悩み続けても解決法が見つけられないときもあるでしょう。そのときに悩むことをやめようと思えるかどうかは、とても重要です。解決できないそうにもない悩みを抱え続けることは、自分だけではなく、周りにもよくない影響を及ぼすからです。
- どうして悩み続けてしまうの?
- コントロールしたい人が起こしやすい問題って
- 4つの対処法
どうして悩み続けてしまうの?
そもそも解決できないことがわかっているのに、悩み続けてしまうのはどうしてでしょう。「悩んでも仕方ないか」と切り替えができない理由の一つは、自分で対処できると考えるからです。心の底から自分では対処のしようがないと思えば、そこまで悩みは深くならないからです。
では、どんな人が解決できない問題を悩み続けやすいのでしょうか?
・厳しい状況でも、「すべて一人で解決できる」と思いがちだ
・結果は努力次第だと思っている
・失敗は自分一人のせいだと考えやすい
・人に仕事を任せられない
・支配欲が強いと、人から指摘されたことがある
上記の5つが自分に当てはまるなと思ったら要注意です。
心理学には、「Locus of control(ローカス・オブ・コントロール)」、「統制の所在」と訳される概念があります。行動や評価の原因がどこにあるのかに焦点を当てるもので、「自分自身の能力や努力」と考えるタイプと「外的要因」と考えるタイプに分かれます。どうにもならないことを悩み続ける人は、「自分自身の能力や努力」に原因を求めるタイプの人が多いのです。
一般的には、このタイプの人は、「外的要因」を問題の原因と考えるタイプの人より、自己肯定感や自己効力感が高く、社会的にも成功する可能性が高いと言われています。どんな状況でも努力し続け対処しようとする人が成功しやすいのは、考えれば当たり前でしょう。
ただし、すべてを自分がコントロールできると考えるようになると問題が発生します。
コントロールしたい人が起こしやすい問題って
自分ですべてをコントロールしたがる人が引き起こしやすい問題をまとめてみましょう。
・不安が増す
不安があるとき、それを解消しようとして動いて失敗すると、自分の能力を疑い始めます。自分がコントロールできない物事があることを認めなければ、どんどん不安がつのってしまうのです。
・人間関係が悪化する
自分に厳しい人は、他人も厳しくなりがちです。まして、すべてをコントロールしないと気に食わないタイプの人は、他人も自分の思い通りに動かそうとしてしまいます。それが人間関係を悪化させることは、言うまでもないでしょう。
・どんどん自分を責めてしまう
成功も失敗も努力の賜物だと思っている人は、失敗は努力が足りないからだと考えがちです。そのため失敗が続くと、自分を責めてしまいようになりがちです。
「自分自身の能力や努力」が原因と考えるのをやめる必要はありません。プラスの面もたくさんあるからです。ただ、すべてをコントロールできると考えると、上記のような問題が起きてしまう可能性があることを認識しましょう。
4つの対処法
では、解決できない悩みを解消する方法を紹介しましょう。
①不安を明らかにする
悩みの裏側に不安があることは少なくありません。不安の正体がわかると、どうしようもないとあきらめることができる可能性が高まります。「あとで挽回すればいいや」などと思えれば大成功です。
正体がわかっても不安が解消できないようなら、紙に不安を書いて燃やし、不安を手放してみましょう。
②人を支配しない
悩みが他人の行動にあるのなら、それを自分の思い通りに改めさせるのではなく、影響を及ぼすようにしてみましょう。具体的には以下のようなことです。
・まず相手の話を聴いてみる
・意見と懸念点を1回だけ伝える
・相手が行動を変えやすいように、自分の行動を改める
他人の行動をコントロールすることは不可能です。だからこそ相手の言い分も聞き、互いに歩み寄れる方向性を探すことが重要になります。そうすることで相手の行動が変わる可能性も高くなります。
③受け入れる訓練をする
現在の悩みが受け入れられないなら、日々の問題を「仕方ない」と受け入れる努力をしてみましょう。例えば「交通渋滞は仕方ない」とイライラするのをやめて音楽を聴いたり、上司が意地悪なことも「そんな性格なのだ」と受け入れてみましょう。どうしようもできないこともあると思えることが増えれば、自分の心を占めている悩みへのとらわれも減っていくでしょう。
④悩みに距離を置いてみる
心の中で距離を置くだけではなく、職場での悩みが深いなら転職してみるといった方法もあります。悩みから距離を置く方法がないか考えてみましょう。
心理がを活用したライフハックに興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:日本産業カウンセラー協会
参考:『メンタルが強い人がやめた13の習慣』(エイミー・モーリン/講談社)