ブランドものスーツを着ているときはすごくかっこいいのに、私服ではちょっとイマイチ。そんなギャップをファッションセンスの問題だと思っていませんか? じつは「身体像」の問題かもしれませんよ!?
- スーツと私服では別人!?
- しっかりした「鎧」を着ているのか
- 「身体像境界」を活用する
- 派手だから自己顕示欲が強いとは限らない
スーツと私服では別人!?
「スーツを着ているときはかっこいいのに、私服はがっかり」。そんな話を聞いいたことあるかもしれません。通常、私服のファッションセンスの問題として片付けられがちですが、本当にそうでしょうか?
ネクタイやワイシャツ、革靴など、スーツでもかっこよくきめるのは、意外に難しいもの。そのアイテムを揃えることができるのに、私服ではイマイチ。ちょっと不思議ですね。
そんなときは私服を着ているときの態度も、ちょっと観察してみましょう。
なんか自信がなさそうで優柔不断、うまく会話が続かない。そんな感じであれば、元々の性格はむしろ私服の方に近いのかもしれません。
しっかりした「鎧」を着ているのか
服と性格について考えるとき、「身体像境界」という言葉を知っているとわかりやすくなります。「身体像境界」というのは、「身体像」と外界の境目をさします。では「身体像」が何かというと、自分の身体について感じているイメージなのです。
そのため「身体像境界」が曖昧だと、外界への不安が高いと言われています。逆に「身体像境界」が広くハッキリしていると自信を持って行動することができるのです。つまり「身体像境界」は鎧のようなものと考えればわかりやすいでしょう。
しっかりした鎧を着ていれば、敵と距離が近づいても臆することもありませんが、何の防御力もない衣服だと他人との接触すら不安になってしまうというわけです。
この「身体像境界」を強化するときに、大きな効果を発揮するのがブランドの衣服なのです。ブランド品や派手な服などは、「身体像境界」をハッキリさせることができると言われています。
この「身体像境界」を強化するときに、大きな効果を発揮するのがブランドの衣服なのです。ブランド品や派手な服などは、「身体像境界」をハッキリさせることができると言われています。
「身体像境界」を活用する
こうした「身体像境界」の知識は、2つの面から活用できるでしょう。
1つは自分への活用です。イマイチ自信がない、営業などでイマイチ押しが弱いと感じているなら、思い切って高価なスーツを身につけると効果があるかもしれません。
身体にジャストフィットした高級スーツは、自分の意識だけではなく、他人からの見え方も変わります。結果的に自信を持った行動ができるようになり、そうした行動が周りの人の反応も変えていくようになるかもしれません。
コスプレによって行動が変わることは、さまざまな実験で証明されています。例えばテキサス大学のエルへ・ペーニャ博士は、衣装によってゲーム内の攻撃的な行動は2~3倍になるという研究結果を発表しています。
自分の性格を補うために服装を使うのは、それなりに有効な方法といえそうです。
派手だから自己顕示欲が強いとは限らない
もう1つの使い方は、ブランドや派手なファッションにこだわる人への理解です。通常、派手なファッションをする人のことを自己顕示欲の強い人と思いがちです。
しかし「身体像境界」の知識があれば、むしろ弱さを隠すためかもしれない、といった理解にもつながるでしょう。自分の不安をおさえる道具として、服装が役立っているかもしれないと。
一見、強気に思える行動の裏にある繊細な感性を理解できれば、相手のことをもっときちんと理解できるかもしれません。
ファッションセンスだけでは片付かない、心と服装の関係についてまとめてみました!
参考:『決定版 面白いほどよくわかる! 他人の心理学』(西東社)