「何となく気分がのらない」「ささいな一言でやる気を失った」。そうやって目標に向けた努力を放り出してしまいたくなるとは、誰にでもあるでしょう。だからこそ日常的にメンタルを自分でケアしておくことが重要になります。手軽に試せる方法をまとめてみました。
- 気分が目標達成の邪魔をしているなら
- 落ち込む時間を決める
- 感情を刺激する
- 運動する
- 計画の失敗を想定しておく
気分が目標達成の邪魔をしているなら
今年も残り少なくなってきましたが、年初に立てた計画や目標を達成できたでしょうか? 立てた目標すら忘れてしまった人も少なくないでしょう。英会話などの勉強を始める、ダイエットをする、貯金をする、売り上げ目標を達成するなどなど、もし達成していれば、もっと気分良く年末を迎えられたかもしれません。
では、立てた計画を放り出したときのことを覚えていますか? ほとんどの人が記憶にないほどささいなことで、最初の計画を放棄しているのではないでしょうか。「何となく気分がのらなかった」というのは、三日坊主に終わるケースの大きな要因の一つでしょう。
気分が変動するのは、当たり前のこと。ただ、それが計画や目標の挫折と結びついているなら問題です。来年こそ三日坊主を卒業するために、自分でできるメンタルケアの方法を紹介します。
目標達成について知りたい方は、こちらの記事もおすすめです!
新年の目標を達成するために避けたい3つのワナ
今度こそ目標を達成するためにナッジ2つの原則と4つのポイントを理解する
生活を変える人のための「最初の一歩」と「継続の要」を紹介
①落ち込む時間を決める
ちょっとした気分の落ち込みを解消できないまま、ズルズルと引きずってしまうと、目標などどうでもよくなってしまいます。「何となくだるい」と感じる時間があってもいいのです。ただ、そうした時間を翌日に持ち越さないことが大切です。
そうした対策として時間を決めて、落ち込んだり、ダラダラしてみましょう。ゴロゴロ寝っ転がってみたり、ボーっとネットを見てみたり、自分を思いっきり甘やかしてみます。重要なのは終わりの時間にアラームを鳴らすこと。
学校の授業のようにチャイムが鳴ると、人は「始めなくちゃ」とか「終わりにしなくちゃ」と区切りをつけなければいけない気分になります。その心理的な性質を利用して、落ち込んだ気分に区切りをつけましょう。
何となく気分がのらないという理由で夜中までダラダラと過ごしてしまうと、確実に翌日の活動に影響します。しかし、チャイムが鳴った時間に寝るようにすれば、翌日からは切り替えができるのです。
②感情を刺激する
笑顔になると幸せホルモンと呼はれるセロトニンか多く分泌されるといった話を聞いたことがありますか? 作り笑いですらストレス解消に効果があると言われています。
また悲しいときに思いっきり泣くことでスッキリしたという経験をした人もいるでしょう。カタルシスといわれる心理効果です。
仕事などでは感情的にならないように気を付けている人が多いもの。だからこそ思いっきり笑ったり、泣いたりする時間をつくってみましょう。笑える映画を見たり、泣ける音楽を聴いたりといったほかにも、落語を聞きに行ったり、観劇したりといった方法もあります。
③運動する
運動がストレス発散にいいことはよく知られています。ただジョギングなどは面倒だと感じる人も多いかもしれません。
ジョギングだと体がきついなと感じるなら散歩などに出かけてみるのもおすすめです。あるいはゲーム性のあるスポーツをしてみるのもいいかもしれません。対戦型のスポーツは理想の一つですが、人を集めるのが面倒だという方はボルダリングやボウリングといったスポーツもいいでしょう。
重要なことは楽しめるスポーツを見つけることです。
自分にピッタリなスポーツを、メンタルケアのために探してみませんか?
④計画の失敗を想定しておく
目標に向けた計画を立てるとき、最悪のケースを想定しておくと「どうにでもなれ効果」を防止する可能性が高まります。
日々、計画通りに動いていたのに、1日サボったらどうでもよくなってしまって計画が頓挫した。そんな経験はありませんか? 目標に反する行動をとったりした途端に、一気にやる気がなくなってしまう。それが「どうにでもなれ効果」です。
これは考えてみれば不思議な現象です。
ダイエットの決まりを破ってスイーツを食べてしまっても、翌日から再スタートすれば問題は最小限に留まります。しかし多くの人は、食べてないと決めていたクッキーを口にした時点で「どうにでもなれ」と思ってしまい、残りのクッキーを一気に食べつくし、計画も放棄してしまうのです。
これは心理学的には、悪い行動によって生じた嫌悪感を慰めているのだそうです。確かに計画そのものを放棄すれば、クッキーを食べたという嫌悪感はなくなりそうです。
だからこそ、最悪の事態を想定しておいて、計画が継続できるようにする必要があるのです。例えば大好きなクッキーを食べてしまったら、翌日は運動を少し多めにするといった計画を立てておきます。失敗も計画に入れておけば、すべてを放り出すことはなくなります。
今日は挫折をしないためのメンタルの整え方をまとめてみました。来年の目標を達成するためにも、自分に合ったメンタルケアを今のうちに探してみてはいかがでしょうか?
心理学を活用した行動の改善方法に興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:日本産業カウンセラー協会
参考:『心が強い人のシンプルな法則』(瀬津要/PHP研究所)/『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴニガル/大和書房)