就業規則は、字も細かいし、分厚いし、なんだか読む気をなくしてしまいますよね。でも、これからあなたが働くにあたって、一番重要なことが書かれてある書類です。内容を把握していないと、知らぬ間に権利を放棄してしまうことになるかもしれません。とくにチェックすべき項目について解説します。
- 就業規則、読んでますか?
- チェックすべきなのはこの6つ
- 有給休暇、育休、産休、介護休暇は規則になくても取得できる
就業規則、読んでますか?
希望の会社に転職が決まると「これからしばらくは、認めてもらえるよう頑張らないと」と決意を新たにしませんか。新人なんだから、残業もいやといわないで、まずは会社にとって有用な人材と認識されなければ……。張り切る気持ちはわかりますが、入社してまず確認すべきは就業規則内の労働条件です!
就業規則をチェックして必要なことが書かれていなかったり、あいまいな記述な箇所があったら、きちんと上司や総務、労務に確認してください。「新入社員なのになんだかうるさいと思われたらいやだし、まあいいか」と考えていると、後々問題になる可能性もあります。初めに確認しておくことが大切です。
チェックすべきなのはこの6つ
就業規則の中でも、しっかり把握しておかなければならない労働条件にまつわる事項は、次の通りです。
・所定労働時間
いわゆる「定時」がいつかを知らせる項目が所定労働時間です。始業・終業時間、休憩時間、一週間当たりの所定労働時間が記載されています。面接時の説明や、実際に働いてみての実態とあっているでしょうか。
・休日
土日祝日、夏休みや冬休みなど、休日に関する定めが記載されています。振替休日に関する定めが併記されていることもあります。
・賃金構成
基本給と残業代、そして各種手当に関する賃金構成が記載されています。業務開始時に取り交わした労働契約書と照らし合わせて毎月の給与を計算すると、残業代や手当がきちんと支払われているかどうかがわかります。
・残業代
「時間外労働について」あるいは「割増賃金」といった項目には、残業代についての定めが記載されています。会社が定める割増賃金は、労働法が定める最低条件を上回ることが多いものです。しっかり確認しておきましょう。
また、とくにみなし残業制を採用した賃金構造になっている人は、残業代についてチェックをしてみてください。みなし残業代とは、「給与に月20時間の残業代を含む」といった形で、給与にあらかじめ一定の時間分が含まれている残業代をいいます。
みなし残業分が「月20時間」と定められていれば、20時間を超えた残業をした月は、残りの残業代が支払われなければなりません。また、残業が20時間を超えなかった月は、その分が給与から差し引かれることはありません。多めに残業しているのに追加の残業代が支払われないときは、就業規則や労働契約書に従って、残業代を請求できます。
・家族手当など、各種手当
就業規則には、各種手当についても記載されています。もしかしたら、この先手当てがもらえるような状況になっても、誰も教えてくれないかもしれません。自分で確認して、請求できるようにしておきましょう。
・賞与規定
いわゆるボーナスの規定です。定めがないこともありますが、もし記載されている場合は、面接時に受けた賞与についての説明と食い違いがないか確認しておきましょう。
有給休暇、育休、産休、介護休暇は規則になくても取得できる
就業規則には、これらのほかにもさまざまな定めが記載されています。しかし、会社が定めた休日以外の休暇については、記載されていないこともあるでしょう。しかし、有給休暇、育休、産休、介護休暇といった休暇は、就業規則になくても労働法などの定めによって取得できるものです。
「規定がないから、介護休暇は取得できないのだ」と思いこみ、あきらめる必要はありません。労働法に定められた各種休暇は労働者の当然の権利なので、必要が生じた場合は雇用主に相談しましょう。あくまで自分と家族の生活満足度を高めるために仕事があるのだということを、忘れてはなりません。