一緒に生活していると、どうしても我慢できないと思ってしまうこともあるでしょう。結果、ケンカに発展してしまうことも……。そんなとき知っておきたいのがケンカしても、夫婦仲がこじれないテクニックです。
- ケンカで関係性を壊さないために
- 具体的な不満内容を示す
- 相手の非難を受け止める
- 誠実に対応する
- 自分の気持ちに素直になる
- 仲直りは自分から
ケンカで関係性を壊さないために
「ケンカするほど仲がいい」と言います。確かにケンカもコミュニケーションの一部です。妻や夫に期待しないようになると、腹が立っても無視するといった行動になりがちだからです。
ただし関係性を壊してしまわないように、ケンカする必要があります。というのも怒りに任せて言いたい事を口にするようだと、決定的に夫婦関係がこじれてしまう可能性があるからです。
そこでケンカをするなら、心理学者のゴレマンが指摘する次の4つのポイントに心に留めておきましょう。
①具体的な不満内容を示す
例えば家事分担を決めたはずなのにパートナーが守らないとき、「いつもあなたがしないから、結局私が掃除しているんだかけど!」と、具体的に言うのはOKです。しかし、これが人格などの攻撃に発展してしまうのはNGです。
例えば「おまえは本当にだらしないよね!」とか、「だから仕事だってうまくいかないんだ!」といったように、人格攻撃からほかに飛び火していくと、話はややこしくなります。
ケンカしているときは、互いにショック度の大きいことを言いたくなる心理が働きます。そのため相手が嫌がることを口にしたい衝動にかられるのです。その衝動に乗ってはいけません。
ケンカはあくまでも、具体的な不満にとどめるようにしましょう。
②相手の非難を受け止める
自分が不満を口にしたら、相手からも不満が出てくるもの。痛いところを突かれて、認めたくないがゆえに怒鳴り返すといったことも起こりがちです。しかし相手の非難は、まず受け止めるようにしましょう。
反論したくなるかもしれませんが、相手がそのように感じてしまっている事実は受け止めるようにします。ここで言い訳や反論を展開しようとすると、問題は複雑化しがちです。悔しいと感じるかもしれませんが、「それはそうかもしない」といった形で、相手の非難をいったん受け止めるようにしましょう。
またケンカが始まると、相手に不満を言う以上に「勝ちたくなる」なりがちです。そのため相手からの攻撃に、それ以上の攻撃を返したくなりますが、相手の非難を受け止めることができれば、ムダな「炎上」を防ぐことができます。
③誠実に対応する
相手の話をしっかりと聞くようにしましょう。感情的な不満が溜まっているからこそケンカは起こります。だからこそ相手の気持ちに対しては、誠実に対応する必要があります。感情を吐き出しさえすれば、約半数の人がスッキリするといった研究結果もあります。
ケンカのときは、気持ちをわかってほしいと互いに思っているもの。カッとなっても、相手の話をしっかり聞こうとする態度があれば、関係性が壊れるところまで発展しないでしょう。
④自分の気持ちに素直になる
自分の気持ちをしっかりと確認しましょう。いきなり怒鳴られて怒りがわいているなら、その気持ちにフタをせず、怒っていることは伝えましょう。また怒りの背景に寂しさや悲しさといった感情があるなら、そうした気持ちも相手に伝えましょう。
仲直りは自分から
ケンカは勝ち負けではありません。自分の気持ちの表現方法の一つです。だからこそケンカした後、互いに気持ちが落ち着いたら自分から謝ってみましょう。
そして謝るときに、相手の気持ちに理解や共感を寄せてみましょう。
「忙しいからと話を聞かなかったことで、寂しい思いをさせてしまったことはよくわかった」という一言があれば、ケンカを機により関係性を深めることができます。
またハーバード大学のクリスティン・ウェッブ氏が、仲直りにはウォーキングがいいという研究結果を発表しているので、「さっきはごめん。ちょっと散歩いかない」という誘い文句もお勧めです。
さらにケンカは散歩で解決するといった夫婦のルールを決めておけば、よりケンカを解決しやすくなります。
今日は夫婦ゲンカのやり方と仲直りの仕方についてまとめました。互いに不満が溜まって爆発することは、避けられないこともあるでしょう。ただケンカが離婚にまで発展しない方法もあるのです。
参考にしてみてください。
不安の心理について興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『人間関係の心理学』(齊藤勇/ナツメ社)/『世界最先端の研究が教える新事実 心理学BEST100』(内藤誼人/総合法令出版)