注目してほしいのが、スマホの存在です。あらゆる情報が手に入るスマホは便利ですが、注意資源を吸い取ってゆく危険なものともいえます。1時間、2時間だけでも、オフにしてみてください。集中力が増す自分を感じられるかもしれませんよ。

心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:

注意散漫状態による注意資源再配分がもたらす行動特徴の変動」

「マルチタスク環境下における認知的リソース配分の個人差」

「出社直後のメールチェックは仕事の効率を下げる…オフィスでの習慣“新常識”ベスト5」

「昼間の仮眠15分で頭スッキリ」

『自分を操る超集中力』(DaiGo著/かんき出版)

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