シックスハット法って?多様な視点を持つことのできる簡単な方法

ビジネスシーンで課題の解決法がわからず、何日も胃の痛い思いをしたことがありませんか。自分の視点とは違う観点からモノを見ることで、あっさり問題が解決してしまうことがあります。シックスハット法で、多様な視点から思考する癖をつけてみてはいかがでしょう。

  • シックスハット法とは、6つの観点からモノを考えることで解決法を導き出す手法
  • 6つの帽子、それぞれの役割
  • 6つの帽子の使い方
  • シックスハット法を会議で使う
  • シックスハット法を一人で使う
  • さまざまなシーンで、多彩な帽子をかぶろう

シックスハット法とは、6つの観点からモノを考えることで解決法を導き出す手法

シックスハット法とは、心理学者であり医師でもあるエドワード・デボノが提唱した思考法です。6色の帽子を次々にかぶることをイメージし、主眼の違う6つの観点からものを考えることで、問題解決法を導き出す手法を指します。新しいアイディアを得たいときにも、シックスハット法は向いています。

シックスハット法を用いることにより、IBM研究所の幹部出身の研究者は「会議の時間が四分の一になった」と証言しています。また、ノルウェーのスタトイル社では、油田の採掘装置に多大なコストがかかり頭を悩ませていましたが、シックスハット法を利用したところ、12分でコストの問題は解消してしまったとのことです。

6つの帽子、それぞれの役割

デボノ氏が提唱する「6色の帽子」とは、以下のようなものです。

・白い帽子

 白は中立で客観的な色であることから、事実やデータを大事にする視点を表す。

・赤い帽子

 赤は怒りや情熱をイメージさせることから、感情的な視点を表す。

・黒い帽子

 黒は思慮深いイメージを与えることから、警戒や注意を促し、考え方の弱点を指摘する。

・黄色い帽子

 黄色は明るいイメージがある。楽観的な考え方を表す。

・緑の帽子

 緑は植物の芽生えをイメージさせる。新たな視点や創造性を表す。

・青の帽子

青は沈着冷静なイメージがあるとともに、全てを超越する「空」を思わせる。調整役やプロセス構成、他の帽子の使い方を統制する働きがある。

6つの帽子の使い方

6つの帽子の使い方について、デボノ氏は著書『6つの帽子思考法』の中でこう説いています。

“このメソッドを実践する時には〝決して〟帽子の機能でなく、「色」を 口に出すことが 重要だ。誰かに何か印象に残った事を言葉で表現するように求めたとしても、その人の誠実  答えを期待することは難しいかもしれない。というのは、人は自分の心になかなか正直に なれないからだ。しかし、「今の気持ちは赤い帽子」という表現を用いれば、率直な気持ち を示すことになる。また、「今すぐ黒い帽子を脱ぎなさい」と誰かに求めることは、その人 に「警戒心を解きなさい」というより、ずっとソフトかもしれない。”

出典元:『6つの帽子思考法 ――視点を変えると会議も変わる』エドワード デボノ著、パンローリング

つまり、会議や自分の頭の中で思考しているときに「次はあくまで客観的な視点から考えてみよう」などといわず、「次は白い帽子をかぶろう」と述べたり思ったりするだけで、共有される色のイメージからたやすく共通した視点からの思考が可能になるというわけです。

シックスハット法を会議で使う

シックスハット法を会議で使うときは、2つの使い道があります。1つめが、各自にさまざまな色の帽子を割り当てる方法です。白い帽子をかぶりなさいと言われた人は、「客観的な意見」担当となります。それぞれの視点を各自に役割として割り当てることで、会議のいかなる場面でも、さまざまな気づきからの意見が期待できます。

もうひとつが、時間によって全員が同じ色の帽子をかぶる方法です。「これから10分間は、全員赤い帽子をかぶってください」と言われたら、「このデザインはかっこいい」「ダサい」「感動する」「不満がある」など、感情的な意見だけを述べるようにします。それぞれの視点からの思考を、全員で集中して突き詰めることができます。

シックスハット法を一人で使う

シックスハット法を一人で使うなら、ただ考えるだけでは頭が混乱してしまいます。必ずメモを取りながら思考を行いましょう。「赤の意見」「緑の意見」などと分けて書き込み、それぞれの意見の利点や欠点をすくい取り、どんな手が最適かを導き出します。

意見を出し切ったら、メモを俯瞰して見つめてみて。どの意見が妥当かわかるはずです。

さまざまなシーンで、多彩な帽子をかぶろう

シックスハット法で、一つの課題をさまざまな視点から観察する癖をつければ、さまざまなシーンで役立つでしょう。それは会社に限らず、家庭でも同じことです。

ついつい夫婦や親子でケンカをしそうになったときは、自分や相手が赤い帽子をかぶっていると想像してみて。そして、すぐに青や緑の帽子をかぶり直せば、きっと冷静になれます。最後には、お互いに黄色い帽子をかぶって「我が家は何があっても大丈夫!」と、笑い飛ばせますように。

コミュニケーションや聴くスキルに興味のある方はこちらをご覧ください。

参考:『6つの帽子思考法 ――視点を変えると会議も変わる』エドワード デボノ著、パンローリング/『入社1年目で知っておきたいクリティカルシンキングの教科書』山中英嗣、PHP研究所

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