うわぁ、あの人なんかイヤだ…。嫌いな上司や取引先の担当者によって、仕事が憂鬱になったり、ストレスがたまったりしていませんか。 心理学の知識でそんな状態から脱しましょう。
- 好きな人と嫌いな人の違い
- 好き嫌いのポイントは心理実験が解き明かしている!
- 「嫌い」の度合いを下げるためにしてほしい2つの行動
- ストレスなく仕事をするためにやっておくべきこと
好きな人と嫌いな人の違い
同僚でも上司でも、親しい友人でも、あなたの周りにいてあなたが好意を持っている人を思い浮かべてみて下さい。
その人たちは、あなたと同じような態度を取ったり、同じような価値観を持っていたりしませんか?
最近では、フェイスブック、ツイッターやインスタグラムなどのSNSの流行で、知り合いではないけれど、たまたま自分が好きなものが共通している相手に好意を抱き、フォローしたりコメントしたりすることも当たり前になっています。
バックグラウンドも何も知らなくても、好きなものが共通している相手のことは警戒心もなく好きになれるのです。
でもその反対に、会社に嫌いと思っている上司がいたら……。SNSのようにブロックしたい! と思ってもできないのが現実。
あなたから見たその上司は、あなたとは全く違う価値観で、言われることも全然納得できないし、そもそも何を考えているのか全く分からないと思っていませんか?
では、どうすれば嫌いな人に苛立たなくなるのでしょうか?
好き嫌いのポイントは心理実験が解き明かしている!
私たちは何となく好き嫌いを決めているように感じますが、そこには一定の法則があります。
心理学者のバーンとネルソンは、好感度の調査をしました。
まず168人の実験参加者に、SF小説、社会福祉法、家庭園芸、子どものしつけなどへの考え方を、アンケート調査します。
結果、同じような考え方の項目が多い人ほど、好感度も高くなることがわかりました。
例えば、SF小説の評価や家庭菜園に対する考え方でも、同じような考えの人に惹かれてしまうのです。
そして、この実験の大きなポイントの1つは、好感度を「好意の度合い」と「一緒に仕事をするときの受容度」で調べたことです。つまり同じように考えられるものがあればあるほど、一緒に仕事することも苦痛ではなくなる可能性が高いというわけです。
そしてもう1つのポイントは、人への好意が類似する考え方の数ではなく、どれくらいの「割合」で一致しているかで決定されていることです。
「嫌い」の度合いを下げるためにしてほしい2つの行動
あなたが今嫌いだと思っている上司は、あなたと違うところばかりが目に付いているのではないでしょうか。
意見が違うので互いに何を考えているのかもわからず、相手の気になるポイントもわからず地雷を踏んでしまうため、嫌な気持ちがどんどん膨れ上がっているかもしれません。
①自分と嫌いな人の似ているところを探す
まず、最初にやるべきことは、似ているところ探しです。
ささいなことで構いません。昼食は「しょうが焼き定食」を食べる割合が多いとか、コーヒーより日本茶が好きだとか、ネクタイの趣味だけは合うなどなど、仕事に関係なくても大丈夫です。
思い出してください!家庭菜園の考え方の一致でさえ、一致していたら相手の好感度が高まるのです!
簡単に似ている部分が見つからなければ、あえてほとんどの人に共通するところから、自分と嫌いな相手の似たところ探しをしてみてください。
会社員なら「スーツの色が一緒だな」「髪の毛の色は黒で一緒だな」とかいったところでもいいでしょう。
②似ている部分の割合の変化を考える
似ている部分がゼロだと考えていたところから比べて、嫌な気持ちが少しでも減ってきたことを実感してみてください。嫌いな気持ちを点数化して、数値が変わったことを実感するのもいいかもしれません。
価値観の合う人への好感度が高くなったり、受容しやすくなるのは、次のような理由からだと言われています。
1)自分の考えの正しさが確認できるため安心感が得られる
2)相手の理解が容易であるため衝突することが少ない
3)相手を自分と一体的に感じやすくなり自己愛的なものが生まれる
つまり相手との接点を見つけようと、相手のことを考えれば嫌いな上司への理解が進み、衝突が少なくなる可能性があります。考え方には賛同できないけれど、地雷は踏まずに仕事はできる。そんな方向に進むためにも、似た点を見つけるのは有効でしょう。
ストレスなく仕事をするためにやっておくべきこと
取引先の担当者の場合はどうしたらよいでしょうか。取引先の担当者に好かれるのは大切なことですが、普通に訪ねて行くだけではすべての人と気が合うというわけにはいかないでしょう。だからこそ相手のことをHPやSNSでしっかり下調べして、自分との共通点を見つけてから会いに行ってみませんか?
相手から好かれたいと思うなら、相手と共通項が多いようにアピールすればいいでしょう。そして意見などが大きく食い違わないように注意します。
例えば、相手が好きなブランドの服を着て行く、「あそこの店おいしいですよね」など自分から共通の話題を振ってみる。
少しあざとい気もしますが、そうやって調べることで自分がその相手に興味を持ち、より多くの共通項を見つけることができればストレスなく仕事ができる可能性が高まります。
少なくとも、嫌いになったり、嫌われたりする可能性は低くなるでしょう。
ぜひ、似ているところ探しでストレスを減らし、成果も出してみてくださいね!