日曜日の夜、次の日から仕事に行かなければならないことを考えると憂鬱になっていませんか。金曜日から始める5つの心理ステップが、その憂鬱を解消します。試してみませんか?
- 金曜日、「ツァイガルニク効果」を狙い、わざと仕事を残して会社を出る
- 土曜の夜、月曜だけのぜいたくを決めておく
- 日曜日、ありのままの憂鬱を受け止める
- 日曜の夜、あらかじめ決めておいた相手に電話する
- 月曜日、会社に向かってしまえば楽になる
- 身体に異常をきたすほどなら、次の月曜は会社ではなく病院へ行って!
金曜日、「ツァイガルニク効果」を狙い、わざと仕事を残して会社を出る
日曜日の夜から始まる出社への憂鬱は、ちょうど日曜夕方、「サザエさん」が始まる頃から陥るケースが多いため、「サザエさん症候群」などともいわれています。日本に特有の現象かと思いきや、米国でも同じ現象が見られるとのこと。昔から、「ブルーマンデー」なんて言葉もありますよね。
さて、「ツァイガルニク効果」をご存知でしょうか。いったん始めた作業が中途半端なままで終わると、完璧に終了した作業よりもよく覚えているという現象のことをいいます。この効果を利用して、休憩後スムーズに仕事へ戻れるよう、わざと中途半端なまま作業を中断しておくという仕事術もあるほど。
金曜の夕方は、「週末、心おきなく遊べるように不安ごとをすっかり解消しておきたい」と頑張りがちですが、仕事をやり遂げてしまうと、月曜日はエンジンがかかりにくくなります。むしろ、「月曜、出社したらアレから終わらせなくちゃ」と仕事を心に残しておいたほうが、かえってやる気が出るというのです。やる気の種を、金曜のうちに蒔いておきましょう。
ただ、ウェイトの重い作業を残しておくと心の負担は増えるばかり。残す作業は、すぐ終わるものにとどめておきましょう。
土曜の夜、月曜だけのぜいたくを決めておく
土曜の夜、まだ週末のウキウキ感が残っているうちに、月曜だけのぜいたくを決めておきましょう。新しい通勤着やアクセサリー、ネクタイを買っておいて、月曜に身につけるのはいかがでしょう。少し早起きして人気カフェのブレックファーストを楽しむのもいいですね。ちょっと背伸びの必要な寿司店やバーへ行くのもおすすめです。月曜日になるのが楽しみな自分を、きっと感じることができますよ。
日曜日、ありのままの憂鬱を受け止める
日曜日の夕方、憂鬱さが心を襲ってきたら、その憂鬱さと闘うことをやめましょう。「あ~、明日から仕事だ……いかんいかん、鬱になるからそんなことは考えないように、考えないように」などと唱えていると、かえって仕事のことが気になってしまいます。ある考えを頭から追い出そうとすればするほど、そのことについて考えてしまう心理効果は、反芻効果と呼ばれています。
憂鬱気分の反芻が始まると、どんどん憂鬱になってしまいます。ここで役に立つのが、マインドフルネスの思想です。マインドフルネスとは、あるがままの今の気分を受け入れること。「自分は今、憂鬱を感じているんだ」と、ただ受け止めることによって、それ以上気分が落ち込むのを防ぎます。
日曜の夜、あらかじめ決めておいた相手に電話する
いくらマインドフルネスが大事だといっても、一人でいるとどうしても仕事について考えてしまう。そんな人は多いでしょう。暗い考えから自分を解放するには一人では困難だという人におすすめなのが、誰かに電話することです。恋人、両親、兄弟、同級生、仲の良い同僚など、日曜の夜に電話する相手を決めておきましょう。
この際、電話がつながらないと一層寂しい気持ちになるもの。「次の日曜の夜、気分が落ち込んだら電話していい?」と、あらかじめ相手に了解を得ておくのがおすすめです。
月曜日、会社に向かってしまえば楽になる
いよいよ月曜日。気に入った服を着ても、金曜に残してきた仕事に思いをはせても、夕方においしい予定を入れていても、気分が乗らないかもしれません。そんなときは、ドアに手をかけて外に出てみて。いったん始めたことは最後までやり遂げたくなるのも「ツァイガルニク効果」に由来する現象です。会社に向かってしまえば、ウソのように楽になることを知っている人も多いはずですよね。
身体に異常をきたすほどなら、次の月曜は会社ではなく病院へ行って!
5つのステップを踏んでも、どうしても会社に行く気になれないどころか、吐き気や動悸、頭痛がして出社できないという身体現象が現れたら、心がヘルプを求めている状態です。メンタル不調におちいってしまう前に、クリニックのドアを叩きましょう。メンタルヘルスのポータルサイト「こころの耳」が、「5分でできる職場のストレスセルフチェック」を無料提供しています(http://kokoro.mhlw.go.jp/check/)。ひとまず、自己診断を行ってみることをおすすめします。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:日本産業カウンセラー協会
参考 サラリーマン、日曜夜が最も憂鬱な気持ちに―米研究調査