誰でも、職場に苦手な人がいるのではないでしょうか。苦手な人を避けるうちに仕事でトラブルが発生し、もっと苦手意識が大きくなってしまう……ありそうですよね。苦手意識を克服できるイメトレのひとつ、サブモダリティーチェンジについて解説します。
- 苦手な対象に貼りつけている印象を変えるイメトレ
- まずは、苦手な人をイメージしてみる
- イメージにまとわりついている色や距離、位置、動きを変えてみる
- 脳は最新の情報を真実であると認識する
- 次の日、笑って挨拶できれば、さらに苦手意識が薄まる!
苦手な対象に貼りつけている印象を変えるイメトレ
サブモダリティーチェンジとは、苦手なものに自ら貼りつけている「色」や「形」などの印象を変えることを指します。「サブモダリティー」とは、対象に付随している五感情報のことで、「五感の質」を意味します。これを変えることで、対象への恐怖が和らぐことが期待できるというのです。
苦手な人そのものを笑顔にさせることができたら、苦手意識はかなり和らぎますが、それはかなりハードルが高いですよね。頭の中のイメージでしたら、いくらでも変えることができそうです。苦手なあの人を思い浮かべたとき、一緒に思い浮かぶ色や背景、もしくは音などがありますよね。それを、ポジティブなものに交換してしまうのです。
すると、人そのもののイメージは変わらなくても、人の周りのイメージが明るくなることで、ポジティブに受け入れることが可能になります。この方法は、実践心理学であるNLP(神経言語プログラミング)の手法の一つであり、ベトナム戦争においてトラウマを負った帰還兵の治療においても効果があったといわれています。
まずは、苦手な人をイメージしてみる
それでは、サブモダリティーチェンジを実践してみましょう。まずは、あなたの苦手な人をイメージしてください。どんな表情をしているでしょうか。きっと笑ってはいないでしょう。しかめっ面をしているか、あるいはまったくの無表情か……。
イメージ上で、その人の表情をムリヤリ変える必要はありません。注目してほしいのが、背景やその人の大きさ、位置などです。これらを編集することによって、苦手な人の暗い印象を、明るく穏やかな印象へと変えていきます。
イメージにまとわりついている色や距離、位置、動きを変えてみる
まずは、イメージに付随している色を変えてみましょう。グレーや深い青など、暗い雰囲気の色が、その人にまとわりついていませんか。また、背景にも注目してください。思い切って、明るく晴れやかな草原や空、海などをイメージに加えましょう。
また、顔が大きすぎて迫力を生み出しているなら、小さくサイジングし直します。さらに、位置を左より、右寄りなど変えてみて、より圧迫感のない印象となるよう頭の中で操作してください。そして、見えているイメージが動画であれば、写真のようにワンシーンで止めてしまうと、もっと苦手意識が和らぐでしょう。
脳は最新の情報を真実であると認識する
まるで写真のコラージュを頭の中で行っているかのようですが、これで本当に苦手意識が薄まるのでしょうか。能力開発トレーナーである山崎啓支氏は、著書『マンガでやさしくわかるNLP』の中で、以下のように述べています。
特定の人物や出来事の印象(五感の質)を変更したら、それが最後の印象になるのです。ですから、もし「五感の質の変更」により特定の人物に対して苦手な印象を、ユーモラスな印象に変えることができたなら、次にその人物と出会っても嫌な気持ちにならないのです。このように私たちは「五感の質」を変更することにより記憶の編集を行うことができるのです。
「上書き保存」して、記憶をリセットできる。脳は、そのようにできているのだと、山崎氏は言います。
次の日、笑って挨拶できれば、さらに苦手意識が薄まる!
イメージを変えた次の日、苦手な人を見つけたら、笑って挨拶ができるかも。すると、相手もきっと笑顔で挨拶を返してくれるでしょう。こうしてコミュニケーションをとることができたなら、苦手意識は徐々に薄まっていきます。
「あ~、あの人、苦手……」と感じた日は、一日の終わりに、ぜひサブモダリティーチェンジを試してみて。脳の上書き効果で、明日はきっと抵抗なく会話を交わせますよ。
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参考:『マンガでやさしくわかるNLP』(山崎啓支 著/日本能率協会マネジメントセンター)