高い値段の商品ほど、 脳に快感をもたらす?

とんでもない高額の治療薬の効果が怪しいとメディアで騒がれることがあります。そうしてそんな高額の商品を買ってしまうのだろうと不思議に思う人もいるかもしれませんが、高額だからこそ効果がありそうだと思い込んでしまうといったこともあるようで……。

価格と気持ちについて、心理学的な側面から説明していきましょう。

  1. 薄毛に効くシャンプーは、どうやって選ぶ?
  2. 高い薬で脳神経伝達物質が放出
  3. 高いワインにも脳が反応
  4. 高額ブランドはより高い要求に応えければならない

薄毛に効くシャンプーは、どうやって選ぶ?

ダイエットや薄毛の改善に効果があるといわれる商品を選ぶとき、真剣に迷うことはありませんか?ちなみに筆者はあります!!

薄毛に効くシャンプーなどは、値段も種類もいろいろ。ドラッグストアーの棚で散々悩んだあげく、上から3つ目のぐらいの値段のシャンプーを購入することが良くあります。

このときシャンプーに書かれている薬効も読み比べるのですが、最後の決め手はなぜか値段になってしまいます。どれも効きそうだけれど、許される範囲で値段の高いシャンプーを買えばより効果が高いのでは!?そんな結論になってしまうのです。

値段で効果に違いがでるとも思えないと思いつつも続けてきた行動ですが、じつは意外に効いていたかも(見た目に変化はないけれど、もしかしたら進行を食い止めていたかも!?)ということが、心理学の本でわかりました。

高い薬で脳神経伝達物質が放出

デューク大学の行動経済学者ダン・アリエリー教授は、薬の値段が医療効果に影響があると確かめた人です。

彼のチームは、「ヴェラトンRX」の臨床テストと称して、効果のない錠剤を被験者に渡しました。臨床データとして、「この新薬を飲んだ患者の92%は10分でほぼ痛みが消えて、それが8時間継続した」という臨床データも教えました。

さらに1錠2ドル50セントであると告げて、電気ショックを受けてもらい、次に薬を飲んでから同じ電気ショックを受けてもらったそうです。すると、ほとんどの人が薬によって痛みが少なくなったと報告したのです。

ところが、この「ヴェラトンRX」が1錠10セントだと告げて実験したところ、痛みが軽減したと報告した人は半数にも満たない結果となりました。

つまりお金の多寡が薬の効果に影響したというわけです。

イタリアの脳学者ファブリツィオ・ベネデッティ氏は、偽薬の実験で脳内麻薬とも呼ばれる脳神経伝達物質の放出が促されることを確認しています。つまり今回の実験では、値段が高いことで脳神経伝達物質がより多く放出されたと考えられるのです。

この事実を知り、脳内伝達物質だけでなく、頭の毛細血管にも同様の作用が起きるなら、より高いシャンプーこそが薄毛を救う道になるかもしれないと思いました。しかし「偽薬における毛細血管の拡張」といった論文は、筆者の力では発見できませんでした。

残念!

高いワインにも脳が反応

値段による体感の違いを示した実験は、これだけではありません。

ヒルケ・ブラスマンとベルント・ヴェーバーによるワインの実験も面白いので紹介しておきましょう。

5種類のワインをすべて違う値段だと告げて、実験参加者にワインを試飲させました。ただし実際に用意したワインは3種類だけ。5ドルのワインが2度試飲に出され、5ドルと45ドルのワインとして提供されました。同じ要領で90ドルのワインは、10ドルのワインとしても出されました。

結果は予想通り、実験参加者は値段の高い方のワインを美味しいと評価したのです。

ただ、この実験が面白いのは、ここからでした。

脳スキャンによって、実験参加者が高いワインだと思ったときに喜びに関連する脳の領域が、より活発になったことが判明したのです。

つまり味以上に値段によって、脳がワインに酔ってしまったというわけです。

ただ、いずれにしても脳が喜びを感じたなら、嗜好品を味わうという意味では成功しているといえそうです。

高額ブランドはより高い要求に応えければならない

ならば、あらゆるものを高値に設定すれば、より喜ぶ人が増えるのかというと、コトはそう簡単ではありません。

高額ブランドになればなるほど、求める要求も上がっていくからです。小さな落ち度であっても、大きなクレームに発展しかねない危険性をはらんでいるのです。

高額ブランドの入り口で、ステキな男性や女性の店員が立っていることがありますが、あれも高額なブランドは最高のサービスを提供するものだというお客の思いに応えたものといえるでしょう。

商品は適正な価格で買うのが正しいと思いますが、脳が「喜ぶ」ために高額商品を購入するという楽しみも、この世の中にはあるようです。

関連記事

やる気がでない、グズグズ・クヨクヨしてしまう脳を変える4つの方法... やる気が出ない、クヨクヨと考えてしまうといった状態からどうすれば脱することができるのか、心理学的にも研究は進んでいます。しかし本日紹介したいのは、脳科学の分野からのアドバイスです。 脳がコントロールするホルモンで気持ちを変える 誰でもモチベーションが上がらないことはありますよね...
非常事態宣言の解除後に何を買う?幸福になるための4つのポイント... 新型コロナウイルスの蔓延は、まだ予断を許さない状況ではありますが、地域によっては解除されるという報道も出ています。そうなったとき、何にお金を使うと幸福に感じるのかを調べてみました。 夏には収まるという希望的観測も泥の中をはい回る経験を200万人以上が購入幸福につながる4つのポイント ...
「ゲシュタルト崩壊」ってなに?文字や図形でわかりやすく解説... 「ゲシュタルト崩壊」という単語をネットで見かけたことはありませんか? 「意味がわからなくなった」といった意味で使われていることが多いようですが、本当は不思議な知覚現象なのです。どんなものなのか、わかりやすく解説していきましょう。 見続けるとバラバラにまとまりと感じる法則 見続け...
自分の選択は本当に信用できますか?... 自分の選択に、どれだけ自信を持っていますか?しっかりとした理由のある好き・嫌いの感情は、ちょっとやそっとでは変えようがないと思っていませんか?そう思っている方に人間の選択理由は当てにならないという実験を紹介しましょう。 選んだ写真がすり替わっても気づかない脳はわかっている!?しっかり...
消費金額を左右する「心理的財布」って知ってる?... ファッションにはいくらでもお金を使うのに、食事はとことん出費を削っている人っていますよね。それは商品に対する「心理的財布」が違うからなのです。お金を出す価値観について解説します。 同じく1万円が無くなったのに?どの財布から1万円は出たのか?ヨットが最もお金を使いにくい学生と社会人で異...

働く人の心ラボは、働く人なら知っておきたい『心の仕組み』を解説するサイト。
すぐに応用できる心理学の知識が満載の記事を配信しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です