幸福になる方法を行動科学から解説!

何だか毎日楽しくない……。そんな気分になることありますよね。理由はいろいろでしょう。恋人がいない、仕事がうまくいかない、ちょっと太ったなどなど。でも、原因は本当にそこにありますか?行動科学の観点から解説します。

  • 行動が感情にどう影響するのかに注意を向ける
  • ポイントは「快楽」と「やりがい」
  • 生活を記録して評価する
  • いっそのこと他人にきいてみる

行動が感情にどう影響するのかに注意を向ける

行動科学の専門家であるロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのポール・ドーラン教授は、幸福について次のように書いています。

行動を変えて、幸福を高めることは、ポジティブなことに注意を向けるとともにネガティブなことから注意を逸らすことでもある。

さらに吃音で悩んでいて自らの過去を告白するとともに、吃音にともなう不安を何が緩和させたのか解説しています。

私が学んだのは、いままさに経験している出来事にもっと多くの注意を向けること。それが、これからおかしな話し方をしてしまわないかという恐怖やこれまでの話し方におかしいところがあったのではないかという心配を和らげてくれる。

そして次のように結論づけています。

自分の行動が感情にどう影響するのかということに注意を向けるのは、何があなたを幸せにし、何があなたを幸せにしないかを理解するうえでとても重要なことなのだ。

これは自分の不幸と関係なく、一般論として考えると、より理解しやすいかもしれません。例えばお金で幸福や不幸を感じるのは、収入の額ではなく、収入に向ける注意の量で決まるというのです。確かに、お金持ちなのに不幸な人もいれば、けして裕福ではないのに幸福な人もいます。

実際、収入の額に興味がない人にとっては、必要最低限の生活を維持できる収入さえあれば、その多寡は幸福にも不幸にも関係しないでしょう。むしろ例えば趣味についやす時間を奪われるといった方が不幸なのかもしれません。

ポイントは「快楽」と「やりがい」

では、どんな気持ちに焦点を当てれば幸福になれるのでしょうか?

ポール・ドーラン教授は、「快楽」と「やりがい」に注目すべきだと指摘します。

例えば、教授の行った調査によれば、テレビ鑑賞は最も快楽が高く、やりがいが最も低い活動でした。では、快楽が高いからと、テレビだけ見続けていたらどうでしょう?おそらく飽きてしまうし、自己嫌悪に陥るかもしれません。

逆に仕事は快楽が低く、やりがいの高い活動だったのですが、やりがいを求めて仕事だけに集中して幸福になるとは思えないでしょう。結局、幸福とやりがいの両方をバランスよく配置することが重要になるのです。

ポール・ドーラン教授は、この調査で「気の合う人と一緒に時間を過ごすことの効果」も強調しています。

誰かと一緒にいると、たとえ仕事をしているときでさえも、よい気分でいられるということだ。食事やテレビを観るといった快楽の度合いが最も高い活動では、とりわけ人と一緒にいることで楽しさが増す。

しかも誰かと一緒の活動は、「快楽」だけではなく、「やりがい」も高まると分析しています。つまり誰と時間を過ごすのかも、幸福には非常に重要なのです。

生活を記録して評価する

ポール・ドーラン教授は、まず自分の生活の「快楽」と「やりがい」を見える化するよう勧めています。
・開始時間
・終了時間
・何やっていたか?
・誰とやっていたか?
・快楽(0~10)
・やりがい(0~10)

1日の行動を書き出して、上記の項目を記録していくのです。
行動記録を取るアプリはけっこう出回っているので、アプリで記録を取った後にエクセルなどに記入してもいいでしょう。

こうした記録を取ることで、自分が何に注意を向けるべきなのかをわかってくるそうです。この記録見直しの効果について、ポール・ドーラン教授は日曜日朝寝坊でさえも幸福の基準から考えるようになるというのです。

例えば、日曜日の朝早くから予定を組んだ日に、その日の「快楽」や「やりがい」の数値が全般的に低くなるようなことが起これば、ベッドでゆっくりしたい日曜の朝に予定を入れることもなくなる、というのです

「そんなこと!」と思うかもしれません。
でも、幸福はほんの少しのことで変わってくるのだそうです。
実際、「今日の星占い」が良かったから何となく1日楽しく過ごせた、美味しいお茶を飲めたから幸せだったということもあるでしょう。
重要なことは、自分にとっての幸せを見つけ出して、それに集中し、自由な時間を、その幸福に費やすようにすることです。

いっそのこと他人にきいてみる

こんな記録取るなんて面倒だ!そう思っている読者のために、ポール・ドーラン教授は、もっと簡単に自分の幸福について知る方法を教えてくれています。

それは自分を良く知る人に教えてもらうこと。

自分が本当に幸福だと感じることを、あなたの親しい人は理解していると、研究結果が示しているそうです。もちろん利益だけを考えている上司など、自分の幸福を考えてくれそうにない人に話を聴いても、幸福になれる可能性は低いので注意が必要かもしれません。

現在いまいち幸福を感じていないなら、まず日々の生活を記録することから始めてみるのも一つの方法でしょう。

心理学に興味のある方はこちらもご覧ください。

参考:『幸せな選択、不幸な選択――行動科学で最高の人生をデザインする』(ポール・ドーラン/早川書房)

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