何となく退屈で気づいたらネットに繋いでいたということはありませんか? そんな時間が極端に増えていたら要注意。心が発している危険信号を、見直してみませんか?
- 「痛み」に取り組む
- ジャーナリングでパターンを発見する
- 毎日最低1つは楽しいことをする
- ちょっと冒険をしてみる
- ネットでの時間つぶしを自分に許可する
「痛み」に取り組む
時間潰しとしてネットを利用するのは、自然なことでしょう。実際、電車などでもほとんどの人が携帯を見ています。
しかしプライベートの時間に携帯やPCを見ている時間が極端に増えたと感じたり、使用時間があまりにも多いと感じたら、その原因を考えてみてはいかがでしょうか? というのもネットへの没入が何らかのサインになっている可能性があるからです。
さて、そんなときは、次の質問に答えてみてください。
質問①ネットを見ていると不安や悲しみ、怒りを忘れることができますか?
質問②心が不安定なとき、現実逃避をしたくてネットを利用していませんか?
この2つの質問に、どちらも「はい」と答えた人は、自分の生活を少し見直してみる必要があるかもしれません。退屈で何となく利用していると思っていたネットが、心の痛みをごまかすために使っているケースがあるからです。
医療機関で働くポーラ・ダーロフスキー博士は、無力感、怒り、悲しみ、不安、恐れなどの『痛みを伴う感情』は、何かが間違っていると私たちに告げる合図だからこそ重要なのだと語っています。そして自ら「痛み」に取り組まないと、自分らしい豊かな生活を送ることが難しくなるそうです。
しかも自分の心の痛みをネットなどでごまかし続けると、自己変革する最適な時を逃してしまうかもしれないのです。
上記の質問①②ともに「はい」と答えた人のために、自己改革につながるヒントを4つ紹介しましょう。
①ジャーナリングでパターンを発見する
1日15分、思いつくままに気持ちを書いていくジャーナリングは「書く瞑想と」も呼ばれ、心理的な安定などにも効果があるとされています。このジャーナリングをつかって、「痛み」を感じるパターンを探っていくことを、ポーラ・ダーロフスキー博士は推奨しています。
1週間に1回でもいいので、どんなことがあって、どんな気持ちになり、どんな行動を取ったのかを追跡していくと、落込む原因やその解消法が明らかになってきます。心が打撃を受けていることを知るだけでも、大きな進歩ですが、そうした「痛み」を回避する方法を考えたりすると、さらに行動も気持ちも変わってくるかもしれません。
ジャーナリングをしても、どうも自分の行動パターンが見えないという人は、古川武士氏が提唱するジャーナリングの方法もお勧めです。それはつぎのような手順です。
1.1日の中で感情が落ち込み、エネルギーが下がった事柄を書き出す
2.1日の中で感情が盛り上がり、エネルギーが上がったと感じた事柄を書き出す
3.エネルギーの下がったことについて感情のままに書く
4.エネルギーが上がったことについて感情のままに書く
5.月1回、書いたものを振り返る
気分を上げたものと下げたものを書き出すことで、感情と行動の関連性を捉えやすくなるでしょう。
②毎日最低1つは楽しいことをする
楽しいなと感じることで、前向きな気持ちが生まれていきます。だからこそ、ワクワクすることや純粋に楽しいと感じることを、毎日実行してください。ウキウキした気持ちを思い出すことで、自分のやりたいことが明確になってくるかもしれません。
③ちょっと冒険をしてみる
退屈で快適な場は、ときに成長の機会を奪ってしまいます。生活の中でいつもと違う方法、ちょっと冒険だなと感じることを試して、自分を刺激しましょう。
④ネットでの時間つぶしを自分に許可する
いつも生産的な時間を過ごせるわけではありません。ただの時間つぶしも必要でしょう。そうした時間に必要以上の罪悪感を抱く必要はありません。自分が納得できる範囲まで使用時間を減らせたなら、ネットに触れる時間を自ら許可して、心置きなく楽しめるようにしましょう。
スマホが示す使用時間の多さに驚くことも多いでしょう。それが尋常ではないなと感じたら、少しだけ自分の生活を見直してみるのもいいかもしれませんね。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『書く瞑想――1日15分、紙に書き出すと頭と心が整理される』(古川武士/ダイヤモンド社)/「Scrolling and Boredom: A Complicated Combination」(Paula Durlofsky, Ph.D./Psychology Today )