何となく夫婦の会話が減ってきたと感じたことはありませんか? 互いに黙ってスマホをいじっていることも多くなり……。そんなときに試してみたい、最新の心理学が教える仲良し夫婦になるためのテクニックを教えます!
- ツライ時にほしいのは共感
- 寝ている間に見る「夢」を語ろう
- 自然と「弱み」を共有できる
- ついつい解決策を語ってしまう人に
ツライ時にほしいのは共感
ピクスタ株式会社が実施したアンケート調査「夫婦のコミュニケーションと育児ストレスに関するアンケート」によれば、「ストレスを感じる時、周りからどんな反応をもらえたら嬉しいですか?」という質問に、妻の67.0%が「共感してくれる」と答えています。これは「頑張りを認めてもらう」「励ましてもらう」「ほめてもらう」を抑えてトップでした。
ツライ時ほど共感がほしいといったことは、女性だけではなく男性も同意できることでしょう。
じつは近年、職場などでも共感の重要性が指摘されるようになっています。共感力が高い人は、スムーズにコミュニケーションを取ることができ、協力者も募りやすくなり、信頼関係も築きやすいといった効果があるからです。
そのため声のトーンやテンションを相手に合わせる、相手の話を否定しないといった共感力を高めるためのテクニックが、Webなどで紹介されています。
ただ何となく会話の糸口がつかめない夫婦間だと、会話が盛り上がる時に活用するテクニックは少し使いづらいかもしれません。そこで心理学で証明されている共感力アップの話題を紹介しましょう。
寝ている間に見る「夢」を語ろう
英国のスウォンジー大学の研究グループが共感力を高めるテクニックとして紹介しているのが、夢を語ること。だしこの場合も「夢」は将来の願望ではなく、寝ている間に見る「夢」です。
方法は難しくありません。
まずパートナーに最近見た夢について語ってもらい、さらに全体がわかるように質問していきます。「そのとき何食べていたの?」とか「飛んでいるときは怖くなかったの?」といった夢の詳細やそのときの気持ちがわかるようにきいてみましょう。
次に最近の生活について、パートナーに話してもらいます。仕事の具合や人間関係など、愚痴やちょっと誇りたい自慢などを聞き出せればいいでしょう。
最後に夢と現実生活との接点を探し、その意味を一緒に探っていきます。「森はイヤな上司が仕切る会議のイメージかもね」とか、「犬がずっと一緒に居るのは、無意識に癒しを求めていたのかも」などなど。さまざまな考察によって互いの共感が高まることが心理実験で証明されています。
夢について語り合うことで、「パートナーの愛情を感じた」といった実験後の感想も寄せられたそうです。
自然と「弱み」を共有できる
夢と現実を重ね合わせて一緒に考えていくという行動は、普段は口にしにくい「弱み」の共有にもつながります。つまり「あまり愚痴も言わないけれど、会社ではツライこともあるんだな」といった相手への認識が、関係性を深める事にもつながっていくのです。
そういった意味では、弱みを見せない人にも効果のある会話方法かもしれません。
また生活環境の改善にも役立つ可能性があるそうです。
手を付けていない部屋の掃除や、気になっていながら放っておいた蔵書の整理など、この話し合いをきっかけに、一緒に進めてみるのもいいかもしれません。
ついつい解決策を語ってしまう人に
さて、問題はこの会話の始め方でしょう。
なかなか夢について語る機会がない夫婦にとって、自然に話題にするのは唐突感があるかもしれません。そこで元気になるメソッドとして遊び感覚で一緒に取り組んでみるのがお勧めです。パートナーが自分の夢を話しづらそうだったら、まず自分から夢を話してみましょう。
もちろん「夢の分析が的確でないと」などとプレッシャーを感じる必要はありません。重要なのは、夢を介して相手を理解しようと務めることです。そこに時間をかけ、向き合うことで愛情や信頼が生まれます。
特に共感が苦手で、妻の話などでついつい解決方法を話してしまうタイプの男性は、解決方法を示すことができない夢の題材は好都合でしょう。
今日は仲良し夫婦になるための話題について、最新の研究を紹介しました。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会