達成に導く目標設定のコツ

どうしても目標が達成できないと落ち込んでしまうと、自信までを喪失しがちです。そんな人に知ってもらいたいのが、目標設定の大原則。具体例から達成できる目標の作り方を紹介します!

  1. 目標が達成できないのは、なぜ?
  2. 陥りがちな目標の立て方と修正例
  3. 「今すぐ自分がやるべきことは何か」まで掘り下げよう
  4. 今すぐできることを宣言して達成に!
  5. 今すぐ目標を見直してみよう

目標が達成できないのは、なぜ?

『やり抜く人の9つの習慣』を著した社会心理学者のハルバーソン氏は、習慣の1つめに、「目標は具体的に設定する」を置きました。最初にこの話題を持ってくるほど、目標設定の仕方は、達成のために大事な要素なのです。

「そんなこと、知ってるよ」なんて言っている人ほど、「具体的な目標」の意味を履き違えている可能性があるかもしれません。陥りがちな目標の立て方と、その修正例を以下に挙げますので、ちょっと覗いてみてください。

陥りがちな目標の立て方と修正例

・やせる!→7月までに3キロやせる

・食生活を改善する→週に3日は自炊する

・体力をつける→10月までに10キロ完走できるようになる

・転職する→年度末までに、今より50万円年収が多い会社に転職する

・昇進する→2年後の同じ月に、マネージャーになる

・売上アップ→来月は今月の20%売り上げをアップさせる

・コミュニケーション力をアップさせる→「あなたと話していると楽しい」と言われるようになる

・職場を働きやすくする→空気を悪くする原因となっている●さんと、年末までに仲良くなる

以上のように、具体的な目標設定のコツは、「いつまでに」「何をするか」で目標を構成することです。行動そのものをはっきりと示し、その行動をしている自分を思い浮かべられるような文章にすることが大事なのだそうです。

「今すぐ自分がやるべきことは何か」まで掘り下げよう

設定した目標を、眺めているだけでは達成できません。「そのためにどうする?」と繰り返し問いかけて、今すぐ自分がやるべきことまで掘り下げていきましょう。具体的には、次の通りに掘り下げを行います。

「7月までに3キロやせる」

↓そのためにどうする?

「今が4月なので、1ヶ月に1キロずつ減量していく」

↓そのためにどうする?

「半月で500グラム減量する」

↓そのためにどうする?

「まずは2週間、夕飯の量を4分の3に減らして効果を見る。達成できていなかったら、さらに間食をやめる」

これで、今すぐあなたがすべきことは「今夜、夕食の量を4分の3に減らす」ことであるとわかりました。目標達成までの道のりが、具体性を持って見えてきましたね。

仕事の目標についても具体例を挙げておきましょう。

(アパレル接客業の場合)

「来月は今月の20%売り上げをアップさせる」

↓そのためにどうする?

「お客様への声がけを1日20人から30人にする」

「試着の際には靴や帽子、ストールなど合わせてほしいものを手渡して、購買意欲を促進させる。一人につき最低1点は手渡す」

「より高価な服をおすすめラインナップに入れ、強く推す」

今すぐできることが、3つも見つかりました。

今すぐできることを宣言して達成に!

「今すぐできること」が具体的になったなら、それを同僚や上司、家族など身近な人に宣言しましょう。心理学では、「宣言効果」という現象が認められています。目標を周りに宣言すると、いいプレッシャーがかかり、達成率が上がるというのです。

「今すぐできること」は、誰が見ても「やれたか」「やれていないか」が明らか。評価がしやすいので、「宣言したのにできてないよね?」と、毎日ジャッジしてくれるでしょう。宣言効果と、他人の監視効果が一気に得られ、目標達成率は飛躍的にアップすることが期待できそうです。

今すぐ目標を見直してみよう

もし、漠然とした目標を目の前にして動けないのなら、それを具体的な表現にし直すことから始めましょう。しつこいようですが、目標を達成できないのは、あなた自身のせいではありません。目標の立て方だけが悪いのです。

参考:『やり抜く人の9つの習慣』(ハイディ・グラント・ハルバーソン 著/ディスカヴァー・トゥエンティワン)

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