バレても気にしない!ちょっとした不正が止められない理由

最近高額の横領事件がニュースで取り上げられています。自分には関係ない、と思ったあなた!ちょっと待ってください!実はあなたが当事者になる可能性があるかもしれないのです。ごまかしについての興味深い実験をご紹介します。

  1. 不正行為、どこから不正になる?
  2. 優秀で正直な人でも、ウソをつく?
  3. どんな人でもついてしまう、小さなウソ
  4. 危険を顧みない小さなウソが、命取りに

不正行為、どこから不正になる?

不正行為というと、重大犯罪のような響きを持っていますが、もしかしたらあなたもその不正行為を日常的に行っているかもしれません。

例えば、会社の備品。使っているうちに家に持ち帰ってしまったペン。会社に返そうかな、と一瞬思ったけれどまぁいっか、とそのまま自宅で使用していたり。あるいは営業で歩いて移動したけれど、交通費を経費として請求した。これらは金額にしてみれば100〜200円程度の小さなごまかし。

でも、これがバレたら?

今まで築き上げてきた社内での信頼関係を一気に打ち崩してしまう横領事件へと発展してしまう可能性があるのです。

そんな人に知っていただきたいのが、ごまかしに関する心理実験です。

優秀で正直な人でも、ウソをつく?

アメリカの財界の最高指導者を養成する学校として名高いハーバード・ビジネス・スクールで、人がどれくらいのごまかしをするかという実験が行われました。被験者は、ハーバードの学部生とMBA学生のグループです。

1番目の学生グループは、一般教養テストを受け問題を解いた後、答えを作業用紙からマークシート式の提出用紙に書き写してその場にいる試験監督に提出し、正答一問につき10セントが与えられます。

2番目の学生グループも同じ一般教養テストを受けますが、提出用のマークシートには予め正答に何らかの印が入ったものを用意しました。つまり、作業用紙の自分の答えが不正解であっても、提出用マークシートへ正答を記入できるように仕向けるのです。そして、試験監督に作業用紙とマークシートを渡したら、正答一問につき10セントが与えられます。

3番目の学生グループは、2番目と同じですが試験監督に提出する際に作業用紙は破棄するよう指示されます。証拠を隠滅できるというわけです。

4番目の学生グループは、作業用紙だけでなくマークシートも破棄し、正答数の報告は誰にも行わずに教壇にあるガラス瓶の中からコインを正答数分だけ取り出すよう指示されます。つまり、バレることなく好きな分だけコインを持ち出すことができるのです。

どんな人でもついてしまう、小さなウソ

果たして結果は?

1番目のグループは、50問中32.6問の正答率。つまりこれが対照基準となります。

2番目のグループは、正答率36.2問で3.6問のウソがあることが判明しました。

3番目のグループは、正答率35.9問で2番目とほぼ同じ。

4番目のグループは、好きなだけコインを持ち出せたはずですが正答率36.1問で2、3番目のグループとほぼ同じ結果となったのです。

このことから、多くの人が“チャンスがあれば小さなウソをつく”ということが明らかになりました。そして重要なのは、いったん「ウソをつく」という気持ちになると、ウソが発覚する可能性をあまり考慮しないということです。発覚する確率が低くなってもウソの量が増えないということは、発覚する確率には関係なく小さなウソはついてしまうのだろう、とこの実験の研究者は結論付けています。

つまり大きな不正は犯さないが、小さな不正はどんなに優秀で人でも、危険を無視して犯してしまう可能性があるという結果が出たのです。

危険を顧みない小さなウソが、命取りに

実験の通りであれば、冒頭の例に挙げたような会社のペンを私物化した、使用していない交通費の経費申告をした、という小さなウソの“見つかる危険”を無視してしまう可能性があるということになります。

バレるかも知れないと思っていても、平気でそういった小さな不正を犯してしまう危険性は、詐欺師や犯罪者でなくても誰にでも当てはまってしまうのです。

上記の実験結果から、少しでもごまかせる状況があればついごまかしてしまう、私たちはそういう生き物だということが分かります。

あなたがどんな世界においても成功し、気持ちよく生活していくためには、周囲からの支持と評価が必要です。

それを一瞬で失ってしまうなんてことにならないために、「正直はいつも最善の策」ということを絶対にお忘れなく!

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