年末ともなると、とにかくやることが多すぎて時間が足りないと感じることも多いでしょう。仕方がないから睡眠時間を削ってとなると、逆にパフォーマンスが悪くなることも……。そこで「時間がない」を解消する方法をまとめました。
- 睡眠時間削減はNG
- 考えたい2つのポイント
- タスクを減らす3つの方法
- エネルギーを回復する3つの方法
睡眠時間削減はNG
やることが多すぎて時間がないと思うことは多いもの。仕事もプライベートもタスクがいっぱいで、こなしてもこなしても減らないといったことは珍しくないからです。特に年末や年度末など、仕事の区切りとなるような時期はどんなに時間があっても足りなくなってしまいがちです。
とはいえ睡眠時間を削るのは、お勧めしません。というのも睡眠時間が足りなくなるとパフォーマンスが悪くなるのはもちろんのこと、風邪をひいたり、新型コロナなどの感染症にかかるリスクが高まるからです。
では、どうするのが正解なのでしょうか?
2つのポイントと6つの対策をまとめました。
考えたい2つのポイント
そもそも時間が足りないと感じるのは、どうしてなのでしょうか?
忙しくなると、そんなことを考える余裕がないかもしれませんが、原因を特定することで時間が生まれる可能性も高いのです。
当たり前ですが、人に与えられる時間は一定です。1日24時間をさまざまな活動に配分することしかできません。ただタスクの量とタスクをこなす自身のエネルギーは変化します。この2つのポイントに働きかけることが、結果的に時間をつくりだすことにつながります。
ところが多くの人は、タスクの効率化に集中しがちです。「この工程を省けば間に合う!」といった考え方です。しかしタスク自体の効率化は、意外に時間をつくりだせないもの。そこで「タスクを減らす」ことと、「自分のエネルギーを最大限にする」それぞれ3つの方法を考えてみましょう。
タスクを減らす3つの方法
「時間が足りなくなってきた」と思ったときは、まずタスク自体を減らせるかを考えてみましょう。その具体的な方法を3つ紹介します。
①タスクをダイエットする
まず、すべてのタスクを書き出します。このとき習慣になっているような日々のタスクも書き出すといいでしょう。次に以下のポイントからタスクを見直します。
(1)長年実行してないタスクを消す
やろうと思っているけれど、実行できていないタスクを思い切って消しましょう。タスクに入れた当時は重要だったけれど、今はそうでもないといったこともあるでしょう。また実行してなくても仕事や自分の生活に影響がないことが、手を付けない間に証明されたタスクもあるでしょう。
手を付けていないタスクは、意外なほど人のエネルギーを奪ってしまいます。思い切ってタスクのダイエットをしましょう。
(2)惰性のタスクを消す
何となく続けているタスクで、重要でないものを消しましょう。誰も気にしていない見映えや完璧さといったことは、仕事のモチベーションになる可能性もありますが、時間がないなら削りましょう。
(3)タスクをまとめる
タスクをまとめれば、その準備や片付けに使う時間を削減できます。まとめられるタスクをまとめて、一気に終わらせる方法を考えてみましょう。
②タスクの増加を抑える
タスクを消化中にどんどんタスクが増えてしまうと、時間はどんどんなくなってしまいます。だから忙しいときこそ、タスクの増殖を防ぐ必要があります。まず、仕事を安請け合いしないようにしましょう。「忙しいので、今はちょっと難しいのですが」と伝えて、しっかり断るようにしましょう。
ただ、断るのが苦手だという人もいるでしょう。あるいは相手に粘られて、完全には断れないといったことも起きるかもしれません。そんなときは、「了解しました。でも」と、条件を交渉しましょう。締め切りを延ばしたり、一部を手伝ってもらったり、上司であれば現状の仕事の優先順位を付けてもらうのもいいでしょう。
大きなミスはタスクを増殖させますので、ギリギリではなく、ある程度の余裕ができるぐらいに時間配分を心がけて交渉しましょう。
③時間の浪費パターンを把握する
忙しいときほど、時間を浪費しがちです。メールを何度もチェックしたりし、時間をかけて綿密な計画表をつくったり、仕事を始める前にSNSのチェックに時間をかけたり。忙しさですり減っていく自分を守るかのように、時間を浪費してしまうことは、よくあることです。そのパターンを書き出して、減らすようにしましょう。
見えにくい時間の浪費を重ねるより、しっかりとリフレッシュした方が仕事の効率は上がります。だからこそ時間の浪費パターンがわかったら、そのパターンにはまらないような新しい行動パターンをつくってみましょう。
エネルギーを回復する3つの方法
集中力があるときとないときでは、同じタスクでも大きく必要時間が変わってくるものです。だからこそ集中力を高めるために、自身のエネルギーを満たすようにしましょう。
そのたのめの具体的な方法を3つ取り上げました。
①リフレッシュの時間をつくる
多くの人は時間がないときに、リフレッシュの時間を削ってしまいます。しかし集中力アップを考えるなら、一見ムダに見えるリフレッシュの時間を削ってはいけません。
長めの入浴や散歩、趣味についやす1時間、ドラマ鑑賞などなど。思い切って時間を使ってみましょう。ただ、そのときに重要なのは、どれだけエネルギーが戻ったのかをメモっておくことです。リフレッシュ前と後の自分で感じたエネルギー量を、0~100の間で記入しておけば、どの行動が効果的かがわかります。
さらに面倒でないなら、エネルギーをすり減らした原因もメモっておくと、どんなときに、どんなリフレッシュをすると効果があるのかわかるでしょう。
②15分以内の雑用を片付ける
ほんとうにささいな雑用が気になっていませんか? 本棚やデスクトップの整理など15分程度で終わらせられる雑用に、思い切って手を付けてみましょう。1日1つでも片付けると、思った以上にテンションが上がります。
忘れているようでも、人はすべきタスクを気にかけています。だからこそ気になっている雑用の数を少なくすれば、タスクを気にかけていることで使っている脳の領域を解放することができるのです。
③やりたいことの簡易版を考える
映画に行きたい、温泉に入りたい、美味しい料理を食べたいなどなど、自分がしたいのにできないことは多いものです。時間がないと、そうしたことをあきらめてしまいがちです。
しかし100%満足できなくても、70%の満足度なら実現できるかもしれません。例えば映画館に行けなくてもWebサービスを利用する、温泉宿はムリでもスーパー銭湯で温泉気分を味わう、フルコースのフレンチはムリでもランチを食べるとか、「やりたいこと」の簡易版をつくって実行してみましょう。
意外とリフレッシュできるかもしれません!
これから忙しい日々が続くかもしれませんが、これを機会に自分の生活を見直してみるのもいいかもしれませんね。
心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『ライフハック大全』(堀正岳/KADOKAWA)/「7 Ways to Boost Your Mood When You’re Busy」(Alice Boyes Ph.D./Psychology Today)