いつも小さなミスをしてしまう。
当然会社の先輩には怒られるし、気分はかなり憂鬱。
そんな時は、終わり良ければすべて良し!と吹き飛ばせるのです。冷水を使った心理実験の紹介です。
- 苦痛を味わうとしたら、60秒間もしくは90秒間、どっちを選ぶ?
- 大事なのは、途中経過ではなくピークとエンディング
- 寝る前に好きなことをするだけで、人生をプラスにできる!
苦痛を味わうとしたら、60秒間もしくは90秒間、どっちを選ぶ?
14度の水を入れた水槽があります。
実験の参加者たちは、2回ずつその水槽の中に片手を入れて冷やしました。
お風呂の温度が40度くらいなので、14度というと氷水ほどではありませんが、かなり冷たく苦痛を感じる温度です。
2回のうち1回目は60秒間片手を浸し、60秒を過ぎると水槽から手を出すように指示されて温かいタオルが渡されました。
雪の降る日にレストランに入って、温かいおしぼりを渡されたような感覚でしょうか。
2回目は、90秒間片手を浸しますが、先ほどと同じ60秒間を過ぎると温かい水が水槽に流し込まれます。
寒い日に外から自宅へ戻り、お湯で手を洗おうと思うもなかなかお湯が出てこなくて冷水で洗いようやくお湯が出てきた、みたいな感じかもしれません。
参加者には、この1回目の60秒パターンと2回目の90秒パターンをどちらも経験してもらいました。
それから、「もう一度冷水に片手を浸してもらいたい。どちらか一方のパターンを繰り返すことになるが、どちらにするかは自分で選んでください。」と問いかけました。
さて、実験の参加者たちは60秒と90秒どちらのパターンを選んだのでしょうか?
結果は60秒パターンよりも90秒パターンの方が苦痛は和らいだと報告した参加者の80%が、また90秒パターンを繰り返すことを選択したのです!
これって論理的に考えるとおかしな話ですよね?
だって実際には30秒も多く苦痛を味わうことになるからです。
でもなぜか、60秒よりも90秒パターンの方がマシだと思い込んでいたのです。
大事なのは、途中経過ではなくピークとエンディング
これを「ピークエンドの法則」といいます。
記憶に基づく評価はピーク時と終了時の苦痛の平均でほとんど決まるとされています。
ちなみに、持続時間はほとんど影響を及ぼさないというのです。
この冷水を用いた実験でいえば、最初の60秒間の苦痛のレベルは、どちらも同じです。
しかし、60秒パターンでは苦痛を受けている最中に実験が終了してしまいます。
一方、90秒パターンでは、終了時に少しだけ苦痛が和らいでいます。そのため、ピーク時と終了時の苦痛の平均では、90秒パターンの方が苦痛の評価は低くなるというわけなのです。
90秒パターンを選んだ参加者は、このピークエンドの法則に支配されてしまい、苦痛が長引く方をあえて選択してしまったのです。
寝る前に好きなことをするだけで、人生をプラスにできる!
ドラマを見ていて、途中まではすごく面白いと毎週楽しみに見ていたのに最終回のエンディングがすごく陳腐でがっかりしてしまったということ、ありませんか?
逆に、途中はそれほど面白くなかったけれど、エンディングが感動的でいつまでも心に残っているということもありますよね。
私たちは、生活の中でも《終わり良ければすべて良し》に基づいて行動しているということです。
厳しくて苦しい練習が続く部活動も、学生最後の大会で優勝すれば最高の思い出として一生記憶に残り続けます。
だから仕事で毎日のようにミスを注意され続けていたとしても、成績を上げた日には自分はもちろん、みんなの記憶にも「できなかったお前がこんなに成長するなんて……。よくやったぞ!」とデキる人以上に評価され語り継がれていくはずです!
今がどんなに辛くても今がどんなに嫌な毎日でも、ピークとエンドを最高のものにすることで自分の人生は自分の力でプラスに切り拓いていけるのです!
仕事帰りに好きなお酒を飲んだり、自宅に帰ってお風呂でのんびりしたりするのも「今日もいい一日だったな」と自然にプラスに思える行動を、みんな無意識に取っているのかもしれませんね!