芸能人が告白して話題になっている パニック障害ってどんな病気なの?

ジャニーズ事務所に所属する「キンプリ」ことKing&Princeのメンバー・岩橋玄樹さんが自身のパニック障害を告白。ネットメディアを中心に話題となりました。では、最近耳にする機会も増えた「パニック障害」って、どのような病気なのでしょうか?

  1. 珍しい病気じゃない、芸能人のあの人も告白
  2. 白血病よりかかりやすい病気!?
  3. パニック障害の判断基準は?
  4. 不安が拡大し行動を制限
  5. 女性の20~40代がかかりやすい
  6. 半数以上がうつ病を発症
  7. どんな治療があるの?
  8. パニック障害を抱えながら仕事をするには?

珍しい病気じゃない、芸能人のあの人も告白

10月19日、フジテレビ系のドキュメンタリー番組で、King&Princeのメンバー・岩橋玄樹さんがパニック障害を告白したことに、ネットでも驚きの声があがっています。「キンプリ」といえば、2018年5月にデビューしたばかり。タレントの情報管理に神経をとがらせる芸能事務所が、このような告白を許したことに驚く向きもあるようです。

しかし芸能人でパニック障害を告白した人は、岩橋さんだけではありません。ジャニーズの先輩であるKinKi Kidsの堂本剛さんや、元プロ野球選手の長嶋一茂さん、女優の大場久美子さんなども自著などで、そのつらさを綴っています。

白血病よりかかりやすい病気!?

じつはパニック障害は、それほど珍しい病気ではありません。平成14~18年度に厚生労働省の研究班が行った調査では、パニック障害に生涯一度でもかかる確率は0.8%。女性の食道ガン(0.5%)、男性の白血病(0.9%)、女性の白血病(0.7%)とあまり変わらない数字なのです。

ちなみに米国大規模疫学調査におけるパニック障害の生涯有病率は、EACという調査で1.6%、NCSという調査では4.7%という数字となっています。ここまでくると、男女の直腸ガン(男性:4%、女性2%)より高い数字になります。

病気になったことを特別視する方がおかしいというのが、有病率から見た現実でしょう。

パニック障害の判断基準は?

では、パニック障害とはどのような症状なのでしょうか?

医学博士で臨床心理士でもある磯部潮氏は、『パニック障害と過呼吸』(幻冬舎)の中で、「『パニック障害』とは、『パニック発作』が繰り返し出現しているときに診断される病気」と説明しています。

「アメリカ精神医学学会で定義している精神疾患の分類と診断のマニュアル」であるDSM-Ⅳには、次のような診断基準を載せています。

強い恐怖または不快を感じるはっきりと他と区別される期間で、その時、以下の症状のうち4つ(またはそれ以上)が突然に発現し、10分以内にその頂点に達する。

1.動悸、心悸亢進、または心拍数の増加

2.発汗

3.身震いまたは震え

4.息切れ感または息苦しさ

5.窒息感

6.胸痛または胸部不快感

7.嘔気または腹部の不快感

8.めまい感、ふらつく感じ、頭が軽くなる感じ、または気が遠くなる感じ

9.現実感消失(現実でない感じ)、または離人症状(自分が自分でない感じ)

10.コントロールを失うのではないか、または気が狂うのではないかという恐怖

11.死ぬのではないかという恐怖

12.異常感覚(感覚まひまたはうずき感)

13.冷感または熱感

厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」

不安が拡大し行動を制限

このチェック項目を見ればわかるとおり、パニック発作の中心は呼吸器の問題です。しかも症状は突然です。さらにパニック障害は、「空間恐怖」と呼ばれる恐怖症を合併する確立が高いのです。「パニック障害の人のうち、およそ3人に2人は空間恐怖を伴っています」と『パニック障害と過呼吸』にも書かれています。

しかも一度、発作が起きると、いろんな場所で起きるのではという不安は当人の中で拡大していきます。最初は満員電車で起こり、用心のために時間をズラして空いた電車で通勤していたのに、それも怖くなってしまう。あるいは自分で運転していても高速道路や橋が怖くなってしまったりするのです。

結果的に、こうした不安は、患者の行動範囲をかなり狭めてしまい、外出が困難になるケースもあるようです。

女性の20~40代がかかりやすい

病気の原因は、まだ十分に解明されていません。

しかし脳の「恐怖神経回路」の過剰活動が原因だという有力な仮説があります。また、心因的要因として、「過去に何らかのきっかけがあった」「発症前1年間のストレスが多い」「小児期に親との別離体験をもつ」といったものもあげられています。

厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」

また、男性よりは女性の方がかかりやすく、20~40代が発症の中心になります。

半数以上がうつ病を発症

いつ引き起こされるのかわからない発作におびえながら暮らさなければいけないだけに、その苦しみは想像に余りあるほどです。

しかも先程も触れた米国大規模疫学調査によれば、パニック障害患者のうつ病の生涯有病率は55.6%です。つまり、非常にうつ病を合併しやすい病気なのです。

誰もがかかる可能性の高い病気であり、つらい症状に悩まされるパニック障害の患者さんが生きやすい社会をつくるには、まずパニック障害を知ることから始めるべきでしょう。

もちろんビジネスの現場では、パニック障害を抱えながら仕事をしている人もいるかもしれません。会社と専門家が連携しながら、パニック障害の人が仕事を続けられる体制づくりを進めていくことが重要なのではないでしょうか。

どんな治療があるの?

治療については、「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」(厚労省)では、抗うつ薬や抗不安薬の使用。さらに段階的に恐怖に慣れていく「曝露療法」やマイナスの状況を予測してしまう思考のクセを合理的で柔軟に捉えられるようにしていく「認知療法」などが挙げられています。

厚生労働省「知ることからはじめよう みんなのメンタルヘルス」

パニック障害を抱えながら仕事をするには?

誰もがかかる可能性の高い病気であり、つらい症状に悩まされるパニック障害の患者さんが生きやすい社会をつくるには、まずパニック障害を知ることから始めるべきでしょう。

もちろんビジネスの現場では、パニック障害を抱えながら仕事をしている人もいるかもしれません。会社と専門家が連携しながら、パニック障害の人が仕事を続けられる体制づくりを進めていくことが重要なのではないでしょうか。

参考:『パニック障害と過呼吸』(幻冬舎)

キンプリ岩橋さんのパニック障害再発とジャニーズ事務所の対応について

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