つい「大丈夫」と言ってしまうことはないですか? 折れそうな自分を言葉で支えるように、つい強がってしまう。しかし、その強がりが問題を悪化させているのかもしれません。今日は強がりについて考えてみます。
- 弱さはみせてもいい
- 弱さが人を惹きつける
- 自分の目標をみつける
弱さはみせてもいい
多くの人は現状に満足していません。もちろん現状に甘んじることなく、成長を目指すことは大切です。しかし周りにも弱みを見せることなく、「大丈夫だよ」「順調です」と繰りかえし、その状態に息苦しさを感じるようなら要注意です。
強がりの裏側にはプライドがあるとは、よく言われることです。プライドが高くて、負けたくなくて、少し上に立ちたいという気持ちが弱さを見せない行動へと繋がってしまいます。
また、人は自分以外の人はうまくやっていると思いがちです。しかしほとんどの人はうまくいかない現実と、どうにか折り合いをつけながら暮らしているもの。完璧に物事をこなしている人の方が珍しいのです。自分も肩の力を抜いて、弱い部分をさらけ出してみてはいかがでしょうか?
弱さが人を惹きつける
多くの人が勘違いしているポイントの一つに、弱さを他人に見せるべきではないといったものがあります。しかし、ヒューストン大学のブレネー・ブラウン教授は、人は他人の「傷つきやすさ」を知りたがるのだそうです。そして傷つきやすい自分をさらすことは、本当の自分を表に出すことにつながるので、人間関係を深めるのに役立つと結論づけています。
また、傷つくことに関連して、多くの人は2つの思い込みがあるそうです。
① 傷つきやすいのは気が弱いから
自分の「傷つきやすさ」を見せるのは、実際には勇気のいることです。しかし多くの人は、傷つきやすいのは、気が弱いからと思い込んでいます。
②傷つかないように気を付けるべきだ
傷つくことを避ける気持ちは誰にでもあるでしょう。しかしそうした気持ちが人付き合いを避ける方向に向かうのであれば問題です。むしろ傷つきやすいときの自分がどんな反応を示すのかを観察することが必要だと、『北欧スウェーデン式自分を大切にする生き方』に書いてあります。
傷つきやすいことをマイナスにとらえず、傷つくことからも逃げない。いわば自分の弱さと対峙するような姿勢は、強がりから自分を解き放ってくれます。無理に強がらなくなれば、自分の弱さを補ってくれる人材にも恵まれます。自分が完璧でないからこそ、よいチームが組めるというのも面白いと思いませんか?
自分の目標をみつける
強がりな人は、自分が望んでいないことを自分に強いてしまうことが少なくありません。そんな人におすすめしたいのが、「しなければならない」ことをすべて書き出して、自分で決めたものでなければ削除してみることです。
実際に書き出してみると、自分がさまざまなことをしなければならないと思い込んでいることに気づくでしょう。例えばダイエット。それは本当に自分がしなければと思ったものですか? 資格取得なども自分で思っていないことが含まれていたりします。
とにかくリストから自分で決めたもの以外をどんどん消してみましょう。残りのリストから、本当にやりたいことを見つけたら、それこそ本当の人生の目標です。周りへのアピールのためにやっている「しなければならないこと」から手を離し、自分が本来やるべき目標を進めるために、何をすればいいのかを考えてみましょう。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『北欧スウェーデン式自分を大切にする生き方』(マッツ・ビルマーク スーザン・ビルマーク/文響社)