ついに新元号が「令和」と発表されました。この改元によって起きる心理的な影響について調べてみました。
- 改元で結婚が増えるかも
- 未来を明るく思い描く
- 「希望」が生み出す感情って?
- やっておきたい2つの行動
改元で結婚が増えるかも
今日、新元号が「令和」と発表されました。テレビなどのメディアが祝賀ムードを伝えています。
今回の改元は、心理的にも経済的にもプラスに働くという観測がメディアを賑わせてきました。
2018年12月の「みずほ日本経済情報」は、「今回の改元は生前退位のため、祝賀ムードが広がることで消費者マインドの改善などを通じて、経済効果が大きくなるとの声もある」と書いています。新しい時代の到来に、消費者の財布のヒモも緩むのではといった予測です。
中でも有望視されているのが、婚姻数増加にともなう婚礼特需だそうです。2000年のミレニアムのときや平成元年も婚姻数が増えたことから同じような状況が再現されるのでないかと言われているのです。
新しい時代の希望に包まれて結婚したいと思いたくなる雰囲気が、作られるだろうというわけです。
未来を明るく思い描く
このような時代の節目に感じる期待感や希望は、心理学的には「ポジティブ・イリュージョン」の一環としてとらえることができます。
ポジティブ・イリュージョンについて、筑波大学の外山美樹准教授は次のように書いています。
「精神的に健康な人は、自分を良き者と考え、自分の未来を明るく描き、自己の統制力を強く信じる傾向がみられる」(「児童と成人におけるポジティブ・イリュージョン」)。
実際の現実より自分の未来を明るく思い描くことで、人はいろいろなことに挑戦していけるのでしょうから、「ポジティブ・イリュージョン」は物事の推進力にもなっているのでしょう。ただ「イリュージョン」と名前が付いている通り、現実が大きく変わったわけではなく、そのとらえ方が変化したのです。
改元ほど滅多にないものでなくても、新年や新学期などに多くの人は期待を膨らませます。じつは季節の区切りによって自分の現実が一新するわけではないのですが、そこに希望を見てしまうのです。
「希望」が生み出す感情って?
では、新時代の節目に立ち会うことで生まれる興奮や期待感は、心理的にどのような効果を生むのでしょうか?
改元と心理学の関連性について調べてみたのですが、特別過ぎるのかピッタリとした心理実験が見つかりませんでした。ただ、希望を持った人がどのように感じるのかという論文が見つかりましたので、紹介したいと思います。
「希望に関する概念の整理:心理学的観点から」という論文では、60歳以上の高齢者200人を対象としたアンケート調査で、希望をもたらす事柄がどんな感情を生み出すのかを明らかにしています。
生み出される感情は、次の3つです。
・時間に対する快調な感情
・積極的な感情
・自他への一帯感
「時間に対する快調な感情」は、未来現在過去を肯定的に考えることができる気持ちです。具体的には、「将来は必ずよくなる」「不安がない」「幸せを感じる」「楽しい」「嬉しい」などの感情がわいてくるとのことでした。
「積極的な感情」は「高揚感」や「目標へ向かう意欲」を指します。気力が充実し、頑張りたいと思えるものとのことです。
「自他の一帯感」は周囲への感謝や誰かに分けてあげたいと考える「他者との一帯感」、神仏に感謝し自然に癒される「超越者・自然との一帯感」、人生は楽しいと思える「人生の統合」の3つに分けられるとのことでした。
改元にともなう「希望」の雰囲気は、こうした気持ちを引き起こす可能性が高いともいえるでしょう。
やっておきたい2つの行動
さて、改元が引き起こすポジティブな気持ちは、滅多にないものなので大切にしたいものです。
そこでお勧めの行動が2つあります。
①目標設定と実行
②他者への感謝を言葉にする
未来への期待と目標に向かう気力がわいているうちに、目標設定とそれに向けた一歩を踏み出せれば、これまでにない日常を送れる可能性が高まります。この改元をチャンスとして、さっそく目標設定から始めてみましょう。
「他者との一帯感」が高まる時期だからこそ、ちょっと照れくさいかもしれませんが、感謝の言葉を口に出してみるのはいかがでしょうか?
家族、恋人、同僚、上司。いろんな方にお世話になっていることを思い出し、相手に伝える勇気を改元からもらいましょう。「他者との一帯感」が高まる可能性のある今なら相手からも受け入れやすいでしょう。
「ポジティブ・イリュージョン」が現実に根ざしたものでなくても、行動を起こすことで現実も変わるかもしれません。
改元だからこそ実行したい行動についてでした!