無理なく断る4つの方法と自分の心を乱さない2つの姿勢

社内の苦手な人に気分を左右されてしまうことはありませんか?でも、そんな反応の仕方は自分にとって大きなマイナスです。自分の気持ちを落ち込ませるような人への対処法を紹介しましょう。

  • 自分の領域に踏み込んでくる人に
  • 気持ちよく断る4つの方法
  • 自分の力を手放さないために

自分の領域に踏み込んでくる人に

自分の生活にズカズカと踏み込んでくる人に、怒りを感じていたりしませんか?あるいはその人の仕事なのに、自分に振ってこようとする人、自分のグチだけを長々と話してくる人などなど。気分の悪い人は少なくありません。

それでもプライベートなら距離を置きやすいのですが、職場だと断りにくいだけに被害を受けることも……。

サイコセラピストであるエイミー・モーリンは、『メンタルが強い人がやめた13の習慣」(講談社)の中で、自分の感情や行動が他人に支配される状況について、次のように述べています。

「自分の力を手放さないこと、それは、周りの人や状況がどうであれ、自分自身と自分の選択に自信を持つことだ。人に嫌われたくなくてはっきり言えない人は多い。心理的にも物理的にも人の間に健全な境界線を引いていないなら、自分の力を他人に譲り渡す危険を冒している」

実際、自分の領域に侵入して、感情を逆なでられることによって、次のようなマイナスがあると指摘しています。

・自分の感情を他人に支配される
・自分の価値を他人に決められる
・無気力感から真の問題に取り組まなくなる
・他人を責めるようになる
・自分の目標を見失う。

かなり大きな影響ですね。
自分のメンタルを蝕む職場の人間には、しっかり対処すべきでしょう。

気持ちよく断る4つの方法

とはいえ職場だけに距離を置くのも難しいと考える人も多いでしょう。そこで、まず頼まれ事をかわすコミュニケーション手法を紹介しましょう。

①代案の提示
例えば「忙しくて手が付けられないから、この書類を明日までにお願い」と言われたとしましょう。そのまま「ハイ」と言えば、交渉の余地はありません。でも、「今日明日は忙しいから週末までならどうですか?」と、自分の都合に合わせて要求を変化させる方法もあります。
いわゆる条件闘争ですが、そのまま受け入れるよりは自らの負担は軽くなるとのことです。

②ゲート―キーパーに断らせる
「ゲートキーパー」は門番の意味です。自分から断るのではなく、門番に断ってもらうことで関係悪化を防ぎます。例えば①と同じようなお願いがきたときに、同僚の一人が「今日は私が仕事頼んでいるからダメ」と言ってくれれば、すんなりと断ることができます。
日常的に仕事を押し付ける先輩などには、上司や同僚に相談の上、さりげなく断ってもらうことで、自分の領域を守ることができます。

③優先順位をつけて譲歩を迫る
複数の譲歩を要求してくる相手には、優先順位を付けて対処しましょう。取引先でスケジュールや予算、商品数など要求された場合、先にのめる内容をのんでから相手に譲歩を迫ると交渉がしやすくなります。こちらが先に譲歩することで、相手もそれなりに譲歩する必要があるという心理的負債を利用した交渉術です。

④同じような内容を依頼
この手法は①と似ていますが、結果はかなり違ってきます。
例えば「忙しくて手が付けられないから、この書類を明日までにお願い」と言われたときに、「いいですよ!では、替わりにこちらの仕事をお願いします」と、奪われる時間分の仕事を頼むのです。もし相手が「時間がないから頼んでいるのに」と言われたら、「すみません。私も時間がないので……」と答えましょう。
譲歩して受けるのではなく、同じ程度を相手に依頼するという手法は、きっぱり断るよりはるかにソフトです。

自分の力を手放さないために

自分の領域に侵入してくる人に距離を取ってスッキリ解決といきたいところですが、ある程度距離を置くことに成功しても、完全に目の前から消えていなくなるということは、なかなか難しいでしょう。

そんなときには、自分の心を乱されないために、いくつかの自らの姿勢を変える必要があります。『メンタルが強い人がやめた13の習慣』から2つ紹介しましょう。

①被害者ワードを使わない
「○○のせいで~」「〇〇が私を~させる」「~しなくてはならない」といった自らの力を手放すような言葉は使わないようにしましょう。
「部長のせいで失敗した」「同僚が私を怒らせる」「あの子の仕事もやらなくちゃいけない」。こうしたセリフは自分が状況を改善できない立場からのものです。しかし実際には、自分で改善できることはあります。失敗は自分にも責任があり、怒ったのは自分だし、本当に仕事を肩代わりする必要があったのかどうかはわかりません。
自分の力を手放したことを前提にした言葉を、なるべく使わないようにしましょう。

②許す
相手に怒り、恨みを募らせることはマイナスに働きます。それ自体が大きなストレスになるのです。こうした状況を改善するためには、許すことも必要になります。怒らないことで、自分の力を取り戻すこともできるのです。

コミュニケーションスキルを向上したい方はこちらをご覧ください。

参考:『メンタルが強い人がやめた13の習慣』(エイミー・モーリン 著/講談社)/『小心者でもさらりとかわせる「断る」心理テクニック』(内藤誼人 著/ゴマブックス)

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