健康的で前向きな気持ちを遠ざけ、ネガティブでよりマイナスに考えてしまうような習慣があるのを知っていますか? すぐにでも止めた方がいい、人生を暗くする習慣をまとめました。
- ①嫌なことがあったときにお酒を飲む
- ②ネットでストレスを発散する
- ③落ち込んでいるときネガティブなものに囲まれる
①嫌なことがあったときにお酒を飲む
何だかむしゃくしゃしたから飲む。飲むと上司の愚痴になってしまう。そんなお酒の飲み方をしている人も少なくないでしょう。嫌なことを忘れるために飲むという行動自体、珍しい話ではありません。
カリフォルニア大学のショーファット・オフィア氏などの研究によれば、メスに振られたオスのハエは、アルコールの入ったエサを好むことが知られています。つまりイヤなことがあったときにお酒を飲む行動自体は、生物的な本能に近い行動ともいえるのです。
ただし、そうした行動がプラスに働くとは限りません。
東京大学の野村氏と松木氏の研究によれば、やけ酒はイヤな記憶を強めてしまうそうです。つまり忘れるために飲んだお酒によって、ますますイヤな思い出が脳に深く焼き付いてしまうというわけです。
さらに習慣的にアルコールを飲んでいると、イヤな記憶を消す能力が減退することもわかっています。例えば上司と気が合わないといった状況だと、習慣的にお酒を飲んで愚痴を言うようになってしまうかもしれません。その結果として、イヤな上司との記憶はどんどん強まり、その記憶を消す能力さえ奪ってしまうという、まさに悪循環が起こります。
しかも飲みながら愚痴を言うのは、人間関係を悪化させるということまでわかっており、大量にお酒を飲むことでうつ病のリスクが3.7倍になることも判明しています。
悲しいお酒は百害あって一利なし。嫌なことがあったときは、とにかく飲まない方がいいでしょう。
②ネットでストレスを発散する
日ごろのストレスをネットで発散するのも、お勧めしません。
まず掲示板などで、他人を罵倒することで密かに発散しているなら、それはすぐに止めるべきです。もちろん近年、こうした行為で訴えられることが多くなってきたという裁判上の問題もありますが、じつはこうした行動が周りの人にバレていなくても、マイナスに作用することがわかっているからです。
アイオワ大学では、実験参加者に怒りの解消にはパンチングバックを殴るのが効果的だという記事を読ませ、実際に起きたときにどんな行動をするのか研究しました。その結果、関係ない人にまで怒りをぶつけることがわかったのです。どうやら怒りは表現すると、さらに強化されてしまうらしいのです。
つまりネットであっても怒りを他人にぶつければ、より怒りは強くなり、それは実生活にまで影響を及ぼす可能性もあるのです。
さらにネットで動画を見てストレスを発散するという行為も注意が必要です。人の不幸を扱ったものなど、ネガティブな映像は文字情報の6倍も人を落ち込ませることが心理学の実験でわかっています。
つまり暗いニュースなどは、どんどん人を落ち込ませます。その上、ダラダラとネット情報を見ていると、時間間隔がマヒして思った以上に長い時間を費やしてしまう傾向があります。そのため気づいたときには、思いっ切りネガティブな気持ちになっている可能性があります。
ストレスを感じる時は、ネットの使い方にも注意が必要でしょう。
③落ち込んでいるときネガティブなものに囲まれる
落込んでいると、人はネガティブに考えがちです。しかも、ネガティブなモノを発する場所やモノに引き寄せられやすくなります。落ち込んでいるときに見たくなる映画や、行きたくなるレストランなど、元気なときは辛気臭いと思っているのに、落込んでいるときはしっくりくるといった経験は誰にでもあるでしょう。また落ち込んでいるときに、ネガティブな言動の多い人と一緒に居る方が楽だと感じることもあるかもしれません。
しかし、こうした陰鬱な環境で、ネガティブなことを考えていると、ネガティブな思考がループして、抜け出しにくくなることがわかっています。落ち込むこと自体は仕方ありませんが、ネガティブな思考のループにはまらないようには気を付ける必要があるでしょう。
落ち込でいるときほど、運動したり、掃除をしたりという元気なときに気分がスッキリすると感じるような行動をしてみると、陰鬱な気分に陥らないで済む可能性があります。試してみてください。
今日はネガティブな気分のときに止めた方がいい習慣を集めました!
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『科学的に元気になる方法集めました〈ライト版〉』(堀田秀吾/文響社)/『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』(樺沢紫苑/KADOKAWA)