月曜日のことを考えると日曜日の夜から憂鬱だという人は少なくないでしょう。でも、そうした感情は、ただの習慣から起こっているかもしれないことを知っていますか? 日曜日夜の憂鬱を解消するために平日にできることをまとめました。
- 4割以上の人が感じるブルーマンデー
- 曜日ごとの気分変動は要注意
- 「いま」に集中する
- 日常への注意を取り戻す3つ方法
4割以上の人が感じるブルーマンデー
月曜日が憂鬱だと感じる人は珍しくありません。「ブルーマンデー症候群」や「サザエさん症候群」など、この憂鬱に名前がついているほどです。日曜日放送の「サザエさん」を見ると、月曜日からの生活を思い出して憂鬱になるといった症状に共感した人も多く、多くのメディアで「サザエさん症候群」が取り上げられたこともありました。
オウチーノ総研の調査にとれば、日曜日の夜や月曜日の朝に、仕事を考えて憂鬱になる人の割合は、「いつもなる」が15.7%、「なることが多い」が27.1%となっています。つまり合わせて4割以上の人が、月曜日の憂鬱を感じているのです。
こうした感情と対として働くのが、週末への期待です。週末に向けてテンションが上がり、週末のために仕事を終わらせるといった人もいるかもしれません。そうした人に考えてもらいたいのが、「先週の週末をどんな風に過ごしたのか?」ということです。あなたは、その週末が楽しかったですか?
じつは楽しみだと感じているのに、実際の週末は面白くなかったという人も少なくないでしょう。家族サービスに追われた人や家事にほとんどの時間を費やした人もいるかもしれません。それなのに日曜日の夜には憂鬱になり、金曜日には週末が楽しみになる。それは習慣的な思い込みかもしれません。
曜日ごとの気分変動は要注意
特定の曜日に決まった仕事内容をこなす必要がある人もいるでしょう。水曜日の会議や金曜日の週報といったパターンです。こうした周期的な仕事は、仕事へのモチベーションに影響する場合があります。
例えば水曜日の会議が憂鬱だから、なんとなく水曜日はテンションが上がらないといったケースです。しかし実際の会議内容を考えてみると、それほどテンションを下げる要素がないことに気付いたりしませんか? 憂鬱な月曜日や楽しみな週末と同じように、曜日が持っているイメージがテンションに影響しているというわけです。
曜日とテンションに関連性があると感じたら、まず試してみたいのが曜日ごとに決まっている行動を確認することです。仕事でもプライベートでも曜日ごとに習慣化している行動を書き出し、その時にどんな気持ちを抱くのかを考えてみましょう。そうやって考えてみると、あまり気にしていなかった習慣が気分に影響を与えていたことがわかるかもしれません。
「いま」に集中する
曜日ごとの習慣は、生活にリズムを与えます。一方で、実際とは違うイメージを私たちの心に植えつけている可能性があるのです。マイアミ大学の研究チームによれば、習慣と気分が連動してしまう人は、実際の行動にあまり注意を払っていない可能性があるそうです。
寝ぼけていても、歯磨きを終えることはできるでしょう。習慣的な行動は脳が活発に動かなくても実行できることは脳科学で明らかになっています。これは脳の「省エネ」には貢献していますが、モチベーションなどの低下につながる可能性があります。
グーグル社で大きな成果をあげたマインドフルネス(瞑想)は、いまやっていることに集中する訓練ともいえるものです。マインドフルネスを実行することで、ストレスへの耐性が上がり、気持ちも安定すると言われています。また集中力や創造性もアップすると言われています。
実際の行動と関係なく、何となく曜日のイメージでテンションやモチベーションが上下してしまう人は、日常生活への注意を取り戻してみましょう。
日常への注意を取り戻す3つ方法
何となく月曜日が憂鬱だなと感じても、先週の月曜日は意外にバリバリ仕事ができたなと思えれば、ブルーマンデーに陥ることもなくなります。そこで日々の生活への注意を取り戻すために、次の3つ方法を試してみましょう。
①マインドフルネスを試す
続けることが難しいと言われているマインドフルネスですが、効果はさまざまな形で確認されています。ボーと暮らすのではなく、しっかりと日々の行動に注意を払って生活するようになれば、気分の変動やモチベーションの減退にも効果を発揮してくれるでしょう。
②より難しい仕事の課題に挑む
何となく仕事をこせるのは、それが注意を払わなくてもいいルーチンワークになっているからです。そうした仕事の精度を意図的に上げることで、脳に刺激を与えてみましょう。わざわざ仕事を大変にしていると感じるかもしれませんが、難易度が上がれば、それに向けてモチベーションも上がっていきます。新しい発見があれば、ワクワクすることも増えるでしょう。
③曜日ごとのルーチンを壊す
木曜日にスポーツジムに行くといった曜日ごとのルーチンを変えてみましょう。週末にお酒を飲むのではなく、水曜日に飲んでみるといったことも有効です。決まりきった日常に変化を与えてみましょう。
今日は月曜日の憂鬱の背景にある日常生活への不注意について解説しました。少し遠回りに思えるかもしれませんが、日々の生活を活性化するためにも活用してみてください。
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:「3 Ways to Make the Most of Each and Every Day」(Susan Krauss Whitbourne Ph.D./Psychology Today)