仲良くなりたないなら、とにかく顔を見せることが重要なのを知っていました?「あっ、今忙しいですか? では、また今度」でもOK。とにかく顔を見てもらうことが重要です。
- 75%の確率で好感度が上昇
- SNSでも応用可能な心理現象
- イヤなヤツと思われたら逆効果!
- 商品も目にすればするほど親近感が!
75%の確率で好感度が上昇
せめて世間話でもできるようになれば……。そんな想いを抱えながら営業で通うこと5回。一向に打ち解けた感じにならないし、もうあきらめようかなと考えてしまったなら、すごくもったいない話です。
だって、本当に仲良くなれるのは、これからですから!
アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスは、単に顔を見せるだけで好感度が上がることを証明しました。実験は、ミシガン州立大学の卒業生12人の顔写真を選別、記憶の実験と称して実験参加者にランダムに見せて好感度が上がるかを、実験参加者に確かめました。
実験の参加者は、たんに顔写真を眺めただけ。ところが12人の写真のうち9人の写真の好感度が大幅に上がったのです。残りの3人の写真も、ほとんど好感度が変わらないという結果でした。
実験参加者の好みがあるとはいえ、顔写真を何度も見るだけで12人中9人、なんと75%の確率で好感度が上がったことになります。しかも好感度が上がらなくても、マイナスの効果はなし。これは活用したい実験結果です。
ちなみに好感度が一気に上昇したのは5回~10回の間。逆に10回写真を目にした人と、25回写真を目にした人の好感度は、それほど変わりませんでした。つまり5回ぐらいしか会っていないのに、「どうもそっけない」と嘆くのは早すぎるというわけです。
SNSでも応用可能な心理現象
また、この実験が写真で実施されたことにも注目すべきでしょう。顔写真で効果があったのですから、フェイスブックやインスタグラムなどでも同じような効果が期待できます。WEB上でつながり、自分のページへのアクセスで顔写真を見てもらえば、好感度が自動的に上がっていくかもしれないのです。
特にこの心理的な効果は、会わない期間が長くて長時間会うといったパターンより、比較的会わない期間が短くて短時間会った方が効果的と言われています。チラッと顔を見せられるSNSは、この心理現象を引き起こすのに適したツールといえるでしょう。
イヤなヤツと思われたら逆効果!
ただ、この心理効果は、ちょっと怖い側面があります。それは嫌われてしまった場合は、逆効果になること。実際のケースを思い出してもらえればわかるでしょう。嫌なヤツだなと思っている人が、何かと会いにくるのは気が滅入るものですよね。
結局、短時間の顔合わせであっても、嫌われていないかどうかをしっかり観察する必要があります。その意味では、アピールし過ぎるより、失点の少ない「ご挨拶」を重ねた方が安全かもしれません。
そう考えると、営業の人達がちょっとした冊子などを持って顔だけ見せにくるのも、大きな意味があると気付くでしょう。半年に1回会ってゴルフをするよりも、チョコチョコと顔を出してくれる人に人間は心を開くものなのかもしれせんね。
営業の方には、ぜひ覚えてもらいたい心理現象です。
商品も目にすればするほど親近感が!
単純接触効果と呼ばれる、この心理現象は、対人だけで起きるものではありません。商品でもCMで何度も目にすれば、好きになる可能性は高まります。また曲なども繰り返し聴くことで好感度が上がってきます。ドラマやCMで使われた曲がヒットしやすい理由の一つは、こんなところにもあるのです。
意識していないのに、目にする情報で自分の好感度が左右されるのは不思議な感じですが、だからこそ世の中には単純接触を求める情報が溢れています。CMや冊子、ポスターなどなど。たまには、そうした情報から離れてみるのも新鮮かもしれませんね。